
外壁や屋根の塗り替え中は、臭いや騒音などの問題が発生し、洗濯の天日干しができなかったり、窓を開けて換気ができないなど日常生活への支障も出ます。
私が外壁塗装をした時の経験談をふくめて、塗り替え中の生活の注意点をまとめました。
塗り替え中の生活の問題点
私が前回外壁塗装をした時は、換気を含めて、それなりの制限がありましたが、日常生活に大きな支障はなく、一定期間と割り切れば我慢できる範囲内でした。
外壁の塗り替え中に発生する問題は次のものがあります。
- 騒音 (足場組立/解体・下地補修作業など)
- 臭い (主に塗装作業中)
- 換気ができない/洗濯の天日干しができない
- 屋外の物が使いにくい
- 窓から家の中を見られる(見られている気がする)
外壁塗装の工事期間は作業内容や、作業員の人数にもよりますが、平均的に2週間ほどです。
騒音や臭いは、特定の作業工程のみ発生する問題です。
足場を組んで養生する都合で、工事期間中はずっと発生する問題もあります。
塗り替え中の騒音
大きい騒音がするのは、足場を組む日と解体する日、下地補修をする日の合計3日間です。下地補修は、作業内容によっては電動工具なしの手作業のみでできるので、騒音が無い場合もあります。
一番騒音が大きいのは足場を組むときです。基本的に、ハンマーで叩いて足場を固定していくので「カン、カン」と大きい金属音がします。家の中でも騒音は大きく感じます。昼寝をしようとすると気になって寝れないと思うくらいの音量なので、夜勤をしている方や赤ちゃんがいる家庭はキツく感じるかもしれません。
近所の家にも迷惑がかかるので、必ず工事をする前に挨拶と、何日に足場工事をする予定なのか業者から挨拶で回ってもらうようにしましょう。
下地補修をするときは、作業内容によって電動工具で「ウィーン」と外壁を削る音が聞こえます。電動工具の音もそれなりにうるさいですが、足場を組む時ほどの騒音ではありません。また、補修箇所によっては一部分のみしか電動工具を使わないので、1日中騒音で悩むことはありません。
外壁塗料の臭い
外壁用塗料は大きく分けて油性と水性があります。臭いがきついのは、油性塗料でシンナーのような鼻にツンと来る臭いがします。窓を閉めていても臭いが入ってくることもあり、挨拶をしていても近隣からクレームが来ることもあります。
従来は油性塗料は、臭いがきついけど耐久性が優れていることで人気が高かったですが、最近では臭いが少ない水性塗料の性能が向上して油性塗料を選ぶ方が少なくなってきました。私も前回外壁塗装した時は業者のオススメで水性塗料を使用し、特に塗り替え中の臭いは気になりませんでした。
塗料の匂いは、塗った直後が一番きつく、乾いてしまえば完璧になくならないですが、匂いは大幅に軽減されます。外壁塗装は3度塗りで最低でも3日をかけて塗装します。屋根塗装も行う場合は外壁と屋根、付帯物を分けて塗装するので6日以上塗装作業をする場合もあります。
近隣の家との密接度合いや近所の住人の人柄、自宅や近所に小さいお子さんがいるかなどを踏まえて、水性塗料か油性塗料のどちらを使用するか検討しましょう。水性塗料の性能の進化は現在も続いていて、今後は臭いの問題がある油性塗料のシェアはさらに少なくなると予想されます。
生活中の換気の問題
外壁塗装は、塗料や汚れ、高圧洗浄の水などから窓と家の中を保護するために養生をします。養生をする兼ね合いで、作業中は窓周辺に影響がある作業をするかは関係なく、窓を開けることができません。窓が開かないのでベランダの出入りもできず、洗濯物の天日干しができなくなります。
基本的に日中の作業が終了したら、養生の一部を外して換気ができるような対策を取ってもらえます。ただし、油性塗料を使った場合は換気をすると塗料の臭いが家の中に入ってくるので、終日窓をしめっぱなしになってしまうこともあります。
