
屋根は、外壁に比べても雨や紫外線の影響を受けやすく、劣化症状や不具合が出やすい部位です。
また、屋根の不具合が深刻化すると、雨漏れを起こすリスクが高いので、適切な時期に塗り替えや補修をする必要があります。
しかし、屋根は高い場所にあるので、素人が簡単にセルフチェックできません。
屋根の修繕時期を見極める方法をまとめました。
屋根の修繕時期、劣化箇所の確認
屋根の修繕時期と劣化箇所をセルフチェックする時のポイントは、以下の通りです。
- 遠目から色褪せやコケや藻の付着を確認する
- ロフトや2階、3階の窓から見える屋根の状態を確認する
- 前回の塗り替えからの期間で修繕時期を判断する
- ロフトや屋根裏、最上階の天井から雨漏れ(天井のシミ)がないか確認する
屋根の点検作業は、本来はハシゴをかけて屋根にのぼって、状態を確認することが望ましいです。しかし、素人が屋根に登る行為は危険で、大事故に発展するリスクがあります。
特にコケや藻が発生している時は滑りやすいので、絶対に屋根の上に乗らないようにしましょう。無理はせずに、おおよその劣化状況を確認して不安を感じたら、プロの外壁塗装業者を呼んで点検してもらいましょう。
屋根の劣化症状
屋根の劣化状況は次のものがあります。
- 塗装の色褪せ、剥がれ、サビ
- コケや藻の付着
- 屋根材のズレ・剥がれ、割れ、反り、釘抜け
色褪せや剥がれ、サビ、コケ・藻の付着は、遠目からの目視で確認できます。劣化症状が遠目から見ても著しい場合は、塗り替え時期です。外壁も併せて早めの修繕を検討しましょう。
遠目からの劣化が確認できなくても、屋根材に不具合が出ているケースもあります。雨漏れが起こったり、疑いがある場合は、直ちに外壁業者に現地調査を依頼しましょう。
コケや藻はどこまで許容範囲か?
街中の住宅の屋根を見ると、コケや藻が付着している家はたくさんあります。コケや藻は、水分や湿気が多い場所に生えやすいので、瓦屋根など凹凸が多い形状や、傾斜が少なく水が流れにくい構造、日当たりが悪い場所で発生しやすいです。
最近の塗料は、コケや藻が付着しにくい成分も配合しているので、外観に付着物が発生した時は塗料が劣化したサインです。
コケや藻が発生しても、すぐに雨漏れなどの不具合に発展することは少ないです。しかし、コケや藻は一度付着すると繁殖していき、割れなどの不具合があると屋根材の内部にまで広がって腐食をすすめるケースもあります。
コケや藻が発生した時は、早めにプロの外壁業者に相談して、洗浄や塗り替えなどで対処しましょう。コケや藻は日当たりが悪い場所や、水はけが悪い凹凸がある場所に発生しやすいです。
日当たりが良い面や、部分的に集中してコケや藻が付着している場合は、屋根材の割れやズレなどの不具合が発生していることも考えられます。コケや藻が不自然な生え方をしていたら、早めにプロの業者を呼んで点検してもらいましょう。
屋根にサビが発生する理由
屋根の素材は、トタン屋根やガルバリウム鋼板をはじめ、鋼板系の金属屋根や、セメント、コロニアル(セメントと粘土により生成された素材)など非金属系のものがあります。新築住宅の屋根材はコロニアルが主流です。
屋根のサビが発生した時は、まずは使用している屋根材が金属系なのか、非金属系なのか確認しましょう。屋根材が分からない場合は、外壁業者の現地調査を呼んで見てもらうとよいでしょう。
金属系屋根がサビる理由は単純で、屋根材そのものがサビる材質だからです。本来は屋根材の上に、サビ防止成分を配合した塗料で塗装して保護されていますが、サビが発生した場合は塗料が剥がれたり、経年劣化で防サビ機能が失われている可能性があります。
サビは放置すると悪化するので、早めの対処を取りましょう。金属系屋根で薄くサビが浮き出てきた症状は劣化の初期症状です。金属系の屋根の表面に薄いサビが発生した場合は、半年以内に洗浄や塗り替えなどで対処することが望ましいです。
コロニアルやセメント瓦など、非金属系の屋根でもサビが付着する場合があります。屋根材に金属が含まれていなければ、屋根材そのものがサビることはありません。
サビが付着している場合は、屋根やその周辺に使われている金属がサビて、そのサビが流れて屋根に付着しています。サビが流れるのは、深刻な症状なので、ただちに補修や塗り替えなど適切な処置をしましょう。
劣化症状を確認できなくても定期的に塗り替える
屋根は家を雨や紫外線から保護するための要の部分です。劣化しやすい場所なので、不具合が確認できなくても、前回の塗り替え工事から10年など塗料の耐用年数を目安に塗り替えを検討しましょう。
また、屋根の塗り替えや補修は足場を組む必要があるので、外壁のメンテナンスとセットで対処するのがセオリーです。
屋根のセルフチェックは遠目からの目視しか方法がないので、劣化や不具合に気付かないことが多いです。適切な塗り替えサイクルを理解して、目視で確認できるような不具合が出る前に修繕していきましょう。
屋根は家の南側と北側や周辺の建物による影響など、日当たりや風通しによって劣化スピードが違います。セルフチェックするときは、日当たりが良い面と悪い面の両方を見るようにして、セルフチェックできない環境であれば、塗料の耐用年数が来る前に業者の現地調査を呼ぶようにしましょう。
おわりに
屋根は外壁や付帯物に比べても、重要性が高く不具合が出やすい場所です。しかし、素人が完璧に点検するのは困難で、屋根の上に登る行為は危険です。
私が前回外壁塗装したときは、ロフトの窓から屋根の一部を至近距離で確認できました。しかし、窓越しだと劣化の度合いを判断するのも難しく、藻やサビの発生など明確な不具合がなかったので、屋根の状態を自分で判断することはできませんでした。
屋根の修繕時期を見極めて適切なメンテナンスをするには、外壁塗装するときに、外壁と屋根の耐用年数が同等のグレードの塗料を使用して、同じサイクルで塗り替えるとよいでしょう。
雨漏れや藻、サビの発生など明確な不具合や劣化のサインが出た時は、外壁の塗り替え時期になっていなくても適切なメンテナンスを行いましょう。
素人の場合は遠目からの目視による状態チェックを日常的に行って、それ以上の点検は無理にせず、不安なことがあればプロに見てもらうことがポイントです。