ブルさんブルさん

外壁塗装の悪徳業者がよくやる行為で、塗料を規定以上に薄めて使用する手口があります。塗料を必要以上に薄めてしまうと、当然本来の塗料の機能が発揮されず、耐用年数も短くなります。

私は前回外壁塗装した時に、そこまで悪質な行為をされていないと信じていますが、100%不正をしていない証拠までは取っていません。

私の家はシリコン樹脂塗料を使用したので耐用年数は10年〜15年です。仮に5年〜9年経過した時に塗料の寿命が迎えた場合、いまさら前回の施工業者にクレームを言えないと思います。

仮に塗料を規定以上に薄めて使用されていても、最後まで手抜き工事なのか外的要因の影響なのか明確な判断ができないと思います。こうして思い返してみると不安を感じてしまう部分もあります。

次回外壁塗装する時は、塗装職人を過度に信頼はせずに、しっかり防衛策も講じておこうと思います。悪徳業者が塗料を規定以上に薄める理由や防衛策について調べてきました。

塗料を規定以上に薄める手抜きとは


外壁用の塗料は開封した状態だと粘度が高すぎるので、水や硬化剤(シンナーなど)を適量入れて薄める塗料があります。
外壁用塗料は次の使い方をする商品があります。

  • 塗料を原液のまま使用できるタイプ(1液型)
  • 塗料を水で薄めて使用する水性塗料(1液型)
  • 主剤と硬化剤のセットになった塗料で、施工前に混ぜて使うタイプ(1液型 ※一部で2液型と呼ぶ場合もある)
  • 主剤と硬化剤を別々に用意して、施工前に調合して使うタイプ(2液型)

外壁塗装の塗料の1液型と2液型の違い

塗料を薄めて使用する場合でも、主剤に対して5〜10%程度の水や硬化剤を入れて使用します。

しかし、悪徳業者の手抜き工事は、規定を上回る水や硬化剤を入れて、薄めた塗料で施工します。原液のまま使用できる1液型の塗料でも、水で薄めて使用されるケースもあります。

悪徳業者が規定以上に塗料を薄める理由

悪徳業者が規定以上に塗料を薄める理由は主に次の2つがあります。

  • 使用する塗料代を安く抑えて利益を上乗せするため
  • 塗装職人の技術不足で当初予定していた塗料では足りなくなり、追加発注を省略するため

外壁塗装を業者に依頼する場合は、必ず塗装する外壁や屋根の塗装面積を算出して相応の塗料代を請求します。しかし、実際には見積りや明細に記載された塗料よりも意図的に少なく発注して、塗料代をピンハネしている悪徳業者がいます。

また、未熟な外壁職人の場合、適量かつ均等に塗装する事ができず、必要以上に塗料を使って作業の終盤で塗料が足りなくなってしまう場合があります。

一般的なローラーで塗装していく塗料の場合、職人の未熟さで塗料が足りなくなる事は少ないですが、万が一足りなくなってしまった場合は、業者負担で塗料を追加するのが筋です。

こうした追加発注の行為を金額面や施工期間や日程の都合で省略するために、終盤で規定以上に薄めた塗料を使う場合があります。

塗料を規定以上に薄められるとどうなるか?

塗料を規定以上に薄めて使用した場合、どれだけ規定量を超えた薄め方をするかにもよりますが、素人が仕上がりを見て不正を見抜く事は困難です。規定以上に薄めた場合、若干塗料が本来の色より薄くなりますが、明確な違いは出ません。

また、塗料の色は見本と実際に施工した色では見え方が異なる場合もあるため、悪徳業者は言い逃れの余地があります。塗料を規定以上に薄める行為は、施工後では明確な証拠を掴む事が難しいため、意図的に塗料代をピンハネするために不正をする業者が後を絶ちません。

