
私は2016年1月に家を売却しました。
一括査定を利用し買取相談をしましたが、思った以上に安くて断念しました。その後、セミ2世帯の中古住宅の購入を先に決めて、複数の業者に相談した中でR社が紹介した、地元の小規模不動産業者に仲介で売ることが決まりました。
今回は、家の売却を決めてから、契約、引き渡しをするまでの体験談をまとめました。
前回までの記事は
私が家を売った体験談①:まずは一括買取査定を受ける
私が家を売った体験談②売却先が見つかるまでの買取業社との交渉
不動産業者R社との契約から引渡しまで
前回までの記事では、購入物件で付き合いをもった大手不動産業者R社と売りに出す物件の一般媒介契約をした日に、R社と古い付き合いがある小規模不動産業者に1,400万円の購入申込書を提示されて、そのまま売却することを決めたところまでを紹介しました。
R社からは、売却を決める返答をした際に、以下の説明がありました。
- 実家の名義人の父と一緒に売買契約をする時間を用意してほしい
- 実家は取り壊すが、購入する不動産業者の会長が一時的に古家を使って展示会イベントを計画しているので、荷物は全て処分してほしい
- 本測量ができていなく、境界も打っていない場所があるので、本測量をして登記と土地の大きさが違ったら、契約内容の平米単価によって金額調整する
- 測量の結果、土地面積が極端に小さくなって売買価格も大幅に変動することがあれば、契約を無効にできる特約を契約書に明記する
実家の売却を決めた2ヶ月前には、中古住宅の購入で契約や引き渡しを経験していたため、おおよその流れは理解していました。
まずは契約は早めの方が良いとのことで、R社の契約ルームで売買契約を行いました。私と父が同席して、重要事項の説明を受けたのちに、買い手から手付金の100万円を受け取りました。契約を済ませた時点で、キャンセルすると手付金の2倍返しをする責任ができますが、親の引っ越し先も確保できていたので不安はありませんでした。
重要事項の説明は、宅地建物取引主任者の資格保持者でないと行えませんが、R社の担当は宅建資格を持っていたので直接説明を行ってくれました。測量によって金額が変わる旨や、測量の結果によっては契約を無効にできる説明があり、建物の補償については一切なしなどの説明がありました。
買い手はプロの不動産業者で、私も購入で不動産取引の経験があったこともあり、1時間ほどで契約手続きは完了しました。新しい家を買ったときの売買契約は、1時間30分ほどだったと思います。
契約後に本測量、実家の荷物の処分が必要だったので、受け渡しまで1ヶ月半ほどの猶予をもらいました。今回のケースは買い手が不動産業者で、現金一括払いだったから良かったのですが、ローン購入者の場合は銀行との契約の手間が大きく、もっと時間がかかるケースもあります。
実際に私は新しい家を購入したときは、契約時点で仮審査は通っていたものの、銀行が提示する書類が多くて、一部税務署より再発行してもらうなどの手間があり、ローンの本審査が通るまでに2ヶ月近い時間がかかりました。
知り合いの測量業者とモメる
本測量についてR社と提携している業者の紹介の話もありましたが、測量会社に勤めている知人がいたので、そこに声をかけました。知人に声をかけたところ、「うちの会社ではなくて個人事業主として測量事務所を経営している父を利用してほしい」と紹介され、知人の父へ相談しました。
連絡すると、すぐに法務局で登記書類を取って立会いのもと家を見に来ました。しかし、思っていた以上に見積が高く、高齢のため話も信用できない部分がありました。
息子である私の知人に電話相談したところ、「父はキャリアが長くプライドもあり、大手不動産業者が紹介する測量屋の方が安くて仕事もしっかりしているかもしれない。」「境界が打っていないなど、難しい条件もあるので、気を使わずに父は断って不動産業者の紹介する測量屋を使うように」と提案がありました。
この旨を伝えると、知人の父の測量士から電話が来て、「キャンセルするなら、登記費用と交通費で1万円ほど払ってほしい」と言われました。これまで不動産売却で登記書類を取得した業者から費用を請求されたこともなく、普通の業者なら文句を言って、事前の説明がないので払わないと主張したいところでしたが、知人の父という関係もあり、納得しない部分もありながら支払うことにしました。
