ブルさんブルさん

シリコン塗料は外壁塗料の中で最もシェアが高い塗料です。
某塗装職人の話では、全体の7〜8割ほどはシリコン塗料が選ばれているそうです。
シリコン塗料の特徴や選ばれている理由、塗料選びのポイントをまとめました。

シリコン塗料とは


シリコン塗料は、主成分となる樹脂がシリコン系の塗料です。シリコンといえば、弾力性があるゴム系の素材を思い浮かべませんか?

ゴム状のシリコンをイメージしていただくと分かるように、耐水性や耐汚性に優れていて耐久性も高いメリットがあります。アクリル系よりも耐久性が高く、フッ素系よりも価格が安いため、バランスの良さが最大の魅力です。

シリコン塗料の種類

シリコン塗料は次の種類があります。

  • 水性1液型
  • 油性1液型(溶剤1液型)
  • 油性2液型(溶剤2液型)

シリコン塗料は、上記の種類によって価格や耐久性などの性能が変わります。
「シリコン塗料だから安心」と楽観せず、シリコンの中でどの種類を使うのかを確認しなければいけません。

シリコン塗料の価格

シリコン塗料の価格は、依頼する業者や塗料メーカーや種類によって異なります。
全体的な傾向としては、次の順番で価格が高いです。

油性2液型 > 油性1液型 > 水性1液型

油性2液型の相場は1坪あたり2万5千円前後です。油性2液型は施工に技術力が必要で、価格だけではなく業者の腕や評判も比較材料にしないといけません。
また、油性1液型や水性1液型は1坪あたり1万5千円〜2万2千円ほどが相場になります。

シリコン塗料の耐用年数

シリコン塗料の耐用年数は10年〜15年です。塗料の種類や、地域、日当たり、風通しなどの環境によって耐用年数は左右します。最低でも10年前後は持つため、使用する安心感があります。

塗料の種類によって色あせ方が違う

シリコン塗料の耐用年数は、油性2液型が最も高いです。雨風から家を保護する意味では、油性1液型や水性1液型は油性2液型に劣るものの、極端に耐久性が落ちる事はありません。水性塗料など安いシリコン塗料でも、プロによる施工であれば10年前後は持ちます。

ただし、塗料の種類で差が出るのは色あせ方です。油性1液型や水性1液型は4〜5年程度で色あせてしまうのに対して、油性2液型は7〜8年は汚れを弾いて鮮やかな色を維持できます。家の見栄えを綺麗に保つには、油性2液型を利用しましょう。

私が前回外壁塗装をした時は、シリコン塗料を選びましたが、水性や油性、1液型・2液型の種類は確認しませんでした。打ち合わせや現地調査の際も、シリコン塗料の中の種類までは一切業者からの説明がなかったです。次回外壁塗装する時は、必ずシリコン塗料の種類についても確認しようと思います。

高性能のシリコン塗料

シリコン塗料は、各メーカーごとに複数の商品ラインナップがあります。一部では、シリコン塗料をベースに改良した高性能な商品もあります。

一例を紹介すると、埼玉県にあるOK-DEPOという自然塗料に強い中堅メーカーが出している「スーパームキコート」という塗料があります。シリコン系でありながら、フッ素系塗料よりも長い20年以上の耐久性を誇ります。

一般的なシリコン塗料よりもシリコン含有量が約10倍多く、無機塗料と合わせたハイブリッド塗料にした事で、業界トップクラスの耐久性を実現しています。マンションの外壁に使用される事も多く、家庭用塗料としては最上級品です。

このほかにもシリコン塗料は多数の高性能商品があります。

シリコン塗料が選ばれる理由

シリコン塗料は一般的なものであれば、特出すべき機能性はありません。人気の秘密を書籍やネットなど、さまざまな方法で探しましたが、コストと耐久性のバランスの良さが選ばれる理由です。

バランスの良さの根拠や、シリコン塗料を選ぶメリットについて私なりに調べてみました。

シリコン塗料のコストパフォーマンス

シリコン塗料と比較される事が多いのは、ウレタン塗料とフッ素系塗料です。

ウレタン塗料は、価格が安いですが、耐用年数が6年〜10年とシリコン塗料より短いです。塗料の価格差だけではなく、足場や職人の技術料の総額で見ると、1年あたりのコストはシリコン塗料の方が大幅に安くなります。

フッ素系塗料の耐用年数は15年〜20年で、おおよそシリコン塗料の1.5倍もちます。総額で見ても1年あたりのコストを考えれば、シリコン塗料よりも安いです。しかしコスト差は少なく、無理してフッ素系を選ぶ必要性は少ないです。

また、フッ素系塗料を使用して15年〜20年周期で外壁塗装を行おうとした場合、屋根やサッシなども同等の耐久年数がある塗料を使わないといけません。フッ素系塗料は総額費用で見るとシリコン塗料よりも大幅に高くなります。

耐用年数が長い塗料のリスク

最近は高性能の塗料も多数登場して、20年〜25年以上の耐用年数を誇る商品もあります。1回の塗装費用が高くても、塗り替え回数が少なければ次世代高性能塗料のコストパフォーマンスは高いです。

しかし、耐用年数が長い塗料のメリットは、あくまでも耐用年数の期間で外壁や屋根などに問題が出なかった事が前提です。

私が前回外壁塗装をやった時は、2階トイレの換気扇のフードカバーが外れかけていました。ほかにも外壁でヒビ割れを起こしている部位がありました。外壁塗装をした際には、足場を組んでもらったついでに、フードカバーの修理も一緒に行いました。

2〜3年で家の外観に問題が出る事は考えにくいですが、10年後を考えると何かしらの問題が出る不安があります。耐用年数20年以上の塗料を使用した場合、20年経過する前にヒビ割れやその他の問題が出たら、結果的にコストパフォーマンスが悪くなるリスクを懸念しています。

定期的に外壁のプロに家を見てもらって、適切な処置をしてもらう観点では、シリコン塗料で10年〜15年のペースで外壁塗装を繰り返した方が、私は安心感が高いと感じています。

おわりに

シリコン塗料は人気が高い塗料で、理由は価格と耐用年数のバランスの良さです。調べてみた結果、前回シリコンを使ったのは正解で、次回外壁塗装する時もシリコンを第一候補で考えようと思います。

しかし、シリコンの中にも種類がある事や、1年あたりのコストパフォーマンスは、フッ素系や次世代高性能塗料の方が安い事は知りませんでした。

仮に次回、シリコン塗料で家を塗り直す事になったら、油性2液型を選んで、メーカーや塗料のグレードなど、シリコン塗料のなかの種類にこだわってみたいです。