ブルさんブルさん

外壁の劣化のチェックポイントで、発見が分かりやすくて深刻な不具合が塗装が剥がれていることです。
塗装が剥がれて下地がむき出しになっていると、そこから浸水して外壁材全体が腐食したり、金属部がサビてしまいます。

塗装が剥がれる原因は主に、塗料の経年劣化と前回外壁塗装時の施工不良です。

塗装が剥がれる原因


外壁の塗料は経年劣化すると、色あせやクラック(ひび割れ)が入る不具合が出やすいですが、塗料が剥がれる症状は簡単に出ません。塗料の経年劣化による場合もありますが、外壁の塗料が剥がれる原因の多くは、前回外壁塗装を施工した業者の不手際や質の低い作業が原因です。

塗料が剥がれた場合は、まずは前回外壁塗装した業者の保証が利用できないか確認しましょう。保証がきかない場合は、ほかの外壁塗装業者を利用して一面塗り替えることがオススメです。

前回の外壁塗装工事の質が悪かった教訓を踏まえ、業者選びは慎重に行いましょう。

塗料の耐用年数期間内で塗装が剥がれる可能性は低い

外壁・屋根用の塗料は、メーカーより耐用年数の目安が記載されています。塗料の耐用年数は種類によって異なり、トップシェアのシリコン塗料でおよそ10年です。高耐久塗料では、15年以上の耐用年数がある塗料もあり、ウレタンやアクリル塗料は5〜8年ほどの耐用年数になることもあります。

塗料は耐用年数を超えると、硬化してクラックが発生するケースは多いですが、塗装そのものが剥がれ落ちることは少ないです。ただし、10年の耐用年数の塗料を15年や20年など、長期間メンテナンスせずに放置すると、塗料が剥がれ落ちてしまうこともあります。

塗料の耐用年数内や耐用年数を少し超えた程度で、外壁の塗料が剥がれ落ちた時は、前回外壁塗装したときの施工不良の可能性が高いです。

施工不良で塗装が剥がれる原因

施工不良で塗装が剥がれる原因は次のものがあります。

  • 洗浄作業が不十分(汚れの上から塗装した)
  • 下地処理が不十分
  • 塗料を厚塗りしすぎた
  • 塗料のチョイスが適切ではない

塗料が剥がれる主な原因は、外壁や屋根との密着性が悪いからです。洗浄や下地処理が不十分だと、塗料の密着性が悪く、剥がれ落ちてしまいます。

また、下塗り塗料を厚塗りしすぎると、経年劣化で塗料の硬化が始まったときに、下地から塗料が剥がれ落ちてしまうこともあります。さらに、塗料のチョイスが適切ではない場合も、本来の耐久性や密着性が確保できません。

たとえば、外壁用塗料が足りなくなって一部で屋根用塗料を代用したり、クラックが多い外壁に対して弾性塗料を使用しないなどの事例があります。

金属製は塗料が剥がれやすい

塗装する面が金属の場合、モルタル外壁やサイディングボード、石膏系の瓦屋根に比べて塗料が密着しにくいです。雨樋や、金属製屋根、金属系サイディングは、適切な処置をしないと塗料が剥がれるリスクが高いので注意しましょう。

金属製の部位の塗装を行うときは、ケレンという塗装面に小さい傷をつけて塗料を密着させやすくする下地作業を行います。金属製の部位に、ケレンなど必要な下地処理をしていない場合や不十分だと、塗料が剥がれるリスクは大幅に高くなります。

また、下塗り塗料が金属製に適合したものではなく、外壁用塗料を代用して塗料が剥がれてしまう事例もあります。

一部剥がれると、どんどん悪化する

塗料が一部でも剥がれると、剥がれた部分から周辺の塗料の下地に水が入って、腐食していってしまいます。塗料が剥がれた状態で放置すると、剥がれる面がどんどん拡大してしまいます。

また、前回外壁塗装の施工不良が原因の場合は、塗装が剥がれている部分以外も、時間の経過とともに同じ症状が発生する懸念もあります。
塗装が剥がれたときは、保証修理か塗り替えなど早めの対策を取りましょう。

塗装が剥がれたときの対処法

塗装が剥がれたときは、まずは前回外壁塗装を施工した業者に連絡をしましょう。外壁塗装工事に保証が付いていれば、無償で補修作業をしてもらえる可能性があります。

しかし、一部の悪質業者は保証そのものを用意していない場合や、保証期間内でも「飛来物など外的要因が原因」など言い逃れをして、保証対応してくれない場合もあります。外壁塗装の保証の範囲内は、業者が独自に決められるので、業者側に有利な内容になっているケースもあります。

塗装が剥がれる症状は、外壁塗装の不具合の中でも深刻な事態なので、よほど悪質な業者でなければ保証修理の対応をしてもらえるでしょう。

施工不良が原因の場合は、短いと施工から2〜3年で塗装が剥がれてしまう場合もあります。明らかに本来の耐用年数以下の期間で塗装が剥がれたのに、業者が何も対応せずトラブルになった場合は、第三者期間に相談しましょう。
悪質リフォームの相談は住まいるダイヤルの利用がオススメです。

・住宅リフォーム・紛争処理支援センター(住まいるダイヤル)
電話番号:0570-016-100
(PHSや一部のIP電話からは03-3556-7)
受付時間:平日10時〜17時
(参考URL:http://www.chord.or.jp/consult_window/index.html)

付帯物など一部の金属面の剥がれは部分補修で対応する

保証がきかない状況でも、雨樋など金属製の付帯物の一部で塗装が剥がれた場合は、部分補修で対処した方がいいケースもあります。
金属面は塗装が剥がれやすいので、経年劣化や一部分だけの下地処理が甘いことが原因で、塗装が剥がれることもあります。

ただし外壁用塗料の耐用年数を超える期間が経過している場合は、続々とほかの不具合が発生していく懸念もあるので、全面塗り替えをすることが望ましいです。

保証が使えない場合は、塗り替えをする

外壁や屋根の塗装が剥がれて、なおかつ保証を使えない状況の場合は、諦めて外壁・屋根全体の塗り替えリフォームを行いましょう。前回の失敗を含めて、下地処理を丁寧にやってくれる腕の良い業者を時間をかけて探しましょう。

複数の業者を現地調査で呼んで、塗装が剥がれている不具合の原因や、再発しないようにどのような施工をするのか丁寧に説明してくれる業者を選びましょう。塗装業者選ぶのコツは、一括見積サービスを活用することです。

一括見積は他社と競合しても負けない優良塗装専門店が多数登録していて、一度の申込情報入力で複数の業者に現地調査の依頼ができるメリットがあります。

おわりに

前回の外壁塗装業者の施工不良が原因で塗装が剥がれていると、予定よりも早く塗り替え工事をすることになって、納得できない部分もあると思います。

しかし、塗料本来の耐用年数か契約時の保証期間を超えている場合や、第三者期間に相談した結果、保証修理が難しいと結論が出た場合は、諦めて塗り替えするしかありません。

外壁や屋根の塗装が剥がれる不具合は深刻で放置すると、雨漏りや外壁材の腐食など、さらに大きい問題に発展するので早めの処置を取りましょう。

前回の塗装業者選びの失敗を教訓にして、次は確実で丁寧な施工をしてくれる優良業者を探すことが大切です。