車を所有すると、乗用車の場合2年に1度(新車購入時は3年目)に訪れる、車検で大きな出費が発生します。
車検は法律で決められているだけではなく、車を安全に乗るために必要な事です。
しかし、車検代を少しでも安くしたいと考える事は決して悪くありません。
車検費用は車の重さや状態によって変わりますが、整備を依頼する業者によっても費用が大きく変わってきます。
そこで、ここでは車検費用の比較方法について解説します。
車検費用の比較
車検費用を比較するときのポイントは次のものがあります。
- 消耗品の交換・修理の必要性など車の状態
- 車検を依頼する業者の規模(指定・認証・その他など)
- 各種手数料の単価
それぞれについて見てみましょう。
車検見積は、実際に現車を見てもらう
車検費用は車の状態によって変わります。
見積依頼する時は、実際に車を整備士にみてもらって、具体的な見積を出してもらうようにしましょう。
実際にどれだけの部品を交換するかによって、車検費用が相応が見極める事が必要です。
車検見積はほとんどの業者が無料対応してくれます。
もし見積費用を請求される事があれば違う業者を探すようにしましょう。
新車購入後1回目の車検で走行距離が1万5千km以内程度であれば、ほぼ悪い所が無い場合もあります。
この場合は電話やネット見積など、基本料金の確認だけでも問題ありません。
保安基準に適合するかが焦点
車検で、どこまで部品交換をするかは車検を通すための保安基準に適合しているかが重要です。
保安基準に適合しない場合は、どこの業者を利用しても必ず部品交換をしなければいけません。
車検時に保安基準不適合になる主な事例
・ライトの電球切れ
・ライトレンズなど灯火類が割れている
・タイヤの残り溝が2mm以下(スリップラインが出ている)
・ブーツなど主要なゴムパーツの亀裂など
・不正改造
・ガラスのひび割れ、大きい傷
保安基準に適合していても、安全性や次回車検や点検時まで持たない事を理由に部品交換を勧められる場合もあります。
車検時に保安基準適合していても部品交換が必要になる主な事例
・バッテリーが4年以上経過
・タイヤの軽度はひび割れや、残り溝3〜4mm、ゴムの劣化など
・ワイパーの劣化
・エアコンフィルターの摩耗
・各種オイル交換
・傷の補修
オイルやワイパーなどは車検の基本料金に含まれている業者もあります。
オイルやワイパーなどは原則、1年以内のサイクルで交換する事が望ましいです。
車検をする際にしばらく交換していなかった場合は、車検と一緒に最低限の消耗品交換をしておくとよいでしょう。
その他、今は大丈夫でも快適性や、次回の車検や点検時まで安全に乗るために交換を推奨される場合があります。
部品交換の判断は業者によって異なる
車検見積をした時に部品交換がどこまで必要なのかの判断は、業者によって異なります。
ディーラーなど車検費用が高いと言われている所は、ちょっとした摩耗でも交換を提案される事や、保安基準は通るのに、交換しないとダメだと説明されるケースもあります。
ディーラーであれば信頼できると感じる方もいますが、ディーラーの場合、整備売上もノルマが課されていて、強引に車検単価を高くしようとしてくる場合もあります。
車検見積は、ディーラーだけではなく、民間の車検工場など複数の業者で話を聞く事が望ましいです。
車検は工場内で検査できる場合と、陸運局に持ち込みが必要な場合がある
車検を行う整備工場は主に次のものがあります。
・指定工場
陸運局の代わって車検の検査を自社で行える
・認証工場(認定工場)
車の整備や修理を行うための認証を取っていて、指定工場と同様の修理対応力を持っていますが、車検は陸運局に持ち込んで検査を受けなければいけない
なお法定点検が可能で、法定点検を受けた証のステッカーの発行までは可能です
・その他の工場
指定も認証も取っていない一般の修理業者。なかには工場を持っていなくユーザー車検代行のみをしている業者もあります
価格は安いですが、信頼性や対応力には不安があります
利用する車検業者はできれば指定工場が望ましいです。
自社で検査できるので土日の1日車検も対応ですし、検査をして不適合があっても自社の工場内で修理・調整できます。
陸運局まで車を持ち込む手間がないので効率がよく人件費も安いメリットがあります。
また、指定工場になるのは非常に難しく、長年認証工場で車検業務を行ってきた実績が必要です。
指定工場を取っている時点で信頼できる業者だと判断してよいでしょう。
認証工場やその他の工場は、指定工場よりも車検費用を安くしている場合が多いです。
ただし、陸運局まで自走することが多いのでガソリンが減って戻ってくる事もあります。
車検を依頼する業者を選ぶ時は、指定か認証かを確認しておくようにしましょう。
車検費用の差額は手数料や部品代
車検費用の内訳はおおまかに次のものがあります。
・法定費用
・各種手数料
・部品代
・工賃
法定費用については、車種や車の重量によって一律なので、どこの業者を利用しても同じです。
各種手数料は業者によって若干異なります。基本的に代行手数料と車検基本料金があります。
交換する部品代や工賃の計算方式、割引率も業者によって異なります。
同じ修理・交換をする車検でも、業者によって大きく料金が異なる場合があります。
また安い業者を利用した場合は、タイヤやオイルを価格重視でグレードの低いものを使っていたり、必要な交換部品をリビルド品(中古再生部品)を使って対応する事もあります。
車検を安くしたい場合は、手数料、部品代、工賃が安い業者を探しましょう。
安心感を重視して、しっかり整備して車検を通したい場合は純正部品を多様するディーラー車検が安心です。
まとめ
車検業者や見積を比較するポイントは次のものがあります。
・車の状態
・指定工場(自社で検査ラインがある)かどうか
・使用する部品のグレードや工賃、手数料の単価
できれば、2つ以上の工場に実際に現車を見せて具体的な見積と部品交換についての説明を聞くとよいでしょう。
あとは、価格や安心感を踏まえて、保安基準に適合する部品をどこまで交換するかと、業者の信頼度と安さのどちらを重視するか選びましょう。
ディーラーは信頼度で選ぶ方が多いですが、ノルマがあり強引に部品交換を勧めてくる場合もあるので注意しましょう。