軽自動車は燃費性能や安全性能の向上が著しく、新車販売に占めるシェアが拡大傾向です。
軽自動車は維持費が安いメリットがあり、車検費用も普通車に比べてリーズナブルです。
ここでは、軽自動車の車検について、特徴や費用、普通車と比較したメリットや注意点を紹介します。
軽自動車の車検
軽自動車の車検は5ナンバーの乗用車と4ナンバーの貨物車(商用車)によって、費用や期間が異なります。
普通自動車に比べて、区分が少なく車検のルールや費用計算がシンプルです。
軽自動車の車検期間
・乗用車(5ナンバー):新車3年、継続2年
・貨物車(4ナンバー):新車2年、継続2年
乗用車の車検期間は普通乗用車と同じですが、貨物車の車検期間が2年と普通車よりも長いです。
軽自動車の車検費用
軽自動車の車検費用の項目は、普通自動車と同じですが、それぞれの金額が普通自動車より安いのがメリットです。
軽自動車の車検費用の項目は次の通りです。
法定費用(乗用車)
・自賠責保険24ヶ月:26,370円 (軽自動車は乗用・貨物問わず全て一律料金)
・重量税:エコカー減税の有無、経過年数等によって決定
・印紙代:1,100円(一律料金)
業者手数料
・基本料金
・検査費用
・申請代行手数料
・その他部品交換などの整備費用
軽自動車の重量税
普通自動車は、車両総重量によって重量税の費用が変わりますが、軽自動車は総重量に関係なく重量税費用は一律です。乗用車と貨物車の区分もありません。
ただし、普通乗用車と同様に、経過年数やエコカー減税、エコカーの該当によって重量税額は変わります。
軽自動車の重量税は次の通りです。
軽自動車2年自家用
・免税:0年
・75%減税:1,200
・50%減税:2,500円
・エコカー:5,000円
・エコカー以外の13年以内:6,600円
・13年超え:7,800円
・18年超え:8,800円
軽自動車の車検費用の相場
法定費用
・自賠責保険:26,370円(24ヶ月)
・重量税:6,600円
・印紙代:1,100円
・法定費用合計:34,070円
ディーラーの手数料、整備費用の相場
・基本料金:15,000円
・検査料:8,000円
・申請代行手数料:11,000円
・オイル交換費用:5,000円
・ブレーキオイル交換費用:5,000円
・ワイパー交換費用:2,000円
・手数料・整備費用の合計:42,000円
・車検費用総額:79,070円
格安業者の手数料、整備費用の相場
・基本料金:12,000円
・検査料:0円
・申請代行手数料:0円
・オイル交換費用:3,000円
・ブレーキオイル交換費用:4,000円
・ワイパー交換費用:1,500円
・手数料・整備費用の合計:20,500円
・車検費用総額:54,570円
軽自動車の部品交換の相場
・タイヤ(4本):2万円〜5万円
・バッテリー:5千円〜1万5千円
・ブレーキパット(2個):1万円〜2万円
軽自動車の車検費用は普通車よりどれだけお得
軽自動車の車検費用は普通車より安いです。実際にどれくらい安いか見ていきましょう。
法定費用の差額
自賠責保険(24ヶ月)
・普通車:27,840円
・軽自動車:26,370円
・差額:1,470円
重量税(13年以内のエコカー以外の2年自家用)
・軽自動車:6,600円
・1トン以下の乗用車:16,400円
・1.5トン以下の乗用車:24,600円
・2トン以下の乗用車:32,800円
・2.5トン以下の乗用車:41,000円
・3トン以下の乗用車:49,200円
・差額:9,800円〜
印紙代
・軽自動車:1,100円
・普通乗用車:1,100円〜1,800円
・差額:0円〜700円
法定費用で大きな差額が出るのは重量税です。軽自動車と比較される1トン以下のコンパクトカーでも約1万円。さらにワンランク上の1.5トン以下のクラスだと1万8千円の差額が出ます。
ただし、2年ごとの車検で総額1〜2万円の差額であれば、大きな負担と感じない方も多いでしょう。
また、エコカー減税の適用があれば普通自動車と軽自動車の差額はさらに縮まります。
基本料金は軽自動車と乗用車で大きな差はない
