車を保有すると、定められた期間ごとに車検を通して更新する必要があります。
車検の期間や期限は車両区分や新車、中古、継続によって異なります。
車検に関する有効期間や期限など時間的要素について、掘り下げてみました。
車検の有効期間
車検の有効期限は車検証またはフロントガラス中央上部に貼ってあるステッカーで確認できます。
車検の有効期間は車両区分に応じて次のように定められています。
新車 | 継続 | |
---|---|---|
乗用車(軽・普通車の3.5.7ナンバー) | 3年 | 2年 |
軽貨物(軽の4ナンバー車) | 2年 | 2年 |
自家用貨物(1・4ナンバー) | 2年 | 1年 |
特殊用途自動車(キャンピングカーや福祉車両などの8ナンバー) | 2年 | 2年 |
乗用車の場合は新車で3年、以降2年毎の更新になる事や、4ナンバーなどの貨物は軽を除き1年車検になる事までは覚えておくとよいでしょう。
乗用車でも10年経過すると1年車検になるって本当!?
かつては乗用車も初度登録から10年目以降になると1年毎の車検が必要でした。
しかし平成7年7月より、自動車の耐久性が上がり道路整備が進んだことなどを理由に、1年毎の車検は廃止されています。
10年経過で1年車検になるのは非常に古い情報で、長年車に乗っていない50代以上の方や、一部ネットで話題になる事が現在でもあるようです。
現在は乗用車、貨物車ともに経過年数に応じて継続車検の期間が短縮される事はありません。
乗用車の車検が3年や4年に延長されるって本当!?
現在、乗用車の車検の延長が政治家やメディアなどで議論される事があります。
これは2004年ごろから話題になっている話で、乗用車が「新車4年、継続3年」、「新車・継続ともに4年にするべき」、などの提案が一部で行われ議論されているのは事実です。
車検期間を延長する理由は部品の耐久性向上が挙げられていますが、ブレーキオイルをはじめ、定期的に交換が必要な部品も多く賛否両論となっています。
現在も、具体的に車検期間が延長する方針が定まった報道はありません。
国土交通省や車検業者の反発などもあり、安全性の確保や不正改造車の増加リスクの問題などで議論が進んでいないのが現状です。
現在のところは、近い将来に車検期間が延長される見込みはなく、将来的に車検期間が延長される可能性も低いと当サイトは判断しています。
経過年数で車検時期は判断できない
乗用車の場合、新車3年その後は2年毎の車検になります。
新車購入後順当に行けば初度登録から換算して奇数年が車検時期になります。
例:平成25年9月初度登録の車の場合
初回車検 平成28年9月
2回目 平成30年9月
3回目 平成32年9月
・・・
しかし、途中で売却や、車を乗らずに保管する事などをきっかけに一時抹消される場合や、車検切れで放置される事もあり、車検サイクルがズレる事もよくあります。
中古車を選ぶ時は、初度登録と車検有効期限のサイクルが合っていない場合は、複数オーナーや途中で一時抹消もしくは車検切れになっていた期間があった可能性を推測する材料になります。
商用車は1年車検
トヨタ・ハイエースバンや日産キャラバンなど、4ナンバーや1ナンバーの商用車は荷物の積載能力が高く、個人が自家用目的で検討される事もあります。
しかし、商用車は新車2年、その後は1年毎の車検になる点が大きなデメリットになります。
商用車の1年車検は法定費用が安いですが、業者に車検を依頼すると、その都度手数料や整備費用がかかるので、2年車検の乗用車と比較してランニングコストが高くなります。
車検を受けられる期限
法律やルール上は車検はいつでも受けることができます。
極端に例を出すと、新車登録をした翌月や、継続車検を受けた翌日に再度車検を取り直す事もできます。
車検の有効期限が長い場合は、法定費用を一度還付する方法などもありますが、車検有効期限が長く残っているのに車検を再度取り直す行為は、お金をドブに捨てるのと同等の行為です。
