
家を売るときは綺麗にリフォームをした方が高く売れます。
元の家の状況や、リフォーム内容にもよりますが、リフォーム費用以上に価格を上乗せして売れるケースもあります。
私が売った家は築55年とオンボロだったため、リフォームという選択肢はありませんでしたが、中古住宅の購入で複数の物件を見ていた中で、戸建よりもマンションの方がリフォームして売りに出されているケースが多かったです。

家を売るときにリフォームすると一定の効果を期待できます。
私は新しい家を買うときに40件以上の物件を見に行きましたが、どの物件も売り出し価格で購入して、そのまま住むことを前提に内覧で足を運んでいました。壁紙くらいであれば、自己負担でやってもいいと思えた部分もありましたが、キッチン、お風呂、洗面台など水回りの状態が悪いと、妻が一目見ただけで嫌だと拒否反応を見せていました。
リフォームをして家の中を綺麗にすれば、多少売り出し価格が高くなっても、物件に興味を持ってくれる人が増えるでしょう。ただし、リフォームしてから仲介で売りに出す場合は、事前にリフォーム代を負担しないといけないデメリットがあります。
ある程度、貯蓄に余裕がある人であればいいですが、多くの人は売る家にお風呂やキッチンを交換するなど数百万円の投資をすることに抵抗を感じてしまうものです。
リフォームして売るのはハイリスク・ハイリターン
売りに出す物件をリフォームする場合は、リフォーム費用を大きく上回る価格を上乗せして売れるケースもあれば、元を取れないケースもあります。
高く売れるリフォームにはセンスを求められます。リフォームの内容が悪いと、買い手から逆に嫌がられてしまうケースもあるので注意しましょう。なかには、リフォーム費用をしつこく聞いてきたり、気に入らないリフォームだからリフォーム相当額を安くするなら購入すると交渉される場合もあります。
リフォームしてから売りに出す場合は、いろいろな不動産業者の話をよく聞いて、慎重に検討することが大切です。業者ごとに、高く売るためのリフォーム内容の提案や見積額に大きな差が出ることもあります。買い取りも強く、リフォームしてから再販した実績を多く持っているところに相談するとよいでしょう。
まずはリフォームの見積を出してもらい、販売価格でどのくらいの影響が出そうなのか、不動産業者の見解を聞いてみるとよいでしょう。リフォームしてから売る手段は、現状販売よりも難しさがあるため、なるべく多くの不動産業者から見積と意見を聞くことをオススメします。
一概には言い切れませんが、壁紙や部分的に状態が悪い部分など、50万円〜100万円相当のリフォームで家の見栄えが劇的に変わる場合は、リフォームする価値が高いです。個人では、お風呂、キッチン、トイレ、洗面所などのフルリフォームをしてから売りに出す方は少なく、そこまでお金をかけてリフォームする価値がある物件であれば、仲介だけでなく買取も検討した方がよいでしょう。
リフォームしなくても見積書があれば参考資料にできる
リフォームの必要性が高い家は、内覧で訪れた購入希望者から悪いイメージを持たれますが、現状販売で売り出し価格が安ければ、購入後にリフォームすることを前提に検討してもらえます。
リフォームの見積だけでも取っておけば、内覧で来たお客に参考資料として、いくらくらいで、この内容のリフォームができると見積書を見せて具体的な支払い総額を提示できます。
内覧時に現状販売で買う金額と、リフォームも同時に行って買う金額が分かれば、イメージが湧いて前向きに検討しやすくなります。
リフォーム再販に強い不動産業者は、売り手負担のリフォーム提案をしないことも
高く売るためのリフォームに強い業者は、お客負担でリフォームして仲介手数料を得るよりも、安く買取をして自社でリフォームして高く売ろうと考えることがあります。
リフォームのノウハウや知識を持っているにも関わらず、家の状態が悪いから売れないと案内したり、現状販売で売りに出させて反響が無いこと見せてから買い取り提案を行います。また、リフォーム見積を依頼すると、高い見積を提示してくるケースもあります。
リフォームをすれば高く売れる見込があると感じている場合は、複数の業者に相談したり、リフォーム専門業者に直接見積や売却のためのリフォーム相談をするとよいでしょう。
戸建とマンションでリフォームの必要性が変わる
