ブルさんブルさん

サイディング外壁の場合は、コーキング部分を重点的に点検して劣化状況と修繕時期を見極めましょう。

また、ひび割れ補修跡が再発した場合も、補修で使用したコーキングが劣化している可能性が高いです。

コーキングの不具合を発見した場合は、外壁に使用しているコーキング全体が寿命を迎えている懸念があるので、打ち換えや増し打ちで適切なメンテナンスをしましょう。

コーキングの修繕時期、劣化箇所の確認


コーキングとは、建物の隙間を埋めるための建築材料です。
シーリングと呼ばれる事もあり、コーキングとシーリングは同意語です。

コーキング材(シーリング材)の種類

コーキング材は主に次の種類があります。

・変成シリコン系
サイディング外壁の繋ぎ目によく使われています。使用できる領域が幅広く塗装後の補修にも使用できます。耐用年数は8年〜15年。

・ウレタン系
耐用年数は15年以上でシーリング材の中ではもっとも高いですが、紫外線に弱いのでサイディングで使用されることは少ないです。ホコリが吸い付くので、シーリングの上から必ず塗装する必要があります。塗装すれば紫外線から守られるので、ひび割れ補修に適しています。

・油性系
外側は固まりますが、内側は固まらないのが特徴です。室内側の窓やドアなどに使用されます。

外壁塗装のコーキング材は、主に変成シリコン系かウレタン系です。コーキング材は材質ごとに「1成分型」と「2成分型」があります。1成分型は原液をそのまま使用できるタイプ。2成分型はコーキング材と硬化剤が独立していて、施工する時に混ぜて使用します。

以前は素人のDIYは1成分型、プロの業者が使うのは2成分型でしたが、近年は1成分型コーキング材の性能が向上して、プロも1成分型を使用するケースが増えています。

コーキングされる場所

外壁では、以下の場所にコーキング施工されます。

  • サイディング外壁の繋ぎ目
  • ひび割れ補修
  • 窓枠サッシの周囲

ひび割れ補修の場合は、一般的にコーキングの上に塗装するので、補修作業を綺麗に仕上げていると、どこにコーキングを打ったか目視では分からなくなります。前回外壁塗装で補修した場所は覚えておくようにしましょう。

窓枠サッシは建物や窓の構造によっては、建物の内側のみしかコーキング施工されていないので、外壁と一緒にメンテナンスする必要がないケースもあります。

サイディングの繋ぎ目は、コーキング材がむき出しになるので、もっとも劣化しやすく手入れをしないと内部に浸水するリスクが高いです。

コーキングの点検

サイディング外壁は、繋ぎ目のコーキング部分にヒビ割れがないか確認します。紫外線の影響を受けやすいので、日当たりの良い場所を重点的にチェックしましょう。

窓枠はコーキングがむき出しになっている場合は、目視でヒビ割れをチェックします。コーキング材が見えていない場合でも、外側にコーキング施工して塗装しているケースもあります。

窓枠のコーキング方法は3方と4方があり、施工業者によっては水抜けよくするために、窓枠の下側はコーキングを打たない場合もあります。(3方によるコーキング施工)。窓枠の上部と側面のヒビ割れをチェックしましょう。

ひび割れ補修をしている場合は、同じ場所からヒビ割れが再発した場合は、コーキング材が劣化して硬直した懸念があります。外壁は構造上の問題でひび割れを起こすこともあります。前回の外壁塗装で補修していない場所からひび割れをした場合は、コーキングとは関係のない不具合です。

コーキング部分が黒ずむブリード現象

サイディング外壁など、むき出しのコーキング部分が黒ずむ現象をブリード現象と呼びます。ブリード現象は、コーキングがベタついて汚れを付着することで起こります。

コーキング材には、ブリード現象が起こりにくいノンブリードタイプがあり、通常は施工直後はブリード現象が起こりません。しかし、ノンブリードタイプのコーキング材を使用していない場合は、施工から短期間でブリード現象が起こります。

ブリード現象は汚れを付着しているだけで、すぐに補修が必要ではありません。施工直後でブリード現象が出て気になった場合は、施工業者に連絡して、ノンブリードタイプのコーキング材を使用したか問い合わせをしてみるとよいでしょう。

また、コーキングの補修やサイディングボードの張り替えをするときは、事前にノンブリードタイプのコーキング材を使用しているか確認しておきましょう。

コーキングに不具合が出た場合の対処法

コーキングはゴムのように伸縮して隙間を密閉して、地震や木材の伸縮でも耐えられます。しかし、屋外で使用するゴムが劣化するのと同じで、経年劣化で伸縮性を失って硬化していきます。

コーキングの不具合が1箇所でも発生した場合は、家のコーキング全体が経年劣化で硬化している可能性があります。コーキングのひび割れを発見した時は、外壁塗装業者の現地調査を呼んで、補修や塗り替えを検討しましょう。

コーキングは外壁の中でも劣化症状が早く現れやすいです。サイディング外壁の場合は、コーキングのみで補修する方法もありますが、外壁全体が劣化しているサインなのでコーキングのみ補修しても、次のコーキングの寿命が来るまえにサイディングボードのメンテナンスが必要になることが多いです。

コーキングの不具合を発見したら、外壁全体のメンテナンス(塗り替え・サイディングボードの張り替え)を検討しましょう。

モルタル外壁のひび割れの補修跡から、ひび割れが再発した場合は、コーキング材が寿命を迎えて硬化したサインです。放置すると、前回の補修跡から同じ症状が出てきます。外壁の塗り替えが必要です。

打ち替えか増し打ちか?

コーキングの補修方法は、古いコーキング材を取り除いて新しくコーキングを施工する打ち替えと、既存のコーキングの上から新しいコーキングを打つ増し打ちがあります。

耐久性が高いのは、打ち替えですが、古いコーキング材を取り除くにはカッターや電動工具で削ったり切り出す必要があります。窓枠サッシのコーキングなど、打ち替えが困難(デメリットが多い)の場合もあります。

サイディング外壁の場合、1回目のメンテナンスは増し打ちで、2回目は打ち替えをするケースが多いです。

コーキングの補修方法は打ち替えの方が作業工程が多いので割高になります。しかし、場所や劣化症状によっては打ち替えよりも増し打ちの方が良い場合もあります。

コーキングのメンテナンスをする場合は、業者に相談して打ち替えか増し打ちか適切な補修方法を判断しましょう。不安があれば、複数の業者に現地調査に来てもらって、見解を聞き比べるとよいでしょう。

おわりに

私の家はモルタル外壁で前回外壁塗装したときは、はじめての塗り替えでした。そのため、コーキングの使用は窓枠サッシのみで、外側にコーキング施工されていたかは把握してません。

セルフチェックではコーキングのことは気にせずに外壁のみしか見ていませんでした。次回外壁塗装する時期を判断するために、これからは前回のひび割れ補修跡や窓枠の周辺を重点的にセルフチェックしていきたいです。

サイディング外壁の場合は、サイディングボードの劣化よりも先にコーキング部分に劣化症状が出やすいので、最重要項目としてコーキング部分の劣化箇所を確認して、適切な修繕時期を見極めましょう。