先方からは、振込ではなく郵送で送って欲しい。現金書留だと高いので普通郵便で送ってくれと指示がありました。支払いの電話連絡を受けたのが日曜日で、2日後の火曜日の日中にポストに投函したのですが、水曜、木曜、金曜と3日連続で電話が来て、まだなのか?と催促の電話がかかってきて、とても嫌な思いをしました。
不動産取引に関連することは、知り合いなどに頼るよりも、大手不動産業者であれば全部任せた方が費用も安くて安心できると実感できました。
本測量については、境界が打っていなく、以前から隣の家と境界の主張で食い違う場面もあるなど、不安要素もありましたが、業者が交渉を行うとスムーズに境界が決まりました。結果的に売買価格で3万円分ほど登記面積よりも狭くなってしまいましたが、境界を新しく打った位置が私の家の主張する位置だったので納得しています。
本測量の費用は244,080円でした(明細では不動産業者が入力項目を間違えて「抵当権抹消」の項目に計上しています)。古い家は本測量していないケースが非常に多いようで私の実家の広さや条件では25万円~40万円ほどが相場のようです。
これから古い家の売却を検討している方は、本測量をしているか確認してみてください。本測量および登記ができていない場合は、家を売るときに必ず必要になります。
実家の荷物の処分は知り合いの紹介で公社に依頼
実家は祖母の代が建てた家で私を含めて3代に渡って使用していたので、かなりの荷物がありました。また、古い家で廊下や階段が狭いので2階の家具を出すのが大変で、素人では対応できない状況でした。
不動産業者のR社からは「処分業者を紹介できるけど、相場は20万円~30万円」と説明があり、市の委託でゴミ収集をやっている公社に勤務している知人がいたので、公社に相談することにしました。紹介がなくても、公社から不用品処分のチラシが入っていて興味があったので相談していたと思います。
知人ということで、特別価格で7万円+冷蔵庫のリサイクル料(約5千円)で対応してくれました。正規に依頼しても10万円~15万円で対応してもらえたと思うので、不用品処分はゴミ収集をしている公社の利用がオススメです。
リサイクル料が必要になる家電は冷蔵庫と洗濯機がありましたが、洗濯機は屋外置きで外観の汚れはあるものの、比較的新しかったため、ジモティーというフリマアプリで0円で貰い手を募集したところ、希望者が殺到しました。最初に問い合わせが来た方が、若い頃に引っ越し屋で勤務していて搬出も任せてくれという内容で信用できそうだったので、無料で引き取って頂きました。
また、祖父の遺産の骨董品が多数あり、骨董品買取業者も呼びましたが、二束三文にしかならず、大半は処分、一部は新しい家に持っていくことにしました。
引き渡しと売却代金の受け取り
家を買ったときは、R社の契約ルームで登記書類の確認などを行い、その後みんなで銀行に移動して代金の振込を持って手続き完了でした。家を売ったときは、銀行の中の個室を借りて書類の確認をしました。権利書など必要書類を行政書士立会いのもとで確認してもらい、R社から代金の説明があり、銀行の振込用紙に記入をして振込にて金銭のやり取りを完了しました。
R社のサービスにより、リピート利用者のため仲介手数料を10%割引をしてもらい、私が父を紹介したということで5万円分の商品券のプレゼントがありました。思い返せば、T社などほかの業者ではなく、購入でもお世話になり、大手で豊富なキャンペーンを用意しているR社に依頼して良かったと思っています。
取引をしたのは1月だったため、前年の固定資産税額を基準に日割りで計算をして買い手から受け取って、その年の支払いは売り手が行うルールです。仲介手数料は466,540円、測量費用が244,080円、住所変更が15,580円かかりました。
また明細には無い項目として、契約時に現金で払った印紙代が1万円、公社に払った荷物の処分費用が7万5千円ほどかかり、実際に手元に残ったお金は約1,320万円です。1,400万円で売れた時点で、手元には1,300万円くらい残ればいいと考えていたので満足できる結果でした。
2週間ほどして、行政書士事務所から移転登記完了書類が届き、全ての手続きが完了しました。
まとめ
家の売却にあたり、契約から引き渡し手続きをしてみた時の感想は以下のとおりです。
- 買い手や仲介業者がしっかりしているとスムーズで安心して取引ができる
- 本測量と家具・家電の不用品処分は思っていた以上にお金がかかり大変だった
- 大手不動産業者でリピート利用や紹介があると、特典が付いてきてお得だった
- しっかりした仲介業者に依頼すれば、重要事項の説明が丁寧で分かりやすい