マンションの場合は鉄筋コンクリート造で、建物の柱や基礎などの強度が木造住宅の戸建よりも大幅に高いです。また、外壁や屋根のメンテナンスは管理組合が行うため、マンションを売買するときに、前回の外壁・屋根をリフォームしてからの期間はそれほど影響しません。
つまり、マンションは家の中さえ綺麗にしてしまえば、不動産としての価値が高くなり、たとえ長期間売れなかったとしても、空家で未使用状態であれば、家の設備の評価額も下がりません。
戸建でリフォームしてから売りに出す物件が少ないのは、外壁・屋根塗装の問題があるからです。いくら内装だけ綺麗にしても、外壁・屋根の状態が悪いと購入希望者からの印象が悪いです。
外壁・屋根も塗り直しなどのリフォームをすれば、家を綺麗に見せることができますが、外壁は色や使用する塗料の好みが人それぞれ異なることや、長期間売れ残った時に屋外に露出している外壁・屋根の摩耗が進んでしまうデメリットがあります。
内装と外壁で膨大なリフォーム費用をかけた結果、長期間売れないと経年劣化で価値が下落するリスクを背負うのであれば、リフォームせずに安い価格で売りに出した方が無難な選択になるでしょう。
私も購入した中古住宅は外壁にヒビ割れが起こっていて、早めの塗り替えが必要でしたが、販売価格が安かったため、外壁塗装はすぐに自己負担で行うと割り切って購入を決めました。
マンションは不動産業者が買い取る事例が多い
中古マンションはフルリノベーション(フルリフォーム)済の物件が多いと感じました。また、リフォーム済みの綺麗な中古マンションの多くは、売主が不動産会社になっている比率が高いと感じました。買取に強い不動産業者は、ボロいマンションを買って、綺麗にリフォームして売ることを得意にしています。
とある事例では、現状販売で1,990万円で売りに出して買い手がつかなかったマンションを1,700万円で不動産業者が買い取りをして、400万円かけてリフォームをして売りに出したところ、すぐに2,480万円で成約になりました。
不動産業者からしてみれば、買取費用とリフォーム費用で合計2,100万円の先行投資があったものの、仲介で売れていた場合の手数料は65万円ほどだったのに対して、買い取りしてリフォームをして再販した結果、経費を差し引いても300万円以上の利益が出たことになります。
リフォームに強い業者であれば、買取査定額が高くなることも
買取でリフォーム再販を得意にしている業者は、過去の経験から、家の状態ごとにどのくらいのリフォームをすれば、販売価格がいくらくらい高くなるといった計算ができます。
リフォームしての再販実績が少ない業者の場合、先行投資してリフォーム代をかけることへのリスクに対して、赤字にならないような大きめのマージンを取るため、相場よりも大幅に安い査定額を提示してきます。
不動産の買取やリフォームしての再販に強く、高額買取を可能にしている業者であれば、ボロい物件を現状販売で売りに出すよりも高く買取してもらえる事例もあります。リフォームの必要性が高いなど、難しい条件の家やマンションほど、多くの不動産業者から査定を受けてみる価値があります。
おわりに
リフォーム費用を自己負担して売るのは、ハイリスク・ハイリターンですが、売る物件がマンションで資金力に余裕があれば挑戦する価値は高いと思います。リフォームして家を綺麗にすれば、元を取れない場合はあっても、現状販売以上の価格にはなるでしょう。
うまくいけば、手元に残る金額でリフォームした方が数百万円高くなるのであれば、リスクに対してリターンの方が大きいです。実際にマンション買取を得意にしている業者は、リフォームして再販することで仲介よりも大きな利益を出しています。
ただし、リフォームはセンスや内容によって売却価格が大きく変わりますし、リフォームに弱い業者や悪質業者は見積価格が高くなります。リフォームするなら、リスクが高くなることを認識して、より多くの不動産業者やリフォーム業者に相談して慎重な行動が求められます。
リフォームの必要金額が大きい場合や、リフォーム費用の自己負担できない場合は、買取相談をしてみることも効果的です。リフォーム向け物件は業者によって査定額に差が出やすいので、なるべく多くの業者に声をかけた方がよいでしょう。
戸建ての場合は、ペットや子供がいた家庭で壁紙や一部の部屋の床だけ直せば綺麗に見せれるケースなど、軽微なリフォームの範囲内で相応の効果を期待できる場合のみ検討することをオススメします。