
中古マンションの売り物件は、戸建てに比べても、すぐに売れる人気物件となかなか買い手が付かない不人気物件に分かれるようです。
マンションは立地や間取りだけではなく、総戸数や共有部分の設備、管理状況、管理費・修繕積立金が妥当かなどの要素で売れやすさが決まります。
売りやすいマンション、売りにくいマンションの特徴をまとめました。
売りやすいマンションの条件
中古マンションの売りやすさは次のポイントがあります。
- マンションの価値
- 間取り
- 設備、内装
マンションそのものに価値が高ければ、間取りや設備、内装に多少の問題があっても高値で売れやすいです。間取りは、購入者のターゲットに合致しているかがポイントになります。
マンションは柱や基礎など、建物自体の耐久性が高いので、古いマンションでもリフォームして最新のシステムキッチンやお風呂になっているなど、設備の価値が高ければ売れやすいです。
価値の高いマンションの条件
価値の高いマンションの条件は以下のとおりです。
・駅から徒歩10分以内
・築浅物件
・ブランド力や知名度がある
・外観が綺麗
・管理が行き届いている
・管理費、修繕積立金が妥当
駅から徒歩10分以内が評価の分かれ道
マンションは戸建に比べて、駅からの近さなど立地を重視されます。戸建は駅から15分以内が売りやすい条件ですが、マンションは駅から徒歩10分以内と条件が狭くなります。
築年数は住宅ローン控除適用の25年以内が売りやすい
マンションの場合は建築時期によって耐久性が変わってきます。最新技術を駆使して建てられたマンションは、最大で500年の耐久性があると言われていて、メンテナンスさえすれば、何世代にも渡って半永久的に活用できます。
築年数が古いと鉄筋コンクリート造や鉄骨コンクリート造でも、マンションの耐久性は50年〜70年が寿命と言われています。どれだけ割安でも、築35年以上のマンションは、この先長く住めるか不安要素が出てくるため売りにくくなります。
古いマンションでも建築時にお金をかけて高い耐久性があり、管理が行き届いていれば価値が下がりにくいです。
また、マンションの場合は原則築25年以内であれば住宅ローン控除が活用できます。若いファミリー世代や単身者が長期ローンを組んで購入する需要が高いマンションは築25年がターニングポイントになります。
所有物件になるからこそ、建物の外観やブランド力を重視される
マンションを購入して持ち家にして住む場合、外観やブランド力も大切です。リノベーションして室内が綺麗でも外観が汚いと、世間体や友人、知人、親族からの評判を気にする方が多く売れにくいです。逆に外観さえ綺麗で高そうに見えるマンションは、室内が汚くても売りやすいです。
特に駅前にあるマンションや、その地域で一番高さがあるシンボル的存在のマンション、総戸数が多い大型マンションなど、物件情報を見ている人でなくても、あそこのマンションと言えば、すぐに理解してもらえるような知名度・ブランド力が高いマンションは売りやすいです。
管理費、修繕積立金が適正か?
マンションは平米単価が戸建住宅より割安ですが、毎月管理費と修繕積立金がかかるデメリットがあります。管理費は管理人が常駐やエレベーターが付いている物件、共有部分が充実しているといった条件がある場合は、高額になりやすいです。
管理費の相場は5千円〜1万5千円ほどですが、価値に見合う設備やサポート体制、共有部分があれば管理費2万円以上でも売りやすいです。
逆に管理費が1万円であっても、エレベーターなし、管理人は巡回、敷地内の雑草は伸びたまま放置されているなど、管理が行き届いていないと減点材料になります。
修繕積立金は原則安い方が売りやすいですが、安くても外壁が汚かったり、ベランダや屋上の手すりがサビているなど、メンテナンス状況が行き届いていないと売りにくいです。
マンション全体の管理状況とメンテナンス状況を見て、管理費、修繕積立金が妥当もしくは良心的な割安価格になっていると評価されるマンションは売りやすいです。
また、総戸数が30以下の小規模マンションは1部屋あたりの管理費、修繕積立金の負担が大きいので売りにくいです。新築時はお得感を出して管理費、修繕積立金を安く設定するケースも多く、管理費・修繕積立金が将来的に高くなることを懸念されます。
間取りから購入者の家族構成や所有目的を分析して、売りやすいマンションか判断する
マンションの間取りは大きく3つの間取りに分類されます。
・若者や独身、単身赴任者などが住む単身用(1R、1K、1LDKなど)
・ファミリー用(3LDK、4LDKなど)
・子供が自立した老夫婦や、もともと家庭を持っていた方が住むセカンドライフ向け(1LDK、2LDK、1SLDK、2DKなど)
単身用マンションは所有者が居住するケースは少なく、大半は賃貸に出す投資用物件として運用されます。単身用マンションは、駅や大学から近いといった好立地など空室リスクが少ない投資用物件に適した条件だと売れやすいです。
ファミリー用マンションは、立地を問わず一定の需要が期待でき、学校や公園の近さなども重視されます。
セカンドライフ向けマンションの場合は、駅が近くて便利、温泉街、バス停が近いなど住環境や快適性が重視され、エレベーターなしは大きな減点になります。
売ろうとしているマンションは、どういう人が購入するのかを見極めて、ターゲットの視線になって魅力を感じる物件なのかを判断しましょう。
売りやすいマンションの設備
中古住宅で特に重視されるのは、キッチン、お風呂、トイレの水回りです。マンションなので浴室の広さなどは妥協する方が多いですが、綺麗さと新しさ重視されます。
それぞれの人気条件は以下のとおりです。
・キッチンはシステムキッチンで食洗機付き
・お風呂は洗い場や壁がタイルではなくプラスチック素材になっているユニットバス
・トイレはウォシュレット付きの節水タイプ
物件の立地があまりよくないなど、マンションそのものに価値が少なくて室内も汚い場合は、リフォームをしてから売りに出した方が有利です。
売却のためのリフォームではなく、これまで使っていたものでも、上記のような人気設備で綺麗に使っていれば売れやすいです。マンションは建物の価値が下がりにくいため、売却のためにリフォームされるケースが多く、買取を得意にしている業者が多いです。
おわりに
マンションを売るときは、適正査定をしてくれる業者を見つけることが大切です。好立地の築浅物件であれば購入時からほとんど価値が下がらないこともありますし、不人気物件を相場よりも高く売り出しすると、長期間売れ残って管理費、修繕積立金の負担が大きくなることもあります。
売りやすいマンションと売りにくいマンションの条件を知り、どれほどの需要があるのか見極めることが重要です。
私がマンションの売り物件情報を見ていると、いいと思う物件はすぐに売れてしまいますし、割高に感じる物件は長期間売れ残っています。買い手の目線になって、どういう人がマンションを買おうとするのかを考えて、競合物件と比べて魅力を感じる価格帯にすることがマンション売却成功への近道です。