ブルさんブルさん

アステックペイントは、防水性と伸縮性に優れた、ひび割れの補修や防止、遮熱効果に強い高級塗料です。
調べてみると、地震が多い日本の木造住宅に最適で、古い住宅の塗り替えや補修にも人気が高い塗料という事が分かりました。

アステックペイントの特徴を紹介します。

アステックペイントとは

出典:https://astec-japan.co.jp/

アステックペイントはオーストラリアの最大手メーカーが手がける、ピュアアクリル樹脂塗料です。粘土のような600%の伸縮性がある粘りが強い塗料で、ひび割れの補修に適していて、防水性が高いです。

地震や木造・モルタルの伸縮によって、外壁そのものが動いても、高い伸縮性によって、ひび割れを起こしづらく、すでにひび割れを起こしている外壁でも隙間なく密着します。最大10年の保証もついているので安心して利用できます。

通常の塗料よりも粘りが強く、施工に特殊な技術が必要なため、メーカーの研修を受けた業者のみ施工できます。そのため、アステックペイントを扱っている業者は、勉強熱心で技術力が高いと評価できます。

アクリル樹脂塗料との違い

アクリル樹脂塗料は、現在流通している外壁用塗料の中で最も耐久性が低く安価な種類です。
外壁塗装のアクリル樹脂塗料の特徴

私はアステックペイントがアクリル樹脂塗料と聞いて、最初は悪いイメージを持ちました。しかし、アステックペイントは不純物を全て取り除いたピュアアクリル樹脂で、通常のアクリル樹脂塗料とは全く違う性質を持ちます。

本来アクリル樹脂塗料の劣化スピードが早い理由は、不純物が酸化成分のラジカルを発生させて、塗料樹脂を破壊しています。アステックペイントは、不純物が一切ないピュアアクリル樹脂なので、酸化による劣化が少なく高い耐久性を実現しています。

さらに、不純物が多いと分子結合が弱くなるデメリットも克服して、密着性が高く防水効果に優れています。

アステックペイントの耐久性

アステックペイントの耐用年数は15年〜20年です。一般的なアクリル樹脂塗料の3倍近い耐久性があり、現在主流のシリコン塗料よりも耐久性に優れています。

アステックペイントは不純物を取り除いた事で、アクリル樹脂の分子量が多く、一般的なアクリル樹脂塗料に比べて50〜100倍紫外線の破壊ポイントが少ないです。また、紫外線の遮熱効果が非常に高く、塗るだけで夏場の室内温度を3度〜5度下げる効果があります。(遮熱効果なしタイプもあり)

アステックペイントの生産国のオーストラリアは、日本よりも3〜5倍紫外線量が多いです。過酷な環境のオーストラリアで実績がある塗料だけあって、遮熱効果は安価な遮熱塗料に比べて大幅に高いです。また、アクリルは耐水性が高く船舶にも使用される事が多いです。

アステックペイントは、分子量が多く、耐水性は既存の外壁用塗料の中でもトップクラスです。台風が多い日本の環境でも、水漏れ防止や外壁の保護効果が期待できます。

アステックペイントの費用

アステックペイントの費用は、最高級フッ素樹脂塗料より高く、1坪あたり4万円前後が相場です。外壁用塗料の中では、遮熱効果ありのEC-5000PCM-IRと、遮熱効果なしのEC-5000PCMの2種類があります。

1回の塗り替えコストは割高ですが、耐用年数が長く、ひび割れや水漏れ防止効果が高いので、長期間トラブルリスクが少なく安心できます。日本で発売されてから15年ほどの実績があり、取り扱い業者も年々増加しています。

しかし、輸入製品という事や、作業日数や講習を受けた業者しか施工できない理由もあり、普及率向上による料金の下落は見られません。今後も時間の経過による料金の下落は考えにくいです。

アステックペイントのデメリット

アステックペイントのデメリットは作業に時間がかかる事です。本来、オーストラリアの気象条件に合わせて作られた塗料で、不純物を一切取り除いているため、一般的な塗料のように乾燥促進剤もなく完全自然乾燥です。

季節や天候にもよりますが、アステックペイントの場合、塗装の重ね塗りをする際には、24時間以上乾燥させる必要があります。

通常の外壁塗装は、1回目の本塗装を夕方に終えたら、一晩乾燥させて翌朝から2回目の本塗装の作業ができます。アステックペイントの場合は、1回目の本塗装をした翌日は丸1日乾燥させなければいけません。

乾燥に時間がかかる都合で、足場を組んでいる工期が長く、塗装業者の技術料が割高になるデメリットがあります。

また、アステックペイントは耐水性が非常に高いため、直貼り式のサイディング工法の外壁に使用すると、内側に含まれた水分の逃げ場がなく、内側の侵食や膨れの原因になる場合があります。

おわりに

アステックペイントは、一般的なアクリル樹脂塗料とは違い、不純物を取り除いた高性能の外壁用塗料です。塗料のグレードは最高級フッ素樹脂系を超える最上級品で、価格の高さがネックになりそうです。
ひび割がひどい家や、地震や災害などによるひび割れや水漏れのリスクを懸念する方にオススメできそうです。

アクリル樹脂塗料とは違い、ピュアアクリルは高機能・高耐久で、デメリットも塗装期間が長くなる事くらいです。最上級の塗料で高い機能性は認めますが、フッ素樹脂や光触媒、ガイナなど、アステックペイントよりも割安で高機能の塗料もあるので、現時点では他の塗料の方が興味が強いです。

前回、シリコン塗料で外壁を塗っているので、その後ひび割れや水漏れの問題が発生するようなら、積極的に検討したいです。