なお、新車の3年車検が付いていて2年以上残存期間がある場合でも、車検を取り直すと継続または中古新規扱いになり、2年の有効期間に短縮されてしまいます。
車検の残存期間が6ヶ月未満の中古車の場合は、購入してすぐに車検時期を迎える事を懸念して、車検を取り直して販売されるケースがあります。
車検は有効期限の1ヶ月前から、リスクなく継続できる
乗用車は2年ごとに車検を継続されますが、継続した日から起算されて2年後が次の車検期日になると、有効期限ギリギリに車検を受けようとする人が殺到して、車検切れになってしまうリスクが増します。
また車業界の特性上、登録日は月末に集中する傾向があり、月初と月末の車検件数に差が出てしまいます。
そのため、車検の継続検査は、直近の有効期限の1ヶ月以内に継続すれば、いつでも既存の有効期間+2年(乗用車の継続車検の場合)が次の車検期日になります。
例)
車検有効期限が平成29年1月25日だった場合、平成28年12月25日(有効期間の1ヶ月前)以降、平成29年1月25日までに車検を受ければ、次回の車検有効期限が平成31年1月25日になる
指定工場を利用すれば、車検の有効期限1ヶ月前+15日から継続検査可能
自社で車検の検査ができる指定工場(民間車検工場)で車検を受けた場合、保安基準適合証が発行され、1日車検で車を乗って帰ることができます。
保安基準適合証の有効期限15日間で、指定工場による検査に合格して保安基準適合証が発行されれば、その後15日は有効期限が延長された車検証がなくても車検切れによる道路交通法違反にはなりません。
保安基準適合証を交付した指定工場は、15日以内に運輸支局(陸運局)で有効期日を延長した車検証の発行手続きを行い、ユーザーに新しい車検証を届けます。
この制度を利用すれば、車検有効期限の1ヶ月+15日前から車検残存期間を減らす事なく継続車検を受けられます。
例)
車検有効期間が平成28年12月16日だった場合、1ヶ月+15日前の平成28年11月1日に指定工場で車検を受けて保安基準適合証を発行する。
保安基準適合証の有効期日(15日後)の11月16日に運輸支局に、継続車検手続きを行い、新しい車検証を発行すれば、次回車検の有効期間は平成30年12月16日(既存の有効期限+2年)までになります。
ただし、保安基準適合証の有効期限15日のギリギリを狙った前倒し車検は、万が一事務手続きの不備があった時のリスクが大きいです。
指定工場の車検業者は車検有効期日の1ヶ月+10日前くらいから車検入庫を受付けている所が多いです。
車検を期日内に受けなかった場合の罰則
車検が切れた状態で公道を走行する事は道路交通法違反により罰せられます。
しかし、公道さえ走らなければ車検の期日内に車検を受けない罰則はありません。
ただし、車検を再度取得しようとした時に、整備工場や運輸支局に車を持ち込む時に自走できなくなります。
この場合、自分で市区町村の役場で仮ナンバーを発行するか、ディーラーナンバー(常備できる業者用仮ナンバー)や積載トラックを完備している業者に引き取り依頼をしなければいけません。
また、車検切れの状態で車を放置しても、自動車のナンバーを返納(一時抹消手続き)していない限り、自動車税の納税義務は残ります。
車検切れで車を乗らずに放置する場合は、一時抹消手続きをしておくようにしましょう。
車は乗らずに放置すると、傷みやすいデメリットがあるので、当面乗る機会が無い場合は、車検切れや一時抹消で放置する方法だけではなく、売却して処分する事も検討するとよいでしょう。
まとめ
車検の有効期間は次の通りです。
・乗用車(軽・普通車の3.5.7ナンバー)
新車:3年
継続:2年
・軽貨物(軽の4ナンバー車)
新車:2年
継続:2年
・自家用貨物(1・4ナンバー)
新車:2年
継続:1年
継続車検を受ける期日は指定はありませんが、有効期限の1ヶ月前から残存期間を減らす事なく継続車検を受けられます。
車検を継続せずに放置させても公道さえ走らなければ法的罰則はありません。