ブルさんブルさん

希望価格で買い手が現れれば売るつもりだけど、それが無理なら今の家に住み続けたい場合は、末公開物件として売る方法もあります。
私が実家を売った時も末公開物件として売りました。
居住中のまま家を売りに出すと近所の目が気になるものです。近所付き合いが多い人ほど、噂が広まるリスクがあり、結果的に売れなくて住み続ける結果になった時に困ります。

ただし、物件情報サイトに載せるなど公開物件に比べて買い手が現れる可能性が低く、価格にシビアなお客の紹介が多いのがデメリットです。

私は未公開物件として4ヶ月近く販売活動をしましたが、当時の経験を踏まえて未公開物件の特徴を紹介します。

未公開物件で売る


家を売るときは公開物件と未公開物件の2つの方法があります。

■公開物件
不動産会社のホームページや物件情報サイトに売り物件として掲載したり、折込広告を出すなど通常の販売方式

■未公開物件
広告は一切出さずに不動産会社の提携業者、既存顧客のみに物件情報を案内する販売方式

未公開物件は「非公開物件」と呼ぶ場合もあります。未公開物件で売るメリットは、近所や知人など第三者に家を売りに出していることを知られないことです。主に居住中の家を売る際に利用します。

公開物件の方が反響が大きいので、近い将来確実に家を売る場合は、公開物件を選んだ方がいいでしょう。希望価格で売れなかったら、そのまま家に住み続ける予定がある場合や、短期間でも近所からの噂が気になる場合は未公開物件で売りに出して反響を見てみる方法がオススメです。

また、公開物件の場合は、家を探している人が閲覧する不動産物件サイトへの登録はしてほしいけど、近隣の住宅全体をターゲットにした折込広告やポスティングチラシは行わないなど,、販売活動方法を指定することもできます。

未公開物件は業者によって売り方が違う

一部の不動産業者では、自社のホームページで会員登録した方だけに物件情報を公開するサービスを行っています。不動産会社のWEBページへの登録は、本当に家を買おうとしている人しか行わないので、未公開物件でも効率的に売り物件の告知ができます。

このほかにも未公開物件の販売活動の内容は次のものがあります。

  • 提携業者に声をかける
  • 既存の顧客へ案内する
  • 来店や問い合わせあったお客にだけ紹介する

提携業者の活用は法人への案内や、同業の不動産会社に既存顧客でその地域の家を探しているお客がいないか、声をかけてもらう方法があります。私が売った家は土地は狭いですが、駅徒歩3分の立地だったため、コインパーキング業者や、店舗を出そうとしている小売業者などの紹介がありました

不動産業者からの「うちは既存顧客がたくさんいる」は嘘だらけ

私が未公開物件で家を売ろうとしたときは、「うちは既存顧客がたくさんいるから未公開でもお客を紹介できる」と言って近寄ってきた業者が2社ありました。

1社は小規模業者で「うちは投資家のお客がたくさんいるので、この手の好立地で安い物件を好むお客がたくさんいる」と案内されて、是非紹介してほしいと伝えました。その後、実際に3件ほど内覧客を連れてきてくれましたが、話を聞くとみんな投資用物件としてではなく、自分で住む予定と話をしていました。

怪しいと思いいろいろ調べていると、自社のホームページとマイナーな物件情報サイトでネットに売り物件として写真付きで紹介していました。すぐにクレームを言うと「載せていいって言いましたよね」と身苦しい主張をしてきました。ここでモメても無駄なので、とりあえずすぐに情報を削除するように依頼したところ、その後は一切の紹介がありませんでした。

もう1社は某財閥系の大手不動産会社で、ポスティングチラシで「このエリアで家を買おうとしているお客がこれだけいます」という広告を見て問い合わせをしました。会社のネームバリューもあり信頼できそうだったので、非公開で紹介してもらうようにお願いしましたが、結果的に1件も問い合わせや内覧希望の話はありませんでした。

伝えてくることは、「既存顧客だけでは厳しいので公開にさせて欲しい」の一点張りで、家を売ろうとしている方と接点を作るために強気なチラシと営業をしていたように感じました。

ネットで、末公開物件に関する情報を見ると、同様に不動産会社の嘘に騙されて全然お客を紹介してもらえないといった口コミが多数見られました。

末公開物件で売る場合の媒介契約

家の売却で不動産仲介会社を利用するときは、本来は媒介契約を結ぶのがルールです。しかし未公開物件の場合は、媒介契約なしで対応してもらえるケースが多いです。私は一括査定サービスを利用するなど、5〜6社に末公開で買い手を探してもらうようにお願いしましたが、媒介契約を求められたのは1社のみでした。

その1社は前項で紹介した、ポスティングチラシで興味を持った財閥系の大手でした。既存顧客がたくさんいるけど、紹介するには媒介契約が必要だと説明を受けて応じましたが、結果的には紹介された既存顧客はいなくて、媒介契約だけを目的に営業してきたように感じています。

また、会員限定で閲覧できるWEBサービスを利用する場合は、媒介契約が条件になる場合が多いです。単純に既存顧客を紹介するにあたって、まずは媒介契約が必要と案内される場合は、見込ユーザーがいるという話は嘘の可能性が高いです。

未公開物件を買おうとするユーザーはシビアな客が多い

私が家を買った時は、未公開物件自体に興味を持たなかったです。家を探し始めた当初は、会員登録すれば見れるWEB上の未公開物件を登録して閲覧しました。しかし居住中や相場より割高な物件が多くて、手間をかけてまで未公開物件で探そうという気持ちがなくなりました。
何よりもスマホから簡単に公開物件の検索と閲覧ができたので、自分でネットから探したほうが効率が良いと考えていました。

未公開物件を積極的に検討している方は理想が高く、公開物件の情報は全て確認して、買いたいと思える物件が見つからなかった方や、相場よりも安い物件しか買おうとしない方が多い傾向があります。未公開物件で短期間に満足のいく価格で家を売るのは非常に難しいです。

私の場合は、新しい家を買ったら公開物件にしようという考えがあったので、まずは未公開物件で売りましたが、未公開物件にこだわった売り方を続けることはあまりオススメできません。

おわりに

私が家を売ったときは、近所や近隣にバレたくないという事情もあり、未公開の間は売れなくても構わないという気持ちの中で販売活動をしていました。いろいろな不動産会社に嘘をつかれたり、粗悪な対応をされましたが、結果的に公開で売りにだそうと決意した矢先に良い話が入ってきて、公開せずに売却を決めました。

未公開物件で売りに出すことは、不動産会社とのやり取りで手間が大きく感じることもあり、複数の不動産会社に声をかけないとなかなか売れません。また、相談する不動産会社が増えると粗悪な対応をする業者に当たる可能性も高まります。

それでも未公開物件で少しも売れる可能性を上げたいなら、手間と業者対応のストレスは必要なことだと割り切って、たくさんの業者に声をかけることが大切です。未公開物件でも売りに出すのを迷っているような方は、不動産会社の営業トークに惑わされずに、未公開にしかできない期間は売りに出さずに慎重に適切な売り時を考え直してみてください。