
家のメンテナンスは外壁や屋根だけではなく、付帯部物も重要です。
外壁や屋根よりも先に劣化症状や不具合が出ることも多いですが、目立ちにくいため軽視されやすいです。
家を雨風から守るためには、付帯部分の劣化状態を見極めて、最適なメンテナンス時期を逃さないようにしましょう。
付帯部分の修繕時期、劣化箇所の確認
付帯部分は、外壁・屋根以外に塗り替えやメンテナンスが必要な箇所の総称です。
一般的な木造住宅の場合、付帯部分は次の箇所があります。
- 軒天
- 雨樋
- 排水管
- 破風板
- 戸袋
- シャッター/雨戸
- 手すり
- ベランダ
- 窓枠サッシ
- ドア
- ポスト
基本的には、家の敷地内にあって屋外に露出しているものを、全て「付帯部分」と表現できます。鉄製、プラスチック製、樹脂製など材質を問わず、屋外にさらされている部分は紫外線や雨風で劣化するので、定期的に塗り替えや交換などのメンテナンスが必要です。
特に、軒天、雨樋、排水管、ベランダをはじめ、家の屋根や外壁に密接していて、雨風を家から守る役割を担っているものは、不具合を放置すると腐食や基礎の沈下など家に致命的なダメージを与えます。
付帯物は10年を目安に修繕やプロの業者による点検を行う
付帯物は鉄部や樹脂、プラスチックなど塗料が密着しにくい物が多く、塗料の寿命は10年前後です。また軒天や破風板など、雨風にさらされやすい過酷な環境で使用している部分も多く、劣化症状や塗装の剥がれや変形などの不具合が発生しやすいです。
見える範囲は塗装の剥がれや、サビ、変形などがないかセルフチェックすることも大切ですが、雨樋や軒天など高い場所で不具合が発生することが多く、素人が完璧な点検をするのは困難です。
近年は塗り替えが不要なサイディングボードや、耐用年数が長い高機能塗料が増えていますが、付帯物用の塗料は高機能タイプでも、耐用年数は10年〜15年ほどです。
前回の外壁塗装で付帯物に使用した塗料の耐用年数を目安に、時期が来たら外壁や屋根の劣化症状が出ていなくても、一度プロの外壁業者を呼んで点検してもらいましょう。塗料の耐久性が分からない場合は、8年〜10年を目安に点検することがオススメです。
家の周辺の地面や局部の集中した劣化症状がないか確認する
付帯部分で不具合が出やすい箇所が雨樋です。雨樋は屋根の周囲に設置されている、受け皿の役割をするものです。屋根に落ちた雨は、雨樋を通って排水管に流れていきます。
雨樋にサビが原因の穴や変形などの不具合が発生すると、地面や外壁にダイレクトに雨が落ちてしまいます。雨水が雨樋や排水管の不具合箇所から漏れると、特定の場所だけ水溜まりができて、土の地面がヘコんだり、外壁に雨水の汚れが集中的に付着します。
外壁塗装のセルフチェックするときは、外壁や付帯物だけではなく、家の周りの地面も点検して、外壁や地面の一部分だけ不具合が出ている場合は雨樋をはじめ、付帯部分に問題が生じている可能性があります。
また、付帯部分にサビが発生して、劣化が進むとサビが垂れて、外壁や屋根に茶色いサビ汚れが付着していくケースもあります。
不具合が出たら、すぐに対処する
雨樋や排水管をはじめ、付帯部分の不具合は、家に重大なダメージを与えるケースがあります。
サビが発生した場合は、放置すると鉄部の腐食を進め、サビの範囲が拡大していきます。雨樋の穴や変形で地面にダイレクトに雨水が流れ落ちると、家の基礎にダメージを与え修繕不可能になる場合もあります。
家の保護機能では付帯物が重要な役割を担っているので、不具合が出たらすぐに塗り替えや補修などの対処をしましょう。もちろん、付帯部分に不具合が発生する前に、塗り替えなどのメンテナンスをしていく事が、家に補修費用をかけずに長く住むための理想です。
外壁塗装とセットで塗り替えしない付帯部分もある
付帯部分は雨樋や軒天など外壁塗装と同じタイミングでメンテナンスをする部分と、耐久性が高い部分や不具合が出ても家にダメージが出にくいため、外壁と同じ頻度で塗り替えしない部分があります。
外壁塗装工事をしてから時間が経過していなくても、塗装をしていない付帯部分もあるので、不具合や劣化症状の確認は小まめに行いましょう。
塗り替えをしたばかりの外壁や付帯物も、施工不良によって不具合が生じる可能性もあるので、油断せずに全体を定期的にセルフチェックすることが大切です。
外壁塗装と同じ周期で塗り替えする付帯部分
・雨樋
・排水管
・軒先
・軒天
外壁塗装に比べて塗り替え頻度が低い付帯部分
・雨戸/シャッター
・手すり
・窓枠サッシ
・玄関のドア
・ベランダ
おわりに
付帯箇所は、不具合を日常的なセルフチェックで全て把握することは困難です。外壁の局部の汚れや家の周辺の地面、見える範囲の付帯物の点検をすることは大切ですが、10年前後の一定のサイクルでプロによる点検(現地調査)を受けることが大切だと分かりました。
付帯物の塗り替えや補修は、足場が必要になる部分も多いので、外壁塗装時に提案された作業は一緒に行う必要があります。
しかし、見えない付帯部分の不具合で外壁全体を塗り替えるように提案されると、私でも半信半疑になってしまうと思います。現地調査を依頼したときは、不具合箇所の写真を撮ってもらったり、複数の業者に現地調査を依頼すれば納得できます。
私も日常的な最低限の点検をしながら、前回の塗り替えから10年が経過したら、外壁・屋根に不具合がなくても現地調査を受けてみようと思います。