外壁塗装は、外壁や屋根以外にも塗らなければいけない、その他の付帯物がいろいろとあります。
代表事例を挙げると、雨樋や破風板、排水管などがあります。

外壁塗装の外壁・屋根以外の塗装箇所の特徴と、塗装の必要性について調べてきました。

外壁・屋根以外の塗装箇所

その他の塗装箇所は家の構造や劣化状況によって変わってきます。
代表的な外壁・屋根以外の塗装箇所は次のものがあります。

  • 雨樋
  • 破風板
  • 軒天
  • 排水管

ここで紹介している塗装箇所は、塗り替えなど、適切なメンテナンスをしないと不具合が生じる場所です。

このほかにも、玄関のドアや窓枠サッシなど、見栄えを重視して塗り替えをしないといけない箇所が多数あります。

雨樋

雨樋とは、屋根の縁にある水の受け皿で、排水管まで水を流す役割を持っています。屋根から流れてきた雨を外壁にかからないようにしていて、外壁保護のための重要なものです。雨樋は雨が流れる道で、落ち葉や鳥の糞などのゴミもたまるので劣化がしやすい場所です。

外壁塗装をする時は、必ず雨樋もセットで塗り替えや適切な補修をしましょう。

雨樋の塗装は、ケレンというペーパーがけの作業をして塗装が密着しやすくして、ローラーではなくハケで塗る必要があります。丁寧な下地補修と塗り替え作業をすれば、交換することなく外壁塗料と同様に、10年以上メンテナンス不要で使用することができます。

破風板

破風板(はふいた)とは山の形状の屋根で、山に見える側の屋根の下に沿って設置された化粧板です。屋根の下から風が入り込む事を防ぐ役割を持っていて、屋根の縁に沿って設置されているので装飾性の要素も強いです。

破風板が付いている家は、必ず外壁塗装と一緒に塗り替えを行いましょう。

風を防止する役割を担っているだけに塗装が剥がれるなど、不具合や劣化が起こりやすい箇所です。外壁塗装の塗り替え時期を見極める時にも、破風板の劣化状況がひとつのポイントになります。

軒天

軒とは、外壁から飛び出している屋根の部分をいいます。軒天とは軒の裏側の天井部分です。

軒天は直接太陽の紫外線を受けませんが、アスファルトなどの反射した紫外線で色あせを起こしますし、形状によっては風通しが悪く、カビが生えたり水分がたまるなど劣化しやすい箇所です。

軒天は普段は目に付かない部分ですが、劣化すると軒天全体を交換する必要性が出る場合もあります。外壁や屋根塗装をする時は軒天もセットで塗り替えをしましょう。

軒天は通気口なども付いているので高圧洗浄を使用する事ができず、屋根とは違い日陰になるので専用塗料で適切なメンテナンスをする必要があります。既存の塗膜はペーパー掛けで落とすなど、丁寧かつ専門的な作業が求められます。

排水管

排水管は雨樋などで集めた雨を地面や下水に流す管です。どの家にも必ず外壁に何箇所か縦に太い管が設置されているはずです。排水管の素材は主に塩化パイプで、定期的に塗り替えをしないと穴があいて交換が必要になります。

また、外壁の外側に縦ラインのように設置されているので、排水管が古いと外壁だけ塗り替えると劣化が目立ってしまいます。必ず外壁塗装とセットで塗り替えが必要な箇所です。

排水管の塗り替えもペーパー掛けで研磨して、2度塗もしくは3度塗りで作業します。一般的には排水管の塗装色は窓枠サッシと同色にします。

外壁の塗装箇所はこだわるとキリがない

外壁塗装の外壁、屋根以外に塗るところは、劣化を防ぐためのメンテナンスの目的と、家の見た目を重視するものの2種類があります。

近年は高性能の塗料が増えてきて、従来は塗り替えが難しかった窓枠サッシなども塗り替えでリフレッシュできるようになりました。
外壁塗装をする時は、次の優先順位で塗る場所を決めましょう。

  • 塗り替えをしないと、雨漏れや腐食などの不具合につながる部分
  • 雨戸や玄関のドアなど、劣化が著しいと目立ってしまう箇所
  • 上記1番と2番に該当しないその他の場所

外壁塗装で、全て塗り替えて綺麗にしようとすると、塀やポスト、サクやベランダなど、あらゆる場所を塗装する事になります。ほかにも倉庫や、カーポートなど塗装業者にかかれば、塗り替えができないものはほとんどありません。

必ず外壁塗装のたびに塗り替えする場所や、外壁塗装2〜3回に1回のペースで見た目を意識して塗り替えをする場所、よほど色落ちで目立っている場合を除いて塗り替えをしなくても良いところを区別して計画を立てましょう。

どこまで塗り替えをしていいか分からない場合は、外壁業者に無料の現地調査に来てもらって相談するとよいでしょう。

悪質業者は、塗り替えが必要な場所を相談すると、売上を増やすために、あれもこれも塗り替えを提案してくる場合があります。できれば2社か3社からに見積と現地調査依頼をして、塗装が必要な箇所の話も比べてみるとよいでしょう。

おわりに

私は前回外壁塗装した時に、できれば窓枠サッシを黒から白に変更したいと思いました。しかし、窓枠サッシは塗り替えコストが高い上に、色を変える場合は家の外側と内側で色が異なると見栄えが悪いので、塗り替えではなく交換になると言われ、予算の都合で断念しました。

外壁や屋根以外の塗装箇所は、注意点や適切な塗装方法がそれぞれ異なります。また、付帯物塗装は個別に細かい知識が必要で手間がかかる事から、悪質業者では、お客の知識がないことを利用して、簡素化した手抜き工事を行うトラブル事例も多数あるようです。

私は以前は、外壁塗装は外壁と屋根がメインで、その他の付帯物はオマケ程度にしか考えていませんでした。しかし、良い外壁塗装をするためには、その他の付帯物も適切な方法で塗り替えメンテナンスをすることが大切だと分かりました。

次回はその他の塗装箇所の内容や、塗料のグレード、作業方法などまで事前に確認してから外壁塗装をしたいと思います。