
アクリル樹脂塗料は、外壁用塗料の中では、最も安く耐久性が低い塗料です。
足場や職人の技術料などの塗料費用以外のコストが大きい外壁塗装では使用する方が少ない不人気塗料です。
私も前回外壁塗装をやった時は、アクリル樹脂塗料はすぐに選択肢から外して、詳しい話は何も聞きませんでした。
しかし、各塗装業者の商品ラインナップに載っているという事は、実際に利用している人もいるという事です。
次回外壁塗装をする時に徹底して比較するために、アクリル樹脂塗料の特徴や選ぶメリットについて調べてきました。
アクリル樹脂塗料とは
アクリル樹脂塗料とは、主成分の樹脂がアクリルで構成された塗料です。外壁塗装用の塗料の中では歴史が古く、25年以上前に開発されて当初は人気が高い塗料でした。
現在ある外壁用の塗料の中では最も費用が安いですが、耐用年数が4年〜6年と短く、ひび割れを起こしやすいデメリットがあります。
透明で強度が強いので、くっきりした鮮やか色が出しやすいですが、艶や光沢が少なくて汚れが付きやすいです。重ね塗りができるので、小まめに色を塗り替えたい方に最適で、ちょっとしたひび割れ程度であれば簡単に補修できます。
アクリル樹脂塗料が使われなくなった理由
アクリル樹脂塗料は10年以上前までは人気が高い塗料でした。しかし、現在使われる事が少なくなったのは、ウレタン樹脂塗料やシリコン塗料の価格が安くなったからです。
昔は、ウレタン樹脂塗料やシリコン塗料よりも大幅にコストが安かったため、耐用年数が短くてもコストパフォーマンスが高かったです。現在は、主流になったシリコン塗料が価格が安く高性能に進化したため、アクリル樹脂塗料を使用するメリットが少なくなりました。
新築住宅ではよく使用される
アクリル樹脂塗料は塗り替えによる外壁塗装では需要が低いですが、新築住宅では、今でもよく使われています。
新築でアクリル樹脂塗料が選ばれる理由は次のものがあります。
- コストが安い
- 塗りたての時は色が鮮やかで見栄えが良い
- 木造住宅やモルタル外装の新築はひび割れを起こしやすい
分譲などの建売住宅の場合、建築コストを抑え価格を安くする事が求められます。
また、アクリル樹脂塗料は汚れが付きやすいデメリットがありますが、塗りたては鮮やかで綺麗な色に仕上がります。そのため、アクリル樹脂塗料は新築住宅を売りやすい条件に合致しています。
さらに、木造やモルタル外装の新築住宅は、外壁そのものの伸縮が起こりやすく、ひび割れが起こりやすい特性があります。良い塗料を使っても、ひび割れを起こすと補修や塗り直しが必要になるため、新築時にはコスト重視のアクリル樹脂塗料を使用するメリットがあります。
アクリル樹脂塗料とシリコン塗料の違い
アクリル樹脂塗料の中には、シリコンを配合して耐久性が高い商品があります。シリコン塗料の定義は、シリコン含有量が5%を超える事です。つまり、アクリル樹脂塗料でもシリコンを3〜4%配合していると、シリコン塗料に近い性能になります。
しかし、アクリル樹脂塗料を明記している以上、シリコン含有量は5%未満になるので、シリコン塗料よりも耐久性は劣ります。
アクリル樹脂塗料が向いている人
塗り替えの際にアクリル樹脂塗料が向いている人は次の通りです。
- 外壁塗装の予算が少なく、とにかく安くやりたい場合
- 小まめに家の色を変えたい場合
- 長く住み続けるか分からない(すでに数年後に売却予定がある)
- 自分で補修(DIY)をしたい方
アクリル樹脂塗料は、重ね塗り可能で、技術力がなくても綺麗に仕上がるメリットがあります。塗料が安いだけではなく、職人の腕がない格安業者の利用や、下塗りを省いた格安プラン、素人による補修でもそれなりの仕上がりになります。
一時的な資金難の場合や、近い将来売却や転居の予定がある場合は、アクリル樹脂塗料を選ぶ価値が高いです。
また、家の色を変えたいけど、その色が家や町並みに合うか不安があり、お試し感覚で外壁塗装をしたい場合もオススメできます。
おわりに
アクリル樹脂塗料について調べてみた所、時代遅れで塗り替え時に選ぶメリットが少ない塗料という事が分かりました。
私は今の家に長く住み続けたいので、次に外壁塗装をする際も候補から外すと思います。
ただし、新築や短期的な一時しのぎ、資金不足の場合は候補に入れて検討するべきだと感じました。