ブルさんブルさん

外壁は時間の経過で塗料が劣化するので、定期的な塗り替えが必要です。
最近では耐久性が向上した高機能塗料も増えていますが、どの塗料を使ってもいずれは劣化して塗り替えが必要になります。

塗料がなぜ劣化して定期的な塗り替えが必要になるのか調べてきました。

塗料の成分と劣化のメカニズム


塗料の主な成分は樹脂です。樹脂は紫外線で劣化するので、外壁をはじめ車など屋外で使用する塗装物は、経年劣化で光沢を失っていきます。

塗料が劣化する要因は「紫外線」「酸性雨」「汚れ」の3つがあります。

たとえば、綺麗に塗装された家の中の家具は、紫外線に当たらない場所で使えば、日常的に掃除をしていることを条件に、いつまでも綺麗な光沢を保ち続けられます。紫外線や雨から防げる屋内の物でも、掃除をせずに汚れを被った状態が続くと、表面の塗料も劣化していきます。

外壁は家具とは違い、紫外線と雨の影響をダイレクトにうけます。外で使用する車のように、小まめに洗車したり、ワックスやポリマーでコーティングすることもできないため、定期的な塗り替えのメンテナンスが必要です。

塗料の成分

塗料は次の成分で構成されています。

・樹脂(塗膜になる主成分)
・添加剤(塗膜になる副成分で塗装を強くする補助の役割がある)
・顔料(色の原料)
・溶剤(塗料の密着性を高める成分で塗膜形成中に蒸発する塗膜にならない成分)

塗料の主成分は樹脂です。樹脂にはシリコンやアクリル、フッ素などの種類があり樹脂の種類によって耐久性が変わってきます。

「外壁塗装の塗料の種類」はこちら

また、水性塗料は溶剤ではなく、水道水で薄めたり原液をのそまま使用できます。

塗膜が形成される仕組み

塗料はもともと缶の容器に液体として入っています。塗料をローラーやハケなどで塗装面に薄く塗ると、塗膜が形成されて固まります。

塗膜が形成される仕組みは、油性・水性をはじめ塗料の種類によって変わりますが、基本的には樹脂の分子が結合して塗膜を作って乾燥することで固まっていきます。

液体を塗って塗膜を作るには樹脂成分が必要で、樹脂は紫外線や酸性雨などによって劣化していきます。樹脂によって耐候性が違うので、塗料の種類(シリコンやフッ素など)によって耐用年数が変わってきますが、いずれは劣化して塗り替えが必要になります。

塗料が劣化する主な要因は紫外線

塗料が劣化する要因は次のものがあります。

・太陽からの紫外線
・雨や汚れ、鳥のフンなどの酸化成分
・気温
・湿度
・飛来物などの外的衝撃

この中でも塗料を劣化要因のほとんどが太陽からの紫外線です。塗装された物は、家具や家電、内装をはじめ屋内で使用する物も多数あります。屋内で使用するものは、最低限の掃除さえすれば塗料が色褪せることは少ないです。

しかし、不要になった家具や家電を粗大ゴミに出すために数日屋外に置くだけで、表面が色褪せるなど劣化症状が見られます。太陽の紫外線はそれだけ強力で、毎日屋外で紫外線を浴び続けている外壁や屋根は、過酷な環境でも耐えられる専用塗料を使用されています。

外壁や屋根用塗料が、屋外でも数年は綺麗な光沢を維持できるのは、硬い塗膜を作っているからです。また、外壁・屋根は耐久性を高めるために3回塗りをしています。

紫外線は塗膜の0.1mmほどを破壊する能力がありますが、3回塗りで厚みがある塗装にすることで、長い期間かけて少しずつ劣化して寿命を迎えています。

日当たりが悪い場所は塗料が劣化しやすいとは限らない

日当たりが良い場所と悪い場所を比べると、色褪せのしやすさでは圧倒的に日当たりの良い場所の方が進行が早いです。日当たりが悪い場所は紫外線による劣化は少ないですが、雨で濡れたときに乾燥しにくいのでコケが生えやすいデメリットがあります。

雨や汚れが長い時間付着すると、酸化による劣化が進んでいきます。日当たりが悪い場所でも風通しが良ければ、乾燥しやすく劣化スピードは遅くなります。

おわりに

塗料は外壁を保護する役割がありますが、屋外の過酷な環境で使用すると必ず経年劣化します。最近では、サイディングなど塗り替えが不要(塗装していない)外壁材も登場しています。また、モルタル外壁でも、耐用年数15年以上の高耐久の塗料も増えています。

しかし、外壁の塗り替えが不要でも、屋根や付帯物は経年劣化で定期的に塗り替えをしないといけません。

外壁・屋根用の塗料や外壁材は日進月歩で、高耐久のものが低価格で流通するようになってきました。外壁塗装は一度に100万円前後のまとまった費用がかかりますが、耐用年数を考慮すれば月々の負担はそれほど大きくありません。

太陽の紫外線による外壁や屋根の劣化はしょうがないことと割り切って、今ある家の環境で適切なメンテナンスをすることが大切です。