車検をするための所要時間は整備状況や車検の利用業者、その場の状況によって異なります。
車検は必要によって、数日間車を預けることが必要な場合もあります。
車検に必要な期間や時間について紹介します。
車検にかかる期間と時間
一般的な車検全体の流れは次の通りです。
- 事前点検・見積もり
- 入庫
- 法定24ヶ月点検
- 部品交換、整備、調整
- 記録簿作成
- 検査
- 保安基準適合証の発行
- 洗車
- 受け渡し、お会計
- 陸運局への申請手続き(新しい車検証の発行)
- 車検証の受け渡し
業者や車検プランによって一部省略される項目や順番が前後する場合もあります。
- 予備検査
- 用紙、印紙の購入
- 申請用紙等の記入
- 受付
- 検査
- 車検証の発行
予備検査は省略する事もできます。
用紙や印紙の購入や記入は代書屋を利用する方法もあります。
車検は不具合がなければ1日で終わる
車検の全工程にかかる所要時間は、利用する業者やプランによって異なりますが、車に不具合がなければ1日で終わる内容です。
ユーザー車検や認証工場などの持ち込み車検は、陸運局の受付窓口や検査ラインの混雑状況によって変わります。
受付がスムーズで不具合なく検査に合格できれば1時間もかからずに終わります。
時間に余裕を持っても半日あれば充分でしょう。
法定点検は目視点検、触手点検が中心
車検時に必要になる法定点検は56項目あります。
また、業者によっては追加の安全点検で合計100項目前後の充実プランを用意している場合もあります。
これだけの項目数があると、法定点検に時間を要すると思われがちですが、点検は実際に整備や調整をすることは少なく、ほとんどが目視点検や触手点検によるものです。
点検自体にかかる時間は法定24ヶ月点検でも数十分程度で、整備付きプランの車検では、最低限の調整や整備も同時に行います。
1日車検が可能かどうかは部品の交換状況
車検で数日の期間がかかる要因は部品交換が必要で、発注してから届くまでの納期がかかるからです。
もし、1日車検を確実に行いたい場合は、事前見積点検をして、必要な部品をあらかじめ注文しておきましょう。
オイルなどの油脂パーツやベルト、ブレーキパット、バッテリー、ワイパーブレードなど需要が大きい消耗品は整備工場に在庫があり、事前準備がなくても1日車検ができる場合が多いです。
車種専用パーツの交換が必要で、部品の在庫が無い場合でも車検検査に必要な保安基準を満たしていれば車検だけその日に通して、後日追加整備をする方法もあります。
また部品交換などの作業が多いと、最短45分や60分などの短時間車検でも、作業時間が上乗せされ、店頭表示以上の時間を要します。
指定工場でなくても、1日車検は可能
指定工場以外の認証工場やその他の整備工場、代行業者の場合は陸運局に車を持ち込んで検査ラインを通す必要があります。
陸運局での手続き時間は検査を含めて1時間〜2時間ほどです。
車検に必要な点検整備も不具合や大掛かりな修理がなければ1時間〜2時間ほどの時間があればできます。
そのため、理論上は朝早い時間に預かれば1日車検も可能です。
しかし、陸運局までの移動時間や、その他の業務の都合で1日車検を受けると予定がタイトになってしまいます。
また、陸運局への持込車検は受付時間が16時前後までになっている事が多いので、納期に遅れるトラブルリスクを避けるため、1日車検を受付していない業者が多いです。
指定工場以外の整備工場でも一泊二日の期間があれば対応可能です。
元新車ディーラースタッフが語る車検の所要時間
当サイトの製作スタッフは、元某新車ディーラーで営業職として勤務していた経験があります。
某ディーラーでは、整備スタッフを30分単位で作業枠の予約票を用意して、作業内容によって相応の時間を埋めて日々の整備予定を管理していました。
車検の場合は120分、法定12ヶ月点検は60分が洗車や記録簿作成、検査を含めた作業時間でした。
もちろん全てが予定通り進むとは限らず、当日仕上げではない予定は後回しにして残業対応をしたり、1日車検やお客が待っている点検作業を優先するなど、臨機応変に対応していました。
ただし、他の予定の調整や飛び込み客の対応がなく、大掛かりな部品交換や修理がなければ、通常のオイルやベルト、クーラントの消耗品交換を含めた車検は120分以内で作業をしていました。
短時間のスピード車検ができる理由
新車ディーラーの多くは朝に預かって夕方以降に受け渡しの1日車検が最短時間ですが、部品量販店や、車検専門店、ガソリンスタンドによっては最短45分や60分などの短時間車検を行っています。
お客が待合室で待っている間にできる短時間車検は1台の車を複数名のスタッフで同時に作業したり、点検や調整を簡素化するなどしてスピード対応を実現しています。
業者ごとで、スピード車検の方式は様々ですが、45分や60分で車検をするには、不具合が無いことが前提です。
短時間車検を利用した方の口コミを見ると、45分や60分などの作業時間を明記していても、実際には1時間半や2時間ほどの時間がかかる事が多いようです。
大規模な修理が入ると数日がかりになる事も
デフやタイミングベルト交換など大掛かりな整備が必要な場合は数日がかりの期間が必要になる場合もあります。
部品を注文して届くまでの期間は1日〜2日程度で、大掛かりな修理でも、半日〜1日かければ、ある程度の作業は行えます。
しかし、整備スタッフは1台の車の作業に1日費やすと他の業務に支障が出るため、大規模な修理は数日の期間をもらって、毎日少しずつ作業を進める事があります。
まとめ
車検にかかる時間や期間は、指定工場であれば1日車検が可能です。
実際に車検整備や検査に必要な時間は、ディーラー車検で通常120分ほどですが、他の業務の都合や部品交換が追加発生するケースも考慮して、朝預かり、夕方以降の1日車検で対応している業者が多いです。
45分や60分などの短時間車検は、複数名で同時に作業したり、点検の簡素化や業務の効率化によってスピード対応を実現しています。
しかし、追加整備の内容によっては最短時間を大幅に超えることもよくあります。
指定工場以外の持ち込み車検は理論上1日車検も可能ですが、陸運局の受付時間に間に合わないと翌日以降の対応になる事から一泊二日の期間で対応している業者が多いです。
交換部品の在庫がないと1日車検に対応できなくなるので、事前見積を取るなど、あらかじめ必要な部品を用意してもらうとスムーズです。