
ウレタン樹脂塗料は、アクリル樹脂塗料よりも防水性や耐久性が高く、シリコン塗料よりも安価な塗料です。
現在は塗り替え時に選ばれる事が少なくなりましたが、万能塗料と呼ばれていて部分補修の際によく使われています。
価格と耐久性のバランスが良い塗料ですが、シリコン塗料に比べて人気が低い理由が気になりました。
ウレタン樹脂塗料の特徴についてリサーチしました。
ウレタン樹脂塗料とは
ウレタン樹脂塗料は、主成分の樹脂がウレタン系樹脂の塗料です。重ね塗りなしでも綺麗に塗れるので、部分補修や細部の塗装に適しています。
塗料は硬化剤と混ぜる2液型が主流で、施工には技術力がいるため、アクリル樹脂塗料のように素人のDIYで使用するには難易度が高いです。材質は塗膜が柔らかく密着性は他の塗料よりも高いため、様々な下地に対応する万能性があります。
近年はウレタン樹脂塗料の価格が安くなり、アクリル樹脂塗料との差が縮まりました。価格重視で外壁塗装をしたい方は、アクリル樹脂塗料よりもウレタン樹脂塗料を選ぶ需要が増加しています。
ウレタン樹脂塗料の耐久性
ウレタン樹脂塗料の耐用年数は6年〜10年です。メーカーやグレード、家の環境によっては10年持ちます。しかし、シリコン塗料に比べて紫外線に弱く変色(黄ばみ)しやすいデメリットがあります。
ひび割れなどのトラブルリスクはアクリル樹脂塗料より大幅に低いですが、家を長く綺麗に保つ能力はシリコン塗料より大きく劣ります。
ウレタン樹脂塗料のコストパフォーマンス
価格や1年あたりのコストを計算すると、シリコン塗料と同等の高いコストパフォーマンスになります。しかし、10年持たないリスクが最大のネックになります。
価格が安ければ塗り替え回数が多くても外壁のみのコストパフォーマンスは高いです。しかし、他の部位の耐久性とのバランスが悪いです。
仮に8年で塗料の性能がなくなって塗り替え時期が来た場合、屋根や排水管、サッシの状態が良かった場合に、一緒に塗り直すかが課題になります。屋根や他の部位の状態がよく、まだ塗り替える必要がなかったとしても、外壁塗装で足場を組むなら一緒に作業した方が効率が良いです。
屋根塗装を省略して外壁塗装だけにしても、次の外壁塗り替え時期が来る前に屋根の塗装が寿命を迎えた場合に、足場を組むコストが余計になってしまいます。家全体のメンテナンスサイクルを考えた時に、10年以上の耐久性を期待できるシリコン塗料の方が、効率が良いです。
シリコン塗料の価格が下がった事で需要が減少
ウレタン樹脂塗料は一昔前は外壁塗装の主力商品でした。しかし、より耐久性が高いシリコン塗料の価格が下がった事で、ウレタン樹脂塗料を選ぶメリットが少なくなりました。
ウレタン樹脂塗料の価格も下落傾向で、ランクが低いアクリル樹脂塗料のシェアを奪っていますが、それ以上にシリコン塗料のシェア拡大が際立つ形になっています。
ここまでのまとめ
・ウレタン樹脂塗料は、耐久性・コストの面でアクリル樹脂塗料とシリコン塗料の間のグレード
・塗膜が柔らかく、重ね塗りや下地を問わず塗装できる万能性がある
・耐用年数が6年〜10年とシリコン塗料よりも短く、変色しやすいデメリットがある
・コストパフォーマンスは高いが、10年持たない時に屋根や他の部位の塗り替えサイクルとズレるのが難点
・昔はスタンダートな塗料だったが、シリコン塗料の価格が安くなった事で需要が減少した
ウレタン樹脂塗料のリサーチ結果
ウレタン樹脂塗料について調べてみた所、万能性や変色リスクに差があるものの、価格と耐久性のバランスの良さなど、シリコン塗料と似た特性があるように感じました。一番のネックは、10年持たなかった時に、屋根やサッシ、排水管の塗り替えサイクルとズレる事だと思います。
すでに前回の塗装で屋根と一緒に塗っていない方で、6〜8年後に屋根と一緒に塗り替えをしたい場合は、ウレタン塗料を使用するメリットがありそうです。
シリコン塗料より大幅に安ければ検討余地がありますが、人気が無くなった理由がシリコン塗料との価格差が縮まった事なので、今から外壁の塗り替えをするなら、シリコンの方が無難だと思います。
プロの業者に部分補修や一部塗り替えを依頼する場合は、ウレタン塗料を第一候補にしてもいいと思います。