塗料は規定以上に薄めて使用された分だけ、性能や耐久性が落ちます。塗装直後に違いが出る事はありませんが、数年後に次の現象が起こりやすくなります。

  • 色あせが始まるのが早い
  • ヒビ割れを起こしやすい
  • チョーキングなど塗料の寿命を知らせるサインが本来の耐用年数より早く起きる

施工中に明確な証拠を掴んでいない限り、数年後に上記で紹介したトラブルが起こっても、塗装業者はクレーム対応をしてくれない可能性が高いです。

悪徳業者の不正行為の被害を受けた方のほとんどは、数年後に実費で本来よりも早い塗り替えを余儀なくされます。

塗料を規定以上に薄める行為を防ぐ防衛策

塗料を規定以上に薄める行為を完璧に防ぐには、塗料を薄める工程を監視する以外に方法はありません。常に自宅に人がいる場合は、頻繁に作業を確認しに行って、今は何の作業をして、どのような注意点があるのか声をかけてみるとよいでしょう。

しかし、実際には家を不在にした中で作業が進む事が多く、小まめに作業を見に行って声をかける行為を嫌がる方が多いです。そこで調べてみた所、完璧に防いだり不正の証拠を掴む事はできなくても、不正リスクを大幅に軽減できる防衛策がありました。

細かい客だと塗装業者に印象を与える

塗装業者や職人が規定以上に塗料を薄める行為をするのは、「この客なら、ごまかせる」と思っている時です。

そこで次の行為をすると、塗装業者は細かい客で知識があるので、下手な不正はできないと警戒します。

  • 見積り段階で使用する塗料の写真を撮って提出してもらうようにお願いしておく
  • 塗装する前に、塗料缶を見せてもらい、成分や塗料の種類の記載を読ませてもらうようにお願いする
  • 使用する塗料のカタログやホームページの製品情報をプリントした紙を持って、業者に塗料の質問をしてみる
  • 発注する前に、塗料が1液型や2液型の違いや薄める量などを聞いてみる
  • 使用済み塗料のゴミは、自分で処理するので業者に持ち帰らないようにお願いしておく

実際に塗料に対して、中身がある質問や、要点を抑えた指摘をする必要はありません。とにかく、「このお客は細かい人なので不正はできない」と思わせる事が大切です。

悪徳業者の場合、最初から意図的に塗料の発注量を少なくしている場合があります。作業が始まってから防衛策を取るのではなく、見積り段階など依頼や発注をする前に細かい話をして、不正を防ぐ努力をするようにしましょう。

塗料を規定以上に薄めるよりも悪質な不正行為

塗料をごまかす不正行為は、規定以上に薄める行為のほかに、実際には全く違う種類の塗料を使用されているケースがあります。外壁塗装は見積や打ち合わせ段階で塗料の銘柄の話をしても、作業が始まると同じ塗料を使っているのか確認しない場合がほとんどです。

こうした、注文通りの塗料を使っているか確認しない人が多い事情から、意図的に約束した塗料よりグレードが低い安価な塗料で塗ってしまう場合があります。色が同じであれば、塗装後に約束した塗料を使っていたか判断する事は困難です。

塗料を見積や明細とは違う商品にすり替える不正も、前述で紹介したように、細かい客だと思わせる防衛策で回避できます。

塗料の不正を疑う時は、規定以上に薄める手口と、塗料の銘柄自体をすり替える手口がある事を頭に入れておきましょう。

まとめ

塗料を規定以上に薄める不正行為について調べた所、手法は原始的ですが、後から気付く事が困難な悪質行為という事が分かりました。外壁塗装をして10年や15年の耐用年数があると説明されても、数年経過してから不具合が出たら、クレームを言いづらいです。

また、不正行為をする悪徳業者は不具合が出ても無償のクレーム対応は期待できないでしょう。

塗料を薄める現場を直接確認できれば完璧に防ぐ事ができますが、作業中に随時監視する防衛策は現実的ではありません。そこで、事前に細かく知識がある客だと思わせて警戒させる防衛策は効果的だと感じました。

嘘でもいいので、適当な言い訳を作って、細かい客だと思わせたり、塗料の空き缶をもらう口実を作るくらいなら自分でもできそうだと思いました。

塗装業者や職人に嫌がられる行為もよくないと思いますが、信頼しすぎて無防備な環境を作る事もリスクが大きいです。次回外壁塗装する時は不正防止のため、適度な防衛策を取るようにします。