ブルさんブルさん

夏場は、エアコンをつけないと屋外よりも室内の方が暑く感じた経験はありませんか?
夏の炎天下の日は、外壁が紫外線の熱を吸収して、外壁や屋根の表面温度が70度〜80度に上昇して、サウナのように室内が蒸し暑くなります。

そこで注目されているのが、太陽光の熱を反射して室内温度を下げる遮熱塗料です。

外壁塗装の費用が高くても、夏のエアコンコストが下がるのであれば、選ぶ価値が高いです。
しかし、前回私が外壁塗装をした時は、営業の方から「体感できるほど劇的な効果はない」と説明があり、費用も高額だったため遮熱塗料を選びませんでした。

次回外壁塗装をするときのために、遮熱塗料の特徴や効果、注意点について調べてきました。

遮熱塗料とは


遮熱塗料とは、太陽光などによる熱を遮る事で外壁や屋根の表面温度の上昇を抑える塗料です。熱を遮る原理は、塗料の塗膜に紫外線を反射する成分を配合する事で、塗料が受ける紫外線の影響を少なくします。

ちなみに、遮熱塗料とは別に熱伝導率を下げて、塗料そのものが熱くなりにくい断熱塗料もあります。遮熱塗料と断熱塗料は、家の室内温度を下げる目的は同じですが、原理が異なります。
(参考記事:10.断熱塗料)

遮熱塗料の種類

遮熱塗料は樹脂の種類ではなく、紫外線を反射する成分を配合した塗料です。
一般的に流通しているものでは、次の樹脂を使用した遮熱塗料があります。

遮熱効果を高めるには、細かい分子で塗膜を作る必要があり、ウレタン樹脂やシリコン樹脂でも、高い耐久性を兼ね備えたグレードの高い塗料になっています。

ただし、遮熱塗料の性能は商品によって格差があります。遮熱塗料であれば、何でも良いという訳ではなく塗料選びが重要になります。

1番人気の遮熱塗料

遮熱塗料の中でシェアナンバーワンを誇っているのが「ガイナ」です。
遮熱と断熱の双方の効果を持ち、室内温度を下げる効果と耐久性に定評があります。

遮熱塗料の費用

私が前回外壁塗装をした際の業者による説明では、フッ素樹脂塗料より高く、光触媒塗料より安いと説明がありました。

遮熱塗料の費用は、塗料の銘柄によって塗料代や技術料が変わってきます。安い遮熱塗料では、フッ素樹脂塗料とほぼ同等の費用でできるものもあるようです。

塗料の種類や職人の技術力によって、遮熱効果が変わってくるので、一概に価格だけを重視して選ばない方が良さそうです。

遮熱塗料の耐久性

遮熱塗料の耐久性は、塗料の種類によって異なりますが、樹脂の種類を問わず、通常のシリコン塗料より短い耐用年数の商品は少ないです。
耐用年数の目安は15年以上です。

外壁は紫外線によるダメージが劣化要因の一つですが、遮熱塗料は紫外線のダメージを受けにくいため、耐久性が高いです。また、遮熱成分を配合すると高価になるため、各メーカーで塗り替え頻度が低くなるように、耐久性にこだわった塗料を用意しています。

遮熱塗料の室内温度を下げる効果

遮熱塗料を検討する上で、一番気になるのは、実際にどれだけ室内が快適になるかです。
遮熱塗料の効果について調べた所、次の3点がポイントになる事が分かりました。

  1. 色による効果の違いがある
  2. 外壁よりも屋根の方が重要
  3. 家の構造によって実感効果に差が出る

色による効果の違い

遮熱塗料は、各塗料メーカーの製品全てを含めれば、全塗装色に対応しています。

家の外観は色によって熱の吸収効率が違います。遮熱塗料に限らず、黒系は熱吸収効率が高くて熱くなりやすいです。白系は表面温度が上がりにくい効果があります。

外壁の色は白に近づくほど、熱吸収効率が下がります。遮熱塗料を使用しても、色による熱吸収効率の原理は変わりません。

塗料の遮熱効果の有無と色の関係性は次のようになります。

  • 同じ色で遮熱塗料と一般塗料を比べれば、遮熱塗料の方が室内温度が低い
  • 黒系の遮熱塗料と、白系の一般塗料(遮熱・断熱効果なし)を比較した場合、遮熱塗料の性能によって優劣が決まる。真っ黒の遮熱塗料と、真っ白な一般塗料を比較すれば、真っ白な一般塗料の方が表面温度が上がりにくい。
  • 白系の遮熱塗料が最も室内温度を下げる効果がある。

遮熱塗料は屋根の方が重要

夏の紫外線で室内温度が上がる原因は外壁よりも、屋根の影響の方が大きいです。仮に外壁に遮熱塗料を使って、屋根に一般の遮熱・断熱効果がない塗料を使った場合、効果をほとんど実感できないでしょう。

逆に、外壁塗料に遮熱・断熱効果がなくても、屋根だけ遮熱塗料を使用すれば一定の効果が期待できます。遮熱塗料を使用する人の多くは、外壁と屋根をセットで遮熱塗料で塗っています。

家の構造によって遮熱塗料の必要性が異なる

遮熱塗料を使用すれば、外壁や屋根の表面温度が上がりにくくなります。しかし、家の外観の表面温度と室内温度の関係性は、家の構造によって異なります。特に、屋根による影響が大きいです。

そのため、次の構造の家では遮熱塗料の恩恵が大きいです。

  • 屋根が金属素材
  • 吹き抜け天井など、屋根裏スペースが少ない家
  • 3階建て
  • リビングが最上階にある家

ロフトがある家や、1階のリビングで過ごす事が多い場合は、遮熱塗料を使用しても居住空間の室内温度の低下は実感しにくいです。

屋根の素材が熱くなりやすい場合や、屋根の表面温度の上昇が居住空間に与える影響が大きい環境では、遮熱塗料を選ぶ価値が高いです。

遮熱塗料と冬の関係

遮熱塗料は太陽光による紫外線の熱を反射するので、冬は家の中が寒くなってしまうと思われがちです。

遮熱塗料は、熱を完全にシャットアウトするのではなく、一定の熱を通しつつ、夏場の激しい紫外線を反射します。そのため、紫外線量が弱まる冬は通常の塗料と同等に熱を通してくれるので、冬に塗料が原因で室内温度が下がる事はありません。

夏は一般塗料より快適になって、冬は一般塗料と同等になるのが遮熱塗料です。

おわりに

遮熱塗料について調べた結果、次のことが分かりました。

  • 遮熱塗料にも様々な種類があり、人気商品は室内温度を下げる評判が高い
  • 家の構造によって、向き不向きがある
  • 表面温度と室内温度の関係は、屋根の影響が大きい
  • 外壁と屋根の両方を遮熱塗料にすると、塗装の総額がそれなりに高くなる

私の家はロフト付きなので、遮熱塗料の必要性が少ない事が分かりました。夏場はロフトに入るとサウナのように蒸し暑いですが、ロフトと2階の居住部分に大きな温度差があります。

夏に、日差しが強い日と曇りの日で室内の体感温度に差を感じる場合は、遮熱塗料を候補に入れてみてはいかがでしょうか?