
悪質業者のリフォームでは、必要の無いリフォームを勧められる被害事例が多いです。私の実家も、親が床下に詰める乾燥剤の訪問営業に騙されて、数十万円のリフォームをさせられて、後から工務店に「こんなもの入れても何も意味がない」と指摘された経験があります。
必要の無いリフォームを勧められる被害が多いのは、悪質リフォームは訪問営業による被害が多いのと関係しています。訪問営業は家の状態に関係なく無差別で、リフォームが必要だと提案しています。
訪問営業のリフォーム業者を信用しないだけでも、被害の大半は食い止められます。
必要のないリフォームを勧める悪質業者
悪質業者が必要の無いリフォームを勧める理由は次のものがあります。
- 営業マンが正しいリフォームの知識を持っていない
- 訪問営業でもアプローチしやすい
- 必要性があるリフォームを勧めるよりも、不必要なリフォームを勧めた方が成約率が高い
悪質リフォームをする業者は、営業スタッフのほとんどが未経験で入社して、まともな研修を受けていない素人です。特に訪問営業は、新人に1〜2日程度の研修だけで1人で外回りをさせるなど、ほぼ素人が営業をしています。
お客の了承を得て、家を点検させてもらったとしても適切な診断もできません。仮に正しい知識があって、適切な診断をしたとしても、本当に必要なリフォームを勧めるより、必要のないリフォームを勧めた方が成約率が高いです。
たとえば、家の点検や診断をした結果、水回りで排水管の腐食があったとします。リフォームしないと、水漏れを起こすリスクがあったとしても、現状使用できていればリフォームせずに使い続ける人がほとんどでしょう。
診断結果に基づいた適切なリフォームを勧めるよりも、嘘でもいいので、外壁や軒下で問題があり、すぐに工事しないと家全体がダメになってしまうと伝えた方が食いついてくるお客が多いです。
つまり訪問営業による悪質リフォームが多いのは、必要の無いリフォームを勧める手法が通用しやすいからです。
悪質業者の手口
必要の無いリフォームによる被害が絶えないのは、悪質業者が巧みな方法でお客を騙しているからです。悪質業者は必要の無い事でも、お客を納得させるためのノウハウを持っています。代表的な手口が、写真を提示して、リフォームの必要性を証拠として提示する事です。
しかし、リフォームの必要性が無い部分の写真を見せてもお客の心は動きませんよね?悪質業者は、無料点検などを案内して、屋根や軒下に入って写真を撮るフリをします。そして事前に用意しておいた、他の家の腐食した柱や屋根などの拡大写真に差し替えてお客に提示しています。
色や造りなど、様々な事例の写真データをストックおり、拡大写真であれば違う家の写真を見せても信じてしまう方が多いです。
悪質業者に引っかかると手抜き工事の被害にあう
必要のないリフォームを勧められて契約してしまう方は、住宅の知識を持っていません。悪質業者は、知識不足のお客の弱みにつけ込んで、リフォームの必要が無い部分を手抜き工事で着工作業するケースもあります。
たとえば、まだ塗り替えの必要がない家の外壁を悪質業者に塗装を依頼すると、手抜き工事をされて、せっかく塗り替えたにも関わらず、2〜3年程度で塗装が寿命を迎えてしまう場合があります。
必要のないリフォームは、工事費用が無駄にかかるだけではなく、手抜き工事によって何もしないよりも家の寿命が早まる場合もあります。
必要のないリフォームの対処策
必要のないリフォームの対処策は次の2つがあります。
- 訪問営業してくる業者の話を聞かない
- リフォームする時は必ず2社以上の話を聞く(できれば3社以上が望ましい)
この2点さえ実行すれば、リフォームの必要性を見極められます。もし2社以上から話を聞いて、それぞれの業者で言われた事が違う場合は、さらに違う業者からも話を聞いて、納得した上で工事に進みましょう。
おわりに
必要のないリフォームを勧めてくるのは、悪質な詐欺行為です。悪質業者は、お客の家がどうなろうとお構いなしに自社の利益の事しか考えていません。
私は今、外壁塗装について色々とリサーチしていますが、家のリフォームは奥が深く分からない事もたくさんあります。リフォームのプロを名乗る業者に、「この家は危険だ」と言われれば不安を感じてしまうもので、悪質業者はこうした人間心理の弱みにつけ込んでいます。
対処策で紹介している、訪問営業は相手にしない事と、必ず複数社からの見解を聞く2つの事は必ず守るようにしましょう。