
大日本塗料は、日本ペイント、関西ペイントに次ぐ企業規模を誇る大手総合塗料メーカーです。三菱グループに属していて重防食・建材用塗料の最大手です。
近年は自動車塗料にも注力していますが、一般家庭用外壁塗料の国内シェアは、国内3強メーカー(日本ペイント、関西ペイント、エスケ化研)に差をつけられています。
塗料の製品ラインナップは揃っていますが、塗装業者も大日本塗料を扱っている所が少ないようです。ここ最近では東京スカイツリーの塗料に採用された実績もあり、品質や性能は期待できます。
大日本塗装について、特徴や家庭用外壁塗料メーカーとしての実力を調べてきました。
大日本塗料の概要
出典:http://www.dnt.co.jp/
会社名:大日本(だいにっぽん)塗料株式会社
本社所在地:大阪府大阪市此花区西九条6-1-124
資本金:8,827百万円(東証1部上場)
売上高 763億円
大日本塗料は「DNT」のロゴが目印になっています。三菱グループなので、重機や大規模な建築現場に強い特徴があります。ビルや橋など大掛かりな塗装は、メーカー自ら施工主となって対応する事もあります。
過酷な環境で頻繁な塗り替えが難しい物を多数塗装した実績があり、家庭用塗料も高品質・高耐久の商品が多いです。しかし、一般家庭用外壁塗料のシェアが低く戸建の外壁専門業者にも馴染みが少ない塗料メーカーです。
大日本塗料の評価
企業規模 ★★★★☆
信頼性 ★★★☆☆
商品ラインナップ ★★★★★
価格 ★★★☆☆
オリジナル性 ★★☆☆☆
総合評価 ★★★☆☆
大日本塗料は、一般家庭向けの外壁塗料の商品ラインナップは業界トップクラスです。単純に商品数が多いだけではなく、近年流行している高機能水性塗料や、弾性塗料、断熱塗料などの取り扱いもあります。
製品ラインナップや素材だけで見れば、日本ペイントや関西ペイント、エスケー化研のトップメーカーと遜色がないのですが、エンドユーザー向けの特徴をまとめたカタログの用意が、一部の推奨塗料しか用意されていません。
スタンダードな塗料を利用する場合は、成分の配合量が記載された諸元表のようなカタログしかないので、業者も個人も選びづらいです。メーカーの実績は高く評価できますが、一般家庭向け外壁塗料は利用者が少なく、実績や口コミ数が他の大手メーカーに比べて少ないです。
自分で情報収集をして納得した上で塗料を決めたい方には向いていない塗料メーカーです。
大日本塗料の主力塗料
・エコクールシリーズ
セラミック配合の遮熱塗料。
水性・油性やシリコン、アクリル、フッ素など多彩な商品ラインナップがある。
一般的な遮熱塗料より表面温度が上昇しにくい。
・マイティー万能エポシーラー
弱溶剤形2液エポキシ樹脂シーラー。
コンクリート・モルタル・FRP・新生屋根など幅広い素材で使用できる万能下地塗料。
水性・無鉛で環境と身体に優しく、耐久性が高い。
・SBライズコートシステム
多彩模様サイディングボード用クリアー。
大日本塗料はサイディングボードを大手メーカーと共同開発しているため、サイディングボードは得意分野。
水性・弱溶剤(油性)の2種類から選べる。
・リフレッシュシリコンEXTRA
弱溶剤シリコン樹脂系新生屋根用塗料。
新生屋根とストレート屋根で使用できる。
付着性・耐候性に優れた最上級グレード。
おわりに
大日本塗料について調べてみたところ、個人よりも塗装業者向けの広告戦略をしている塗装メーカーという印象を持ちました。実績豊富な大手塗料メーカーなので信頼性は高いですが、住宅オーナーの希望で大日本塗料を選ぶメリットが少なく感じます。
大日本塗料は、次の方にオススメできる塗料メーカーでした。
- 塗装業者が大日本塗料の使用実績豊富
- 水性や樹脂の素材を細かく指定したい
- 新生屋根の住宅
- 東京スカイツリーや明石海峡大橋などに使用された実績を魅力に感じる
大日本塗料の会社全体の売上高や実績は評価できますが、住宅用塗料メーカーとしては、3強と呼ばれる日本ペイント、関西ペイント、エスケー化研と比較して一歩劣る印象でした。塗料の性能は高く、適切な使い分けができれば利用するメリットも大きいです。
ただし、一般家庭向けの塗装業者が大日本塗料を推奨する事も少なく、大日本塗料の製品を普段扱っていない業者に指定するのはリスクを感じます。
私が次回外壁塗装する時には、業者から大日本塗料の製品紹介がなければ、候補から外して3強メーカーの中から検討しようと思います。