輸入車や外車は、国産とは一味違った乗り味や個性的なスタイリングが特徴です。
また、欧米のメーカーを中心に「外車・輸入車=高級車」というブランドイメージが定着して、外車を所有する事自体がステータスにもなります。
ただし、輸入車や外車を乗るにあたって注意しなければいけないのが維持費の高さです。
特に車検費用は国産車に比べて大幅に高いと言われています。
ここでは、輸入車、外車の車検費用や特徴についてまとめました。
輸入車、外車の車検費用
輸入車、外車の車検費用については、原則必要項目は国産車と同じで次のものから構成されます。
法定費用
・自賠責保険
・重量税
・印紙代
業者手数料
・基本料金
・検査費用
・申請代行手数料
・その他整備費用
法定費用については、車両総重量やエコカー減税の有無、経過年数によって重量税の税額が変動しますが、ルールは国産車と同じです。
条件が同じであれば、国産車でも輸入車、外車でも車検時の法定費用は同一です。
輸入車や外車の車検費用が高い理由は業者手数料とその他整備費用です。
輸入車、外車の車検手数料
輸入車、外車の車検手数料は全般的に国産車より高いです。
車検に必要な手数料について、概算相場を紹介します。
基本料金の相場
外車や輸入車の車検基本料金は車種のクラスによって変わりますが、2リッタークラスの乗用車の場合、おおよその相場は次の通りです。
・ディーラー:3万円〜5万円
・外車専門店:2万5千円〜5万円
・スーパーオートバックスなど、外車に強いチェーン店:2万円〜4万円
・格安車検業者:1万円〜3万円
国産車の場合、ディーラー車検の基本料金の相場は2リッタークラスで2万円〜3万円ほどです。
検査費用、申請代行料は国産とほぼ同じ
外車ディーラーの場合でも検査費用の相場は5千円〜1万円、申請代行手数料の相場は1万円前後で国産ディーラーとほぼ同じ水準です。
基本料金の差額も国産車と比べて1〜2万円程度なので、基本料金関連の手数料の差額は少ないです。
ベンツやBMWなど欧州の高級車メーカーの場合、新車購入後初回車検までは、消耗品を含めてアフターケア(部品代・工賃)が全て無料のサービスを行っている場合があります。この場合は車検の基本料金、検査料金、申請代行手数料と法定費用のみで車検を通せます。
最低限の費用であれば国産車の車検とほぼ同等です。消耗品交換の費用も保証で対応できれば、外車の方が初回車検が安くなる場合もあります。
輸入車、外車の車検費用が高い理由
輸入車、外車の車検費用が高い理由は、主に部品代や工賃の整備費用が高いからです。
新車購入後初回車検や、保証付きの認定中古車などフルサポートの保証が付いていれば車検費用は安くなりますが、部品交換費用を自己負担すると各部品代が国産車よりも大幅に高くなります。
また、外車は国産車に比べて、各消耗品の交換サイクルが早い傾向があります。
特にブレーキ関連は日本よりも長距離・高速移動が多い外国でも耐えられるような作りになっているため、性能が高い一方で耐久性やコスト面で国産車より弱いです。
また、輸入車、外車は車検費用を安くする方法が少ないというのもデメリットとなります。
整備できる工場が少ない
輸入車、外車はディーラーや外車専門店など、限られた工場でしかしっかり整備する事ができません。
民間の整備工場やガソリンスタンド、国産車のディーラーなどに車検を依頼しても断られるケースもあるので注意しましょう。
格安車検業者が基本料金1万円程度で受付しているのは、整備をほとんどせず素通し車検をする条件になっている事が多いです。
輸入車や外車であっても車検に必要な検査項目は同じです、整備を行わなくてもサイドスリップや光軸の簡単な調整だけで車検を通す事ができます。
しかし、輸入車、外車は国産以上にデリケートで、車検の時くらいはしっかり整備してあげないと大きなトラブルや故障に発展するリスクが高いので、整備をしない格安業者の利用はオススメできません。
輸入車、外車は整備方法が国産と違う要素が多く専門知識が必要です。
また、整備スタッフの腕があっても、次の設備がないとしっかりした整備ができません。
・コンピューター診断機
・ブレーキオイルの交換設備
日本で流通している外車のトップブランドのメルセデスベンツの場合、高年式車は全て専用の機械が無いとブレーキオイルの交換ができません。
ブレーキは車を乗る安全面で非常に重要です。また、整備項目によってはコンピューターと繋げないと正しい調整ができない場合もあります。
そのため、ディーラーや外車専門店以外の国産車をメインで扱っている車検業者は、外車・輸入車の車検の受け入れ自体を断っているケースもあります。
なお、外車や輸入車の車検を安く行いたい方で人気が高いのがスーパーオートバックスです。
通常のオートバックスとは違い、スーパーオートバックスはベンツのブレーキオイル交換設備や各メーカーのコンピューター診断機などを完備して、ディーラーと同等の整備項目を安い料金で行っています。
純正部品以外がほとんどない
格安車検業者は交換する部品を新品の純正部品ではなく、社外品や中古、リビルド(中古再生品)などに代用する事で整備費用を安く抑えています。
しかし、需要が大きく汎用性が高い国産車とは違い、輸入車、外車は社外品や中古、リビルドなどの安いパーツがなく純正部品での交換を余儀なくされる事が多いです。
純正部品を使うと、ディーラー以外の整備工場を利用しても車検費用の総額が大幅に安くする事が難しくなります。
保証延長などオプションの加入
主にディーラー車検に該当する話ですが、外車は車検時に様々なオプションの加入を勧められます。
オプションの中でも代表的なのが、延長保証です。
外車は故障や出先でのトラブルが多く、修理費用も高額になる事が多いです。
新車や保証付きの認定中古車を購入された方は保証の恩恵を実感して、延長を検討する方が多いです。
しかし当然修理費用が高い輸入車、外車は延長保証の料金も高くなります。
一例を挙げるとメルセデスベンツのC180の2007年6月〜2014年7月登録車の場合、車検時の2年延長保証プランの通常価格は16万2千円です。
AMGやSクラスなど上級グレードだと延長保証の費用が30万円以上になる事もあります。
ほかにも、多彩なオプションが用意されていて、車検費用に加えてオプション加入費用も含めると、国産車の車検とは比べ物にならないほど大きな出費となります。
まとめ
輸入車、外車の車検費用は、国産車と比べて高い傾向があります。
法定費用の計算方法は国産車と同じで、業者の基本料金の差額も1〜2万円程度です。
しかし、部品代をはじめ整備費用が高く付くため、車検の総額が国産車より大幅に高くなります。
整備には専門の技術や設備が必要なため、外車の車検を扱う格安業者が少ない事や、純正部品以外の格安部品が無いなど、車検費用を安くする手段が少ないです。
輸入車、外車の格安車検を扱っている業者は整備をせずに、検査ラインを通すだけの対応をしている場合もあるので注意しましょう。
また、ディーラー車検の場合は延長保証などのオプション費用で数十万円かかり、大きな出費となる場合があります。
外車でも新車購入後初回車検や認定中古車購入後の車検は消耗品を含めたトータルケアが付いていて、安く車検を通せる場合もあります。