自動車の車検には有効期間があり、車検が切れる前に継続手続きをする必要があります。
車検を受ける時期はいつなのかご存知でしょうか?
車検満了日当日まで待ってから受ける必要はなく前倒しをして受ける事も可能です。
一方、車検は万が一切れてしまうと、一発免停になる厳しい罰則があります。
そのため、車検はギリギリに受けるのではなく、損をせずに受けられる範囲内で、ある程度前倒しして余裕を持って対応するように心がけましょう。
車検の受けられる期間と前倒しのルール
車検は規則上、いつでも受けることができます。
車検切れや車検満了日当日はもちろん、新車購入した直後など車検有効期限が1年以上残っている段階で受ける事もルール上は可能です。
ただし、車検残存期間が長く残っていても、車検を取り直すと申請した日から2年後(乗用車継続車検の場合)が次回の車検の満了日になります。
つまり、車検はいつでも受ける事ができますが、早く受けすぎると残存期間分を損する事になります。
車検費用は法定費用、整備費用、業者の手数料を含めて決して安いものではありません。
当然、損をせずに賢く車検を受けたいものです。
車検は満了日1ヶ月前から、既存の車検満了日+2年で更新可能
車検は期日を迎える車検満了日の1ヶ月以内であれば、いつ受けても次回車検満了日は、既存の車検満了日の2年後(1・4ナンバーの貨物乗用車は1年後)になります。
つまり、車検満了日の1ヶ月を切ったら、いつ車検を受けても車検期日のサイクルが短くなりません。
例)
:平成29年12月10日が車検満了日の場合、平成29年11月10日〜平成29年12月10日までに車検を受ければ次回車検満了日は平成31年12月10日になる。
そのため、車検は2〜3ヶ月前から業者探しや事前見積などの準備をはじめて、残り1ヶ月を切ったらいつ受けても問題ありません。
ちなみに、上記例の場合、平成29年11月10日に車検を受ければ次回車検満了日は平成31年12月10日になりますが、1ヶ月+1日前の平成29年11月9日に車検を受けると、次回車検満了日は平成31年11月9日になり、1ヶ月分損する事になります。
指定工場で車検を受ければ、1ヶ月+15日まで前倒し可能
車検を受ける日は、整備工場で法定24ヶ月点検や指定工場の検査ラインを通す日ではなく、陸運局に申請を行う日です。
また、国土交通省から車検検査業務を委託されている指定工場(民間車検工場)は車検検査に適合すると、車検証発行までの期間、15日に限り車検証と同等の効力を持つ「保安基準適合証」が発行されます。
保安基準適合証は業界用語で「保適(ホテキ)」と略して呼ばれています。
保安基準適合証があれば、有効期限が更新された車検証が手元に届いていなくても、公道を走って違反になりません。
この制度を応用すると車検はルール上、満了日の1ヶ月+15日前から損する事なく前倒しで受けられます。
指定工場の利用で1ヶ月以上車検を前倒しする仕組みは次の方法です。
- 車検満了日の1ヶ月+15日前〜1ヶ月前に指定工場に入庫して検査ラインを通す
- 保安基準適合証を発行する
- 指定工場のスタッフが車検満了日の1ヶ月以内になってから、陸運局に継続手続きを行う
- 陸運局への手続きが車検1ヶ月前であれば、次回車検満了日は既存の満了日+2年後になる
簡単に言うと、車検の1ヶ月前倒し制度と保安基準適合証の有効期限15日を合算する事で1ヶ月以上の前倒しが可能になります。
しかし、1ヶ月+15日前のギリギリで検査を受けてしまうと、万が一陸運局への手続きで不備があると、車検検査が無効になるリスクがあります。
また、スタッフが誤って1日でも早く手続きを済ませてしまうと、1ヶ月以上車検期間が短縮されてしまいます。
そのため、ギリギリではなく早くても1ヶ月+10日前くらい前から手続きを行うようにしましょう。
車検の無料見積はいつから可能?
ディーラーや車検専門店、ガソリンスタンドなど車検を扱う業者の多くは、車検の無料見積サービスを行っています。
車検入庫する前に、交換が必要な部品を事前に把握する事で、費用の準備や部品の注文などスムーズな車検にする事ができます。
車検の無料見積を受ける時期は、実際に車検を受けようと思う日程の1〜2ヶ月前、もしくはそれ以降の車検が近づいた時期が望ましいです。
しかし、車検の見積はなるべく早い段階で取っておきたいと思う方も多いでしょう。
車検業者は3ヶ月〜6ヶ月前くらいから無料見積の対応をしています。
走行距離が多い場合は見積時と実際に車検を受けた時で車の状態が変わると、事前見積額より高くなる場合があります。
車検前の無料見積りは期間が早すぎると意味が薄れますが、車検業者は、利用者の獲得のために早い時期から無料見積に対応している所もあります。
車検までの期間が長いと、見積通りの車検にならない場合がある事も理解して、概算額の無料見積を取るようにしましょう。
まとめ
車検は規則上、受けられる時期に制約はありません。
しかし、車検満了日までの期間が長いと、車検残存期間を無駄にして損をしてしまいます。
車検満了日の1ヶ月前から、車検期間を短縮する事なく車検を受けられます。
さらに、指定工場の保安基準適合証を上手に活用すれば1ヶ月+15日前から前倒しして車検を受けられます。