ブルさんブルさん

家が売れるまでの期間は、価格設定や広告活動などの売り方やタイミングによって異なりますが、全体の平均や傾向を理解しておくことは大切です。
買取であれば、値段の折り合い次第で即売却することもできますし、何年にも渡って売りに出している物件もあります。

家やマンションを高く売るための、売却期間についての考え方と傾向を調べてきました。

3ヶ月を一つの目安に

都市圏や住宅街など、中古物件の需要が高い地域では、半数以上が売りに出してから3ヶ月以内に売れています。
また、3ヶ月以内は高額売却できる可能性が高く、3ヶ月以上売りに出しても売れない場合、長期間売れ残ったり値下げを余儀なくされるケースが多いです。

ただし、どんな物件でも希望価格で3ヶ月以内に売れるとは限りません。適正価格で早期売却を目指すには、適切な価格設定と販売活動が必要です。

3ヶ月以内に多くの物件が売れる理由

中古物件を買う人は、長い期間をかけて物件情報を見ているものです。私は2015年9月に家は買いましたが、本格的に購入検討を始めたのは2015年4月頃で、物件情報は2014年秋ころから頻繁にチェックしていました。

つまり、売り物件情報を閲覧している人の大半は、長い期間かけて良い物件があれば買いたいと検討しています。そのため、新規に売り出した物件は以下の理由でもっとも問い合わせ件数が増えやすく、成約率も高いです。

  • 売り出してすぐに内覧に来る買い手候補は、もともとその地域の物件に興味を持っていて、買い手の条件に合致している購入意欲が高い人が多い
  • 適切な広告活動や提携不動産業者への声かけをすれば、売りに出して1ヶ月ほどの期間で今すぐ家を買う気がある人への情報供給が完了する

売り物件は情報の新鮮さが大きな強みになります。3ヶ月以上売れ残ると新鮮さがなくなり、既存の購入検討者は値下げしない限りなかなか買ってくれません。値下げをしても長期間売れ残っているのだから、もっと待てばさらに値下げしてくれるかもしれないと期待します。

中古物件は新築よりも時間をかけて探す人が多い

新築の場合は、立地と値段の折り合い次第ですし、価格帯も「土地代+新築建築費用」が基準になるので、価格相場や適正価格が明確です。間取りや設備も、注文住宅ならオーダーメイドできますし、建売でも流行やニーズに合った万人受けする造りになっています。

中古の場合は、立地や価格、築年数だけではなく、購入希望者ごとにこだわり条件や妥協できる点が違うため、完璧に希望と合致する物件が見つかりにくいですし、もう少し待てばもっといい物件が売りに出るかもしれないと期待します。

つまり、中古物件は新築に比べても、購入検討を始めてから買う家を決めるまでのサイクルが長いため、3ヶ月以上売れ残ると、長期化したり大きな値引きを求められるケースが増えていきます。

3ヶ月以内に売るために必要なこと

家やマンションを高く売るなら、売りに出して3ヶ月以内の売却を目標にしましょう。ただし、実際に売れるかはタイミングの要素もあり、最善を尽くした結果3ヶ月経過しても売れないケースも多々あります。確実に早期売却するには相場よりも安くするしかありません。

相場と同等以上の価格かつ、適切な売却期間で売るためには、次のことが必要です。

  • 価格設定は相場より若干高いくらいに設定して、極端に高い価格で売り出さない
  • 空家の場合は売りに出す時点で室内を綺麗にクリーニングして、観葉植物を置いたり案内パネルを設置するなど、魅力的なディスプレイにする
  • 不動産業者に複数の物件情報サイト(アットホームやSUUMOなど)に登録してもらう
  • 提携している不動産業者にも声かけをしてもらう
  • 家の内装の写真を多数ネット上で掲載して、チラシやPOPも綺麗に作ってもらう
  • 新聞折込チラシを出すなど、近隣エリアへの告知をしっかり行う
  • 仲介業者には両手取引にこだわらず、片手取引の案件でも全力で取り組んでもらう
  • 売り出してから3ヶ月以内はオープンハウスを積極的に開催してもらう

価格設定と家を綺麗にするのは売主の役割ですが、上記のほとんどが、仲介を依頼する不動産業者が行う仕事や関わることです。つまり、適正相場で早期売却するには、仲介してもらう不動産業者に、売主の利益を優先して全力で取り組んでもらう必要があります。

悪質業者の場合は、表面上は売主の味方になって全力で取り組むと話していても、本音は業者側の利益しか考えていません。広告費をケチって、販売促進活動をせずに長期在庫になれば、安く買取できるかもしれないといった本心を持っている不動産業者も多数あります。

良い不動産業者や営業マンに依頼できれば、売主から何も要望を出さなくても、最善の対応を取ってくれるでしょう。売主は、不動産業者が高く売れるようにやるべきことをやってくれるかを媒介契約前に確認をしておき、売りに出してからも適切な処置をしているか監視、確認の問い合わせをしっかりすることが大切です。

売れるまで時間がかかりやすい物件

以下の物件は売り出してから買い手がつくまで時間がかかる傾向があります。

  • 居住中の物件
  • 相場より高い価格設定にして、値引きに応じる気がない
  • 郊外で利便性が悪い立地
  • 建築基準法にひっかかるなど、難アリ物件(住宅ローンが通らない物件)

このほか、不人気物件の条件はいろいろありますが、基本的には条件に応じて適切な価格設定であれば、売却期間への影響は軽微です。居住中の物件は、引渡し時期が思い通りになりにくく、内覧もしづらいデメリットがあります。

郊外で利便性が悪い立地は、そもそもそのエリアで家を買おうとしている人が少ないため、適正価格で売りに出しても売れるまで数年かかるケースがあります。旧建築基準法で建てられて、再建築に問題が生じる古い家屋は、住宅ローンが通らない場合があります。

つまり、購入できる人が限られる物件や、需要が少ないエリアでは、販売活動に最善を尽くしても売れるまでに時間がかかりやすいです。

おわりに

家が売れるまでの期間は、実際に売りに出して反響を見ないと分からない部分もあり、タイミングや運の要素もあります。ひとつの目安は売りに出してから3ヶ月以内です。売り出しをする前に適切な準備をして、3ヶ月以内の売却を目標に設定するとよいでしょう。

早い時期に適正価格で売れるかどうかは、仲介を依頼する不動産業者の腕が重要です。悪質業者は心の底で、早く売るよりも儲かる方法で売るか買取をしようと考えていることもあるので注意しましょう。つまり、家を適正な価格と期間内に売れるかは不動産業者選びが重要です。

売主も不動産業者に全て任せるのではなく、広告やチラシ作りなど正しい販売活動をしているかチェックして、小まめに担当営業スタッフと連絡を取り合うように心がけましょう。

ちなみに私は2015年9月に神奈川県の市街地で中古住宅を購入しました。2年後に中古物件情報を見たところ、2年前に売りに出ていた物件が何件か未だに売りに出されていました。2年前から売りに出ている物件は次のいずれかの条件に該当しています。

  • 居住中で相場よりも高い価格設定をしている戸建
  • 築年数が古い不動産会社が売主のマンション(2年前よりも値下げ済)

経過をすべて確認しているわけではないですが、中古物件の需要が高いエリアでは、個人が売主の空家は2年以内に何かしらの方法で売っていたことになります。半年や1年売りに出してみて反響がない場合、妥協して値下げや業者の買取に応じる方が多くなります。