ブルさんブルさん

不動産売却は業者選びがもっとも重要です。しかし、売却相談や査定を受ける不動産屋はどこを選んでいいのか分からないものです。

私が家を売ったときは、近所には街の小さな個人経営の不動産屋があり、市内の中心街に行けば大手不動産業者があるのは知っていましたが、どこに相談するのがいいのか全く分かりませんでした。

結果的に私は一括査定を受けても、家の価値が低くセットバックの問題もあり、真剣に話を聞いてくれた所が少なく相談先が限られました。

最終的に家を売ってみて、不動産屋の営業トークには嘘が多かったと感じ、最初からもっと良い業者を見つけられれば苦労しなかったと思っています。

これから家を売る予定の方のために、改めて不動産屋の選び方を調べてきました。私の体験談を含めて紹介します。

不動産屋選びのポイント


不動産屋選びのポイントは次のものがあります。

・買取査定額の高さ
・広告費など販売活動予算のかけ方
・既存顧客への案内
・担当者(営業スタッフ)の信頼性
・仲介保証など独自サービスの内容(専任媒介の場合)

仲介ではなく、買取の場合は多くの不動産業者から査定を取ってみましょう。電話や現地査定の立ち会いなど手間はかかりますが、業者によって買取額は数百万円単位で変わるものです。査定を受ける業者が多いほど、高価買取してもらえる可能性が上がります。

仲介で家やマンションを売る場合の不動産会社選びについて詳しく紹介します。

多くの業者から話を聞いてみることが成功への近道

どこの不動産屋がいいかは、それぞれの地域によって異なりますし、営業スタッフや管理職が入れ替わると不動産屋のサービス品質は大きく変わります。ここを選べば間違いないといったオススメできる業者はありません。

まずは多くの業者に査定を受けたり売却相談をして、話を聞き比べてみることが大切です。

「うちは他社よりも高い価格で売り出しても売る自信がある」
「3ヶ月以内に絶対に売ります」
「すでに既存顧客でこの地域の物件を探しているお客がたくさんいます」

このように中身のない強気な営業トークや、業者側の強みのアピールは、依頼を取るために大げさに話をしている可能性があります。業者側の強みや都合の話ではなく、売却予定の不動産についての分析結果がしっかりしていて、納得のいく説明をしてくれる業者を選びましょう。

また、不動産を売るには広告費をかけて、提携業者にも販売活動をしてもらうなど、より多くの方に物件情報を知ってもらい、ほかの業者が連れてきた購入希望者を含めて、全ての購入希望者に全力で対応してもらうことが重要です。

悪質業者の場合は、広告費をかけずに自社のホームページ掲載しかしない場合や、買い手から仲介手数料を取れない片手取引の案件の話は売り主に報告もせずに勝手に断ってしまう場合もあります。

仲介を依頼したいと思える不動産屋があったら、媒介契約をする前に以下の質問をしてみるとよいでしょう。

・物件情報サイトには何社に広告を出す予定か?(具体的なサイト名まで確認)
・片手取引でも全力で対応してもらえるか?
・提携している不動産屋のホームページでも売り物件として掲載してもらえるか?
・売り出し期間中は常時レインズに掲載してもらえるか?

しっかり広告費をかけて物件情報を発信し、提携業者にも協力してもらい、片手取引も含めて買い手を全力で探してくれる業者を選びましょう。販売活動の説明内容に納得して、ここなら任せられると思える不動産屋を選びましょう。

家を高く売るためのコツ・注意点

大手と地域密着型(地場)はどっちがいいの?

不動産屋は大きく分けて、多数の支店を持つ大手と、地域限定の小規模業者(地場業者)の2種類があります。大手と地域密着型業者でどちらがいいのか?という疑問を抱く方が多いですが、大手や地域密着型の小規模業者で明確にどちらが良いという基準はありません。

地域密着型業者でも、良い業者もあれば対応が悪いケースもあります。また、大手であれば必ず信頼できるわけでもなく、支店や担当スタッフによって対応が変わります。

■大手のメリット
・運営母体そのものが潰れる可能性が低い
・専任媒介を条件に仲介保証や仮測量サービスなどの特典を用意しているケースがある
・情報網やネットワークが豊富

家や物を買う場合はアフターサービスも重要ですが家の売却は、引き渡し日までの付き合いになるので、仲介会社の財政面や資金面はそれほど重要ではありません。情報網やネットワークは確かに大手が強いですが、仲介の場合は広告による反響営業が重要です。

その地域の不動産事情に強いと、適切なアドバイスをもらえるメリットがありますが、大手はスタッフの異動も多く、長年そのエリア一筋でキャリアを積んできたスタッフは少ないです。

また、近年は不動産屋はレインズという業者専用の情報共有ネットサービスを活用しているので、どこの不動産屋に相談しても豊富なデータから家の価値や傾向を分析してくれます。

専任媒介の場合は、大手は仲介保証など手厚いサービスを用意していますが、広告費をかけずに自社で買い手も仲介する両手取引にこだわった販売活動をされる恐れがあります。

家を売る時の仲介は一般がいい?専任がいい?

つまり、不動産屋は会社規模に関係なく、良いスタッフや責任者がいる業者がいるかが重要です。エリア内の大手や地域密着型業者の対応や販売力が高いかは、実際に相談してみないと分かりません。

既存顧客を売りにしたセールストークはアテにならない

私が家を売ったときは、当初は非公開物件にしたい事情があったため、不動産屋が抱えている既存顧客を中心に購入者を探してもらいました。
しかし、不動産屋から紹介される顧客の多くは、ほかの不動産業者やコインパーキング業者など法人が中心で、仲介の売り出し相場よりも安い価格を提示してきました。

「このエリアで○○○○万円の予算で家を探しているお客がいます」といった大手不動産屋の折込チラシを見て相談しましたが、結果的には内覧にも来てもらえず、一切の反響がなく、公開で売りに出しましょうといった提案しかありませんでした。

公開で売りに出した場合は、広告の反響営業が中心になり、不動産屋の既存顧客の有無はそれほど重要ではありません。

つまり、既存顧客を売りにした営業トークや広告は信用性が低く、非公開物件として買い手を探したい場合は、多くの不動産屋に地道に声をかけていくしかありません。

公開物件にできるのであれば、不動産屋の既存顧客など狭い範囲で購入希望者を探すのではなく、広告費をかけて、より多くの方に売り物件情報を宣伝して購入希望者が現れるのを待つべきです。

おわりに

私が家を売ったときは、ついつい「高く売りますよ」など甘い言葉を言ってくる業者に興味を持ってしまいました。しかし、結果的に売る家についての冷静な分析ができていない業者の言った話は、全て中身がありませんでした。

最終的には、半年ほどの非公開物件としての販売活動期間を経て、大手不動産屋から紹介された地域密着型の地場業者に家を売りました。それは、価格の妥当性やセットバックや境界、古家付きなど個人に売るのが難しいから業者から現金購入してもらった方がいいなど、納得のできる説明があったのが決め手でした。

しかし、不動産売却を検討しはじめた初期の段階で、売却を決めた内容と同じ条件の話が来ても断っていたと思います。色々な不動産屋から話を聞いたり売却に向けたやりとりをしたことで、売ることを決めた不動産屋の説明や条件提示に納得ができました。

不動産を売るのは難しく、地域性や、ちょっとした立地の違い、建物の状態、設備、間取りなどによって売りやすさや価値は変わってきます。
どれだけ信用できそうな業者がいても1社だけの説明では決めずに、色々な不動産屋と話をすることで、必然的に最適な家の売り方や業者選びの答えが見えてくるものだと思います。