ブルさんブルさん

フッ素樹脂塗料は、現在ある外壁用塗料の中で最上級の塗料です。耐久性が高く、光沢が長続きするなど、機能面でシリコンをはじめ他の塗料を圧倒しています。

高機能の分、価格が高い事がネックでしたが、少しずつ安くなってきた事から需要が拡大しています。

私が外壁塗装をした際には、フッ素樹脂塗料を検討候補に入れませんでした。その後、「外壁塗装でコストパフォーマンスが高いのはフッ素系」というネット記事を見て、もっと調べてみるべきだと後悔しました。次回外壁塗装をする時には、検討すべき注目塗料です。

詳しい特徴について勉強してきました。

フッ素樹脂塗料とは


塗料の主成分による樹脂は大きく次の4種類があります。

  • アクリル
  • ウレタン
  • シリコン
  • フッ素

塗料の原料は「樹脂」、「顔料」、「添加剤」の3つの成分で構成されています。塗料の種類は、樹脂が上記のいずれかの素材の配分量によって決まります。

フッ素樹脂塗料は、塗料の主成分の樹脂にフッ素を使用した塗料です。フッ素は航空宇宙工学に使用される事も多い最高級の樹脂で、耐久性が現在ある樹脂成分の中では最も高いです。

フッ素より高耐久の塗料があるのはなぜ?

外壁用塗料は、光触媒をはじめ、フッ素を超える高耐久の商品も多数あります。フッ素を超える高耐久塗料は、主にシリコンやフッ素系樹脂にプラスアルファの成分を加えて精度を上げた塗料です。

このように、これまでの樹脂を改良した塗料を「次世代高性能塗料」と呼びます。

一般的にフッ素樹脂塗料と呼ばれる商品は、樹脂にフッ素を使用したスタンダートな配合の塗料です。

フッ素樹脂塗料の耐久性

フッ素樹脂塗料の耐久性は15年〜20年以上です。フッ素樹脂塗料が登場したのは1982年で、これまで明石海峡大橋の架橋部分や東京タワーなど、頻繁に塗替えができない建造物にも採用されてきた実績があります。

一般住宅で使用されるようになってからも25年以上の歴史があります。実際に20年以上経過しても耐久性を維持している報告談もありますが、環境やフッ素樹脂塗料のグレードによっては、15年ほどで塗り替え時期が来る事もあります。

いずれにしても、シリコン樹脂塗料よりも耐久性が高い事は、すでに実証済みです。

フッ素樹脂塗料は建物の動きに弱い

フッ素樹脂塗料の耐久性は高く、特に雨風・紫外線に抜群の耐候性を誇ります。ただし、塗膜が硬いので建物そのものが歪むと、ひび割れ(クラック)を起こしやすい弱点があります。

地震が多い地域や、地盤が弱くちょっとした地震で揺れやすい環境の家は、フッ素樹脂塗料で適切な施工をしても、何かの弾みでひび割れが入ってしまうリスクがあります。

硬く耐久性が高い分、部分補修も難しいデメリットがあります。

フッ素樹脂塗料の価格

フッ素樹脂塗料は価格がシリコンよりも高い事が、シェアの伸び悩みの要因です。塗料代金が高いだけではなく、施工には入念な下地処理など手間が多いため、塗装職人の技術料も高くなります。

フッ素樹脂塗料は塗膜が硬いので、適切な下地処理や均等な厚みで塗らないと、ひび割れを起こしやすく本来の耐久性が確保できません。

フッ素樹脂塗料で外壁を塗る時は、職人の腕も重要で、格安業者に依頼すると、15年も経たずに塗り替え時期が来てしまう事もあります。

フッ素樹脂塗料が向いている人

フッ素樹脂塗料は、高価ですが耐久性が高いので、1年あたりのコストで見れば割安です。塗り替えサイクルを長くしたい方や、1年あたりのコストパフォーマンスを重視したい方に選ばれています。

ただし、屋根やサッシなどその他の部位も20年以上持つように最高級の塗料や施工をしないといけないので、総額費用はシリコン塗料より大幅に高くなります。

建物面積が大きい家や、足場を組むのが困難な立地など、足場代が高い家ほど、フッ素樹脂塗料を使って塗り替えサイクルを長くするメリットが大きくなります。

フッ素樹脂塗料の将来性

フッ素樹脂塗料は、年々価格が下降傾向にあり、シリコン塗料との価格差が詰まっています。しかし、現時点ではまだ割高感が高く、シリコン塗料に比べて普及率は低いです。

現在主流のシリコン塗料も以前は価格が高くアクリル塗料やウレタン塗料よりも人気が低い塗料でした。それが、時代の進化の中で価格が下がって、塗りやすさが向上した新しい塗料が増えて、現在の主力塗料へと成長しました。

フッ素系塗料も、この先日進月歩で進化が進めば、安くて施工がしやすい新商品が登場して、シリコンに変わるスタンダートな定番塗料へ成長する可能性を秘めています。

おわりに

フッ素樹脂塗料について調べてみた結果、いずれは利用したいと思える塗料でした。私の家は、地盤が固く地震もそこまで多くない地域なので、ひび割れのリスクが少なく、その他シリコン塗料に比べ価格以外のデメリットはなさそうです。

しかし、シリコンが圧倒的なシェアを占める状況が変わらなければ、無理にフッ素樹脂塗料を使う必要性は低く感じました。今後フッ素樹脂塗料の価格がもっと下がって、シリコン塗料と同等以上のシェアになったら積極的に検討したいです。

塗料の品質は高い事が実証されているので、塗装サイクルを長くしたい方にはコストパフォーマンスも高い塗料です。