
家の外装の中でも、美観への影響も大きく、劣化が深刻になると大規模修繕が必要になりやすい「外壁」の修繕時期の目安や劣化箇所の確認方法をまとめました。
外壁は目立つので日頃から、劣化状況の確認をしやすいですが、塗装の劣化は毎日少しずつ進行していくので、毎日外壁を見ている住人だと劣化を自覚できずに、見落としてしまうことも多いです。
面積の広い外壁ですが、ポイントを抑えることで簡単に塗り替え時期の見極めが可能になります。
外壁の修繕時期、劣化箇所の確認
外壁は大きく分けて、全面の塗装が必要になるモルタル外壁と、ボードを貼り付けるサイディング外壁があります。
最近の新築住宅はサイディングボードの価格が安くなったことで、モルタル外壁のシェアは低くなりましたが、築15年以上の家はモルタル外壁が主流です。
また、サイディングボードの種類や前回外壁塗装した時の塗料の種類やグレードによって、外壁の耐久性や劣化症状の現れ方も変わってきます。
①外壁の外観全体を確認する
外壁の状態確認は、まずは外観全体を遠目から見て、色褪せや変色、藻やカビの付着などをチェックしましょう。毎日見ている家だと些細な変化には気付きにくいですが、周辺の家とも比較して古ぼけてきたように感じたら、細部までチェックしましょう。
外観を遠目から見て問題なく感じていても、定期的に細かい点検作業をすることも大切です。
外壁の劣化は南側や通り沿いなど、日当たりが良い面と、北側や隣の家と隣接している日当たりの悪い面に出やすいです。道路から見える家の外観だけではなく、路地沿いの家の裏側などもチェックすることが大切です。
外壁のチェックにかかる時間や手間を短縮したい場合は、日向と日陰で劣化しやすい2面をピックアップして、重点的にチェックしてあげてもいいでしょう。
外壁の外観に問題があるのは塗料が劣化しているサイン
外壁塗料には、防カビや汚れが付着しにくい機能があります。外壁にコケや藻、カビをはじめ、頑固な汚れが付着してこびり着いている場合は、塗料が劣化して本来の保護機能を失っていることが考えられます。
汚れや付着物が広範囲に目立つ場合は塗り替え時期です。コケ、藻、カビは放置すると繁殖していくので、少しでも付着しているのを発見したら、早めの対処をしましょう。
②チョーキング現象がないか確認する
チョーキング現象とは、塗料の樹脂が紫外線によって劣化して顔料がむき出しになった時に、外壁を手で触ってこすと粉が付着することです。
チョーキング現象は塗り替えのサインで、放置するとひび割れなどの不具合が現れていきます。特にモルタル外壁はチョーキング現象が出やすいです。
見た目でわかる外壁の変化と、チョーキング現象の確認作業を行っていれば、適切な塗り替え時期を見過ごすことはありません。
③ひび割れがないかチェックする
ひび割れは塗料の劣化で起こる場合と、建物の構造上の問題で発生することがあります。ひび割れを発見したときは、ヒビの大きさや入っている方向と、ヒビの形状までチェックしましょう。
ひび割れが0.3mm以下の髪の毛の太さくらいのヘアークラックであれば、初期の劣化症状なので、すぐに水が外壁の内部に入るダメージではありません。しかし、ヘアークラックも放置すると広がっていくので、修繕時期が近いことを認識しておきましょう。
サイディング外壁の場合は、ボードの繋ぎ目部分のシーリング部分から、ひび割れや劣化症状が出やすいです。重点的にチェックしておきましょう。
小さいヒビ割れは至近距離でみないと気づかないものも多く、2階部分など家全体のヒビ割れを、セルフチェックで全て発見するのは難しいです。簡単な点検でヒビ割れがなくても安心はできません。
ひび割れが起こりやすい箇所
ひび割れは次の場所で発生しやすいです。
- 窓の下
- 日当たりが良い面
- サイディングの繋ぎ目(シーリング部分)
- 窓の上のひさし周辺
このほかにも、外壁材の繋ぎ目の周辺も、構造上の問題でひび割れが入りやすいですが、外壁の見た目でどこが外壁材の繋ぎ目なのか判断するのは難しいです。
上記で紹介した、日当たりの良い面の窓周辺や、サイディングの繋ぎ目を中心に、ひび割れがないかチェックすると、ヘアークラックなど小さいひび割れも早期発見しやすいです。
④塗料の耐用年数で修繕時期を判断する
外壁用塗料は、各塗料メーカーから商品ごとに耐用年数の目安が記載されています。外壁で一番多く使用されているシリコン塗料の耐用年数はおおよそ10年です。
外壁の塗り替え時期は、塗料の耐用年数を基準に判断することも重要です。塗料メーカーはテストを繰り返して、日本の気候の中で信ぴょう性の高い耐用年数を算出しています。
外壁の状態が綺麗でも、塗料の耐用年数を超えると、機能性が失われて雨や紫外線から家を保護できなくなっている事が多いです。前回外壁塗装した時に使用した塗料で、次の修繕時期の目安を計算して、塗料の耐用年数が切れる前から小まめなセルフチェックを実施しましょう。
また、塗料の耐用年数はその期間は塗り替え不要だと保証するものではありません。日当たりや風通し、湿気や塩害などの環境や、前回外壁塗装した時の作業の質で、本来の耐用年数より大幅に早く劣化することもあります。
まだ塗り替え時期ではないからといって油断せず、定期的に外観やチョーキング現象の点検を行いましょう。
おわりに
外壁の劣化箇所の確認は、目視と手で触るチョーキング現象の点検で行います。毎日住んでいる家だと、劣化は少しずつ進んでいくので、色褪せや変色に気づきにくく、ちょっとした不具合や劣化を発見しても、まだ平気だろうと軽視してしまうものです。
そこで、前回外壁塗装をした時から次の修繕時期を計算したり、チョーキング現象のチェックをすることで適切な塗り替え時期を判断しやすくなります。
私は最近外壁塗装をしたばかりで、当面は塗り替えが不要ですが、手抜き工事をしていないかなどの防衛策をしっかり取っていなかったので、施工業者の品質に若干の不安を持っています。
塗り替えて間もない場合でも、不具合や劣化の早期発見ができれば保証対応してもらえる事も増えてくるので、現在もたまに外壁を1周まわって目視で確認したり触ってチョーキング現象が出ていないか確認しています。