
外壁塗装の施工工事は、塗装や下地処理をする前に、窓サッシや淵、色を変えるポイントなどを養生し、金属の塗装部分にはサビ止めを塗ります。
養生が始まると、家の窓を空けて換気することが難しくなります。
サビ止めは業者によって標準プランになるケースと有料オプションになることがあります。
養生・サビ止め工程
養生は、サッシや手すりなど、塗装する部分と密接する箇所や、車など家の周辺のものに塗料や汚れが付着しないようにカバーを取り付けます。一般的には透明なビニールシートを養生する部分の大きさにカットして、マスキングテープという剥がしやすい粘着テープで固定していきます。車の養生は専用のビニールカバーを被せる流れになります。
サビ止めは、手すりや屋根の柱など、一部分だけ使われている金属部分や、金属製の途端屋根など全面をサビ止めしないといけない場合があります。トタン屋根など全面が金属製のものは、塗装工程の下塗り塗料をサビ止め塗料として対応することもあります。
養生は施工業者によって品質に差が出るのか?
養生はあくまでも、ビニールとマスキングテープなどで簡易的に保護するものです。養生をしっかりすれば、必ずフチが綺麗に仕上がるとは限りませんし、完璧に養生しても雨風で剥がれたり、ズレてしまう事もあります。
外壁塗装の仕上がりは養生の質よりも、塗装作業をするときの職人の腕によって変わります。綺麗に仕上がる業者は、必要に応じて養生の中についてしまったり、垂れた塗料をシンナー等で綺麗に直し、フチの部分は時間をかけて丁寧に作業します。
養生による日常生活の支障
養生をした窓や扉は基本的に開閉ができなくなります。しかし、玄関のドアなど養生した全ての部分を使えなくなると、家の出入りができなくなってしまいます。そのため養生の方法によっては、一部でドアや窓の開閉ができるように調整してもらえます。
私が前回外壁塗装したときは、2階の窓の一部を開けられるように調整してもらい、作業によって開けれる窓と開けられない窓を指示してもらいました。業者によっては、玄関など必要最低限の部分を除いて、窓の開閉は塗装が終わるまで一切応じてくれない場合もあります。
養生の目的は、塗料で汚れないようにするもので、何度もマスキングテープを付けたり剥がしたりすると強度が下がりますし、ビニールの養生がズレてしまうこともあります。つまり、生活しやすいように養生を臨機応変な対応をしてもらうことは、外壁塗装の品質に悪い影響が出る場合もあります。
私の場合は、中古住宅だったので、多少のフチの粗さは常識の範囲内で容認するつもりでした。換気やベランダの出入りなど、養生によって生じる生活への支障に不安があれば、養生の作業をする前に外壁職人に相談しておきましょう。
事前調査や商談で営業専門スタッフが対応する場合は、そこで養生のやり方の相談をしても、工事が始まって塗装職人に相談すると、なるべく養生は固定したいなど違う説明を受けるケースもあるので注意しましょう。
私が前回外壁塗装をした時は、最低限の換気ができる環境なので、不便はそれほど感じませんでした。外壁塗装をしたのは5月でしたが、日中はリビングのエアコンを使用するなど、多少は外壁塗装工事ならではの生活に変化もありました。
洗濯については、基本室内干しになります。ただし、ベランダの上塗りまで終われば天日干しもできるようになったので、洗濯の支障が出たのは1週間ほどでした。そのほか、ビニールによる養生なので風がふくと「ガサガサ」といったビニールが揺れる音が聞こえますが、夜間も含めて気になるような騒音ではありませんでした。
サビ止めの必要性と種類
サビ止めは金属部分にサビが出ないようにうするのはもちろん、金属部分に一度サビ止め塗料を塗る事によって、上塗り塗料を密着させやすくするメリットがあります。塗装直後は、サビ止めをしなくても見た目に差は出ませんが、数年経過すると塗料の耐久性に差が出てきます。
特に雨や紫外線でダメージを受けやすい屋根の金属部分はサビ止めは必須です。
サビ止め塗料には、色々な種類があり、大きく分類すると原液をそのまま塗れる1液剤と、薄めて使う2液剤があります。また、サビ止めをしてから下塗り塗料を塗るタイプと、下塗り塗料を兼用したサビ止め塗料があります。
塗装する場所や、上塗り・下塗り塗料との相性で最適なサビ止め塗料は変わってきます。外壁塗装をするときは、現地調査で家の金属部分の確認と、サビ止めの必要性や、どのようなタイプの塗料を使うのか確認しておきましょう。
養生、サビ止めは他の作業と同時進行することもある
養生やサビ止めは、通常は1名で家全体の施工をできることが多いです。そのため、養生をする日は作業員が2人以上来ると、養生をする人とサビ止めや下地処理をする人で分担して複数の作業を同時に行う事が多いです。また、複数名で一気に養生作業を進めて、その日のうちに下塗りまで着手することもあります。
養生が甘いと、品質の低下やクレームにつながることもあるので、養生は1名のスタッフが家全体を担当し、養生が悪い場所があった時の原因を明確にさせる作業方針の業者が多いです。
おわりに
養生とサビ止めを行う日は、窓ガラス付近で作業があるので、若干の騒音は気になりますが近所への迷惑はありません。
養生の品質については、プロの外壁業者であれば、適切な養生ができて当たり前といった作業内容です。
サビ止めに関しても下地処理や下塗りの一環ですので、作業を行うことに意義があり、品質は職人の腕によって変わる要素は少ないです。
養生の方法や生活への支障の範囲、サビ止め塗料の種類や塗装箇所などを、作業に入る前にしっかり確認しておくことが大切です。