私が前回外壁塗装した時は、業者に相談してベランダを使える日を作ってもらったり、塗装作業中でも片面ずつ窓を開けて換気ができるように調整してもらえました。
しかし、業者によってはこうした作業中の交渉には応じてくれないケースもあるようです。外壁の塗り替え中は洗濯の天日干しや換気は原則できないと覚悟をして、工事が始まってから現場の職人に少しでも養生を外せるタイミングがないか交渉してみるとよいでしょう。
換気が必要な石油ストーブしかない家や、エアコンが付いていない部屋が多い家は、換気ができないことも踏まえて外壁塗装をする季節を調整した方がいいでしょう。
屋外のものが使いにくい
外壁の塗り替え工事をするときは、屋外の一部(主に雨に当たらない場所)を、塗装職人の荷物置き場と休憩スペースで提供しなくてはいけません。私が前回外壁塗装した時は、自転車とスクーターを停めて屋外倉庫を置いているスペースを提供しました。
塗装職人に声をかければ、荷物をどかしてくれるなど屋外のものを自由に使わせてくれますが、イチイチ仕事の水を差すのも気を使ってしまうものです。私は外壁塗装工事中は、自転車のみは頻繁に使いましたが、その他スクーターや屋外の倉庫の物の出し入れをしないようにしました。
頻繁に屋外で保管している物を使う機会がある人は、塗装職人のスペースとの関係性も含めて、何かしらの配慮や調整をしておくとよいでしょう。
窓の外で塗装職人が作業する
当たり前のことですが、外壁の塗り替えは足場を組んで家の外側で作業をします。私が前回外壁塗装した時に気になったのが、窓の外に作業員が見えることです。外の光を取り入れるため、雨戸と遮光カーテンを開けてレースのカーテンのみにしていたのですが、2階でも窓の外に人影が見えるのは違和感がありました。
もちろん、塗装職人は家の中の様子を覗こうとする様子はないのですが、人の気配があるだけで気を取られるものです。だからといって昼間から雨戸や遮光カーテンを閉めて照明をつけて生活するのも、時間のリズムが崩れるような気がしました。
また、私が前回外壁塗装したときは、塗装職人は無言で黙々と作業をしていましたが、外注の足場業者は雑談しながら作業していました。窓のすぐ外だと、ちょっとした会話も家の中に入ってくるので、声が聞こえると気になってしまうものです。
どちらの問題も、一時的な工事期間中だけの我慢と考えれば耐えることができますが、人の気配を感じながら生活するというのは気になるものです。
おわりに
外壁の塗り替え中の生活は、少なからず普段の生活に比べて不便やストレスを感じることがあります。私が前回外壁塗装をした時は、足場を組む時の騒音が一番気になりました。
あとは家の出入りをする時に作業員と顔を合わす事が多いので、挨拶など気を使う事が多かったです。しかし2週間くらいで終わることだと事前に分かっていれば我慢できる範囲内です。
洗濯は天日干しが何日もできない期間がありましたが、塗り替え中は室内干し中心と割り切っていました。毎日、室内干しできるスペースが無い場合は外壁塗装工事の間だけ、ドライクリーニングがあるコインランドリーを活用するなど対策を取っておいてもいいでしょう。
外壁塗装は家に必要なメンテナンスで、そのためには2週間くらいの生活の不便はしょうがないことだと理解しておきましょう。細かいことをなるべく考えないようにして、臭いや騒音、換気ができないなど生活の制限はそれなりあるのが当たり前のことだと割り切っておくことが大切だと思います。
「騒音が出ないように」とか「換気を頻繁にしたい」など生活を優先した要望ばかり使えると、職人も気を使って肝心の外壁塗り替え作業の質が下がってしまう懸念もあるので注意しましょう。