
私は2016年1月に家を売却しました。
正確には私名義の家ではなく親名義の実家だったのですが、親が高齢で資金力もなく、私がローンを組んで2世帯住宅を購入して、実家を売る権限も全て親から任されていました。
家を売ろうと考えた時は、まだ購入する家をどうするかも決めていない状況でした。当時は先に実家を売って、売却資金で新しい家を買おうと考え、仲介よりも買取で折り合いを付けたいという希望があり、一括査定サービスを利用しました。
家を売った体験談の中で、複数社から査定を受けた結果について紹介します。
こんな家を一括査定してみました
売却物件の概要
建物種別:戸建
築年数:55年
構造:木造
階数:2階
土地面積:58.32㎡
用途地域:第一種低層住居専用地域
土地権利:所有権
駐車場:なし
売却した家は築55年で、2階の床が傾いているような状態の悪い家でした。
しかし、立地は神奈川県の住宅街で、駅から徒歩3分の好立地でした。
近隣の駅チカ物件の土地取引価格を見ると、坪単価100万円ほどが相場で、坪数は約17坪でした。つまり、普通の土地なら1,700万円ほどの価値が期待できるのですが、売却した家は建てられたのが古く、17坪の土地一杯に建物が建っている2階建ての一軒家でした。
現在は土地の用途地域が変更になり、建て替えると同じ大きさの建物を建てることができない問題もありました。もともとの土地が広ければいいのですが、17坪しかなかったため、建て替えをすると、2階建てで建物面積50平米程度の家しか建てられないのが問題です。
戸建で1階、2階合わせて50平米では、住居としての再活用が困難で、非常に難しい物件でした。私も家を売る前から、普通の値段では売れないことは理解していました。それでも立地が良いので、「安くても1,100万円で売れて、手元に1,000万円くらいは残るのでは?」と期待していました。
一括査定を利用して売却相談を行う
私が利用したサービスはアットホームの一括査定です。当時はネットで購入する物件情報をよく見ていて、一番利用していたサイトがアットホームだったので、特に迷わずに選びました。
10社ほどに申込ができて、アットホーム一括査定について不満はなかったのですが、最終的には一括査定で申込をした業者以外に売ることになったので、「もっと違う一括査定サービスを使っていたら、スムーズに話が進んでいたのではないか」と思っています。
私が一括査定を利用した理由は、シビアに買取額の比較や交渉をしたかったからです。
私の知人でも不動産業界で勤務している方はいますし、知人の知人まで広げればいくらでも不動産屋を紹介してもらうことができました。しかし知人や紹介だと断りづらいデメリットがあり、少なからず人情も入ってしまいます。
数万円程度の買い物であれば、多少のことは知人相手だし目をつぶろうと思えますが、不動産は金額が大きく、業者選びや交渉内容によっては数百万円単位で買取額が変わってくるので、一括査定に登録している大手不動産業者から話を聞いてみたいという気持ちが強かったです。
仮に仲介で売ることになったとしても、買取査定が高い業者に相談した方が信頼できそうといったイメージも持っていました。仲介前提であれば、評判の良い大手をピックアップして直接依頼しても良かったのですが、まずは買取査定額を聞いてみたかったので、迷わずに一括査定を選びました。
一括査定申込から返答までの流れ
一括査定のネット申込をしたのは夜間でした。申込フォームでは、名義人との関係や売却理由、訪問査定か机上査定のどちらを希望するか選べました。家の条件に難しさがあり、建物もボロかったので訪問査定を希望し、申込可能業者全てに査定申込のチェックを入れました。
一括査定の翌日になって、3社ほどから電話連絡が来ました。いずれも連絡の内容は登記情報を確認するため、1日~2日待って欲しいとのことでした。熱心な業者は、「チャイムは押さないから家の外観を見に行きたい」と連絡があり、了承しました。
一番最初に連絡が来たT社の営業の方は、購入希望もあるのであれば、そちらもお手伝いしたいので是非一度来店してほしいと連絡があり、こちらも了承しました。
一括査定の申込から翌々日になって、前日に連絡が来たうちの2社から査定の返答、2社から新しく電話で査定申込お礼と本人確認の電話、2社からメールにて対応できないとの回答が届きました。まず、前日に引き続き連絡してくれた2社の買取査定の回答は非常に厳しい内容でした。
1社は住居用に再建築が厳しいので、買取価格は600万円~700万円がいいところ。それ以上の価格希望なら仲介でやってほしいとのことでした。
もう1社は買取不可だけど、うちの会社には投資用物件を探している投資家がたくさんいるので、是非声をかけさせて欲しいとのこと。家の通りにある古いマンションの1Rが1,000万円で売れた実績もあるので、1,000万円以上になる可能性は十分あるとのことでした。
ちなみに仲介という選択肢については、まだ家を売るか決まっておらず、近所の目もあるので、ネットや折込で広告を出すのは避けたいと思っていました。
このほか、登記情報を見て確認すると言っていた業者が、その後連絡が来なかったり、後日断りのメールが届く、買取査定額を提示する電話でやる気なさそうに、500万円くらいと伝えてくる業者がいるなどして、結局話が続けられた業者は3社しか残らなかったです。
不動産売却の案件はそんなに件数が多いものではなく、不動産業者は積極的に営業してくると思っていたのですが、難しい条件の物件のため、反響が思っていた以上に少なかったです。売りやすい好条件の物件なら違っていたかもしれないですが、10社に申込をして、早々に7社が消えたことは予想外でした。
そして、全ての業者から買取で1,000万円以上の回答は得られず、いずれも仲介での提案になりました。
一括査定を受けてみた結果は非常に渋い内容でした。
結論を先に伝えると、その後は先に中古でセミ2世帯の戸建住宅を購入し、その後広告で物件情報を出さずに不動産業者が見つけてきたほかの業者が1,400万円の値段をつけて実家を買ってくれました。
まとめ
私が一括査定を受けてみた感想は以下のとおりです。
- 一括査定はサービスごとで提携業者が違うので、慎重に選んだ方が良い
- 不動産査定は平日の日中に登記情報を確認してからでないと金額提示ができない
- 難しい条件の物件では、対応してくれない業者も多数ある
- 10社ほどに申込をして3社程度しか継続して話を進められなかったので、一括査定で複数社に依頼する重要性を実感
- 前向きな返答の大半は電話連絡で回答があるので、応対する時間確保が必要
次回予告
次回は、売却先が見つかるまでの体験談を紹介します。