基本料金は車検業者によって設定価格が様々です。
最近では一部の格安車検チェーン店の場合、軽自動車から普通乗用車まで区分に関係なく、車検の基本料金を一律設定にしている場合があります。
ディーラー車検の場合でも、整備点検項目は普通自動車と変わらないため、コンパクトカークラスの乗用車と比べると基本料金の差額は数千円程度です。
また、その他検査料や申請代行手数料は業者を問わず、軽自動車と普通車は同一価格になっています。
軽自動車は部品代が安い
軽自動車の車検が普通車に比べて安くなる最大の要因は部品代です。
工賃の差額は若干ではありますが、バッテリーやタイヤなどをはじめ、消耗品全体の相場が安いです。
また、軽自動車は同じ規格で、メーカーごとに複数の車種で共通のエンジンやプラットフォームを採用している事が多く、汎用性が高い事も部品代が安い要因です。
純正部品よりも価格が安い社外品の種類も豊富で、予算に合わせて部品のランクを選ぶ事ができます。
新車購入後初回車検でエコカー減税適用で交換する部品が少なければ、軽自動車と普通車の車検費用の差額はごく僅かになります。
格安車検業者を利用すれば、コンパクトカークラスと軽自動車の車検費用の差は数千円程度になる場合もあります。
ただし、走行距離が多く交換部品が多数ある場合や、エコカー減税が適用されず重量税の負担が大きくなると軽自動車と普通車の車検費用の差額が大きくなります。
軽自動車が車検を受ける場所
軽自動車が車検を受ける場所は、原則軽自動車協会です。
軽自動車協会の場所は、それぞれの陸運局の周辺もしくは併設している事が多いです。
軽自動車協会の中には継続検査の申請および有効期限を更新した車検証の発行窓口や、軽自動車専用の検査ラインが用意されています。
指定工場以外の持ち込み車検の場合でも、移動距離が普通車の車検を行う陸運局と大差がないため、業者に依頼する持ち込み手数料の差額はありません。
自社工場で検査ができる指定工場(民間車検場)の場合は、同じ検査ラインで普通車と軽自動車の両方の検査ができます。
指定工場を利用した際に違ってくるのは、車検証発行業務を陸運局の窓口か軽自動車協会の窓口の受付場所の違いのみです。
業者に車検を依頼した場合、車検証発行手続きも代行してもらえるので、普通車と軽自動車の管轄窓口の違いは利用者にとって関係ありません。
軽自動車は自動車税の管轄が普通車と違う
継続車検を受ける際は、その年の自動車税を納税している事と継続検査用の納税証明書の提出が必要です。
普通車の場合は、自動車税の管轄が都道府県になります。
再発行手続きは県内の県税事務所であればどこでも利用でき、さらに納税証明書を忘れた場合でも、陸運局の中にある自動車税管理事務所で納税確認が取れれば対応してもらえる場合があります。
それに対して軽自動車は自動車税の管轄が市区町村になります。継続検査用の納税証明書を再発行する場合は、管轄の市区町村の役場や出張所(公民館など)になります。
軽自動車協会の近くの役場に行っても、その地域が車検証住所と同じ方を除いて、納税証明書の再発行ができません。
自動車税管理事務所も県税事務所の管轄で軽自動車の納税確認ができないため、ユーザー車検で納税証明書を忘れた場合は、一度車検証住所の市区町村の役場まで戻る必要が出てきます。
必ず車検前に納税証明書の用意をしっかり行っておきましょう。
ユーザー車検をする場合は、納税証明書の再発行がデメリットになりますが、業者に車検を依頼する場合は、利用する業者の所在地と車の車検証住所の市区町村が同じであれば、近隣で再発行できるため、紛失した場合の再発行代行を無料で対応してもらえる事が多いです。
まとめ
軽自動車の車検は以下の特徴と注意点があります。
・車検費用は普通車より安いが、差額が出るのは部品代と重量税でエコカー減税の適用があり部品交換が少なければ普通車と車検費用に大差はない
・軽自動車は消耗品全般で部品単価が安く汎用性が高い部品が多いメリットがある
・軽自動車の車検は軽自動車協会が管轄で、指定工場を受ければ普通車と同様、指定工場で検査を行える
・軽自動車は納税証明書の管轄と再発行ルールが普通車と違う