ブルさんブルさん

空前のDIYブームで、テレビや雑誌、ネットなどでDIYを特集する機会も増えてきました。
外壁もDIYで簡易補修しようとする方が増えていますが、外壁のDIYはデメリットが多いのでオススメできません。

DIYのデメリット


外壁・屋根のDIYは次のデメリットがあります。

  • 2階や屋根の高い場所の補修・点検が困難
  • ホームセンターで売っている補修剤は機能性が低い
  • 素人が施工すると、浸水や腐食を防げない場合がある
  • DIYをしたのちにプロの業者に塗り替えを依頼すると、補修費用が高く付く場合がある

見えるところだけDIYして安心してしまう

外壁や屋根は、1階の見える部分だけではなく、2階・3階や屋根の高い部分のメンテナンスも必要です。一箇所ひび割れ(クラック)が入っている場合、すでに塗装が劣化して複数箇所の補修が必要なケースが多いです。

1階など見える場所だけ補修して安心していると、2階や屋根など見えにくい箇所の不具合が進行して、家に大きなダメージを与える恐れがあります。また、2階や屋根など高い場所の不具合を発見できても、適切な補修作業するには足場を組む必要があります。

個人が足場業者に直接依頼すると、平均的な戸建住宅で20万円〜25万円の費用がかかります。足場費用が高額なことを考えると、素人がDIYで作業するよりも、プロに確実な作業を依頼した方がメリットが多いです。

DIYをオススメできるケースは、まずはプロの外壁業者に現地調査を依頼した結果、補修が必要な箇所が1階の足場不要で作業できる部分で、なおかつシーリング材の塗布などで解決できる軽微な不具合です。

自分で気になる外壁の不具合を見つけたら、まずはプロの外壁塗装業者を呼んで現地調査を受けるようにしましょう。ただし、DIYで対処できる場合でも、素人が施工するのはデメリットがあります。

プロの業者は材料屋から仕入れている

ホームセンターなどで売っている外壁補修用のシーリング剤と、プロが使うシーリング剤は機能性が違います。プロの外壁塗装業者は、業者専門の材料屋から、プロ仕様の施工にはコツがいるけど耐久性が高い高級品を使って補修しています。

ホームセンターで売っているDIY向けの材料は施工しやすいものもありますが、耐久性が低いです。どれだけDIYで丁寧な作業をしても、プロが行う補修作業よりも品質は低くなります。

外壁・屋根のDIYは完璧な作業ができなければ意味がない

外壁のDIYの定番は、ひび割れ(クラック)をシーリング剤やコーキング剤で埋めることです。ひび割れは放置すると外壁内部に浸水して腐食の原因になります。DIYでも完璧にひび割れ(クラック)を埋めて、水が入ってこないようにできれば効果はあります。

しかし、一部でも補修が不十分な部分があると、そこから浸水して腐食の原因を食い止められません。外壁の補修は完璧な作業ができなければ、何も対処しない場合と比べて効果の差がほとんどでません。

塗り残しのないように厚塗りすると、固まって剥がれ落ちてしまうので、外壁補修は補修剤を最低限の薄さで均等にまんべんなく塗布する技術が必要です。また、一時的な応急処置であればシーリング剤などの補修材を塗るだけでいいですが、綺麗で高耐久に仕上げるには上から塗料を再度塗ってあげる必要があります。

何も道具がない素人がイチからシーリング剤、塗料、ローラーなどの材料と道具を揃えると、数万円単位のコストがかかる場合もあります。

DIYは綺麗にやらないと、塗り替え時の作業が困難になる

外壁のDIYは応急処置の一時しのぎで自分でチャレンジする方が多いです。DIYをして1年程度で外壁の塗り替えをプロの業者に依頼すると、素人がDIYした補修跡を見て、追加の下地処理費用を請求されるケースがあります。

外壁塗装は、下地を綺麗に馴らして平坦にしてから作業を行います。個人が補修剤を厚塗りするなど、不適切なDIYを行っていると、その部分を削る余計な作業工程が発生する場合もあります。

DIYを行うための材料費や、その後プロの業者に外壁塗装を依頼した場合の追加費用を考慮すると、DIYをせず最初からプロの業者に任せた方がお得になるケースも多いです。

おわりに

外壁のDIYは、よほど作業に自信がある方を除いて、やらないほうがいいと思います。費用や耐久性を考慮すると、DIYをしてもお得で適切な補修にならないケースが多いです。

私も前回外壁塗装した時は、DIYで簡易補修をしました。私の場合はひび割れが入っている中古住宅を購入して、予算の都合で半年後に外壁塗装をする予定でした。義兄(姉の夫)が鳶職の職人だったため、プロ用のハシゴを使って、2階までDIYでシーリング剤を塗布してくれました。

しかし、建築関係の職人の義兄でも「外壁のメンテナンスは専門外だから、効果があるか分からない。半年後に塗り替えするなら、下手に作業したことで高く付いたらゴメンネ」と言われました。

プロの鳶職人でも自信を持って作業ができないのであれば、DIYや塗装関連の作業に慣れていない完全な素人が、手軽に作業できる難易度ではないと感じました。

まずは、外壁・屋根の状態で気になる所があれば、プロの外壁業者の現地調査を呼んで、DIYも含めて検討している旨を伝えて相談してみるとよいでしょう。