車検を受けると、車検有効期限が更新された新しい車検証が発行されます。
しかし、自社で車検検査を行う指定工場の場合は、車検証発行が後日になる場合もあります。
継続車検の車検証発行時期について解説します。

車検証の発行タイミング、受取できるのはいつ?

車検を受ける方法は大きく分類して次の2つがあります。

  • 陸運局への持ち込み車検(ユーザー車検や指定工場以外の業者の車検)
  • 指定工場による車検

陸運局への持ち込み車検(継続)は、検査に合格すると窓口ですぐに新しい車検証が発行されます。
指定工場は車検検査に合格すると、仮の車検証の効力を持つ保安基準適合証(通称「保適」)が発行され、後日指定工場のスタッフが陸運局へ行き新しい車検証の発行手続きを行います。

指定工場とは、国土交通省から指定を受けて車検検査業務を委託されている整備工場です。
指定工場の車検は陸運局への持ち込み不要で、自社で車検整備から検査まで行えます。
指定工場になるのは、長年滞りなく認証工場として車検業務を行ってきた実績が必要で、信頼性が高いほか、陸運局への持ち込み検査が不要なので1日車検や短時間車検に対応できるメリットがあります。

指定工場の車検を利用した際の車検証発行時期

指定工場の車検は、検査に合格した日に保安基準適合証を発行します
保安基準適合証があれば、15日間は車検証と同じ効力を持ち、車検証なしで公道を走る事ができます
古い車検証の車検満了日が過ぎても、発行から15日以内の保安基準適合証があれば違反行為にはなりません。

指定工場は保安基準適合証を発行してから15日以内に陸運局に新しい車検証の発行手続きを行い、車検を受けた車の使用者に届ける必要があります。
指定工場の車検を利用した際の車検証発行時についてまとめました。

車検証発行手続きができるのは平日のみ

指定工場の車検は土日祝日の1日車検にも対応しています。
しかし、車検証を発行する陸運局は公的機関で役所と同様に土日祝日は休みで平日のみ受付しています。
つまり、指定工場は平日のみ車検証発行手続きを行っています。

保安基準適合証の有効期限は15日ですが、発行日から15日目が土日祝日の場合は、実質の車検証発行期限は15日より短くなる場合があります。
特に年末年始、ゴールデンウィークなど長期休暇前の車検は、車検証発行までの期間が短くなる時期があるので注意しましょう。

車検証発行はまとめて行う

指定工場は、車検検査は自社工場で既に済ませているので、新しい車検証の発行は書類のみの手続きで行っています。
保安基準適合証の有効期限が15日ある事もあり、1件ずつ個別に手続きを行うのではなく、ある程度の件数をまとめてから車検証発行手続きを行う事が多いです。

ディーラーやチェーン店などの大手は、車検証再発行に必要な書類を一度本社へ送付してから、一括して手続きを行い、再度各店舗に送付している場合もあります。
そのため、業者側の都合で車検証発行は最短でも4〜5日かかる場合もあります。

車検入庫台数が多い業者ほど、車検証発行手続きを行う頻度が高く、スピーディーな対応が期待できます。

1ヶ月以上前に検査を受けた場合は、車検証満了日1ヶ月を切ってから車検証発行手続きをする

車検は満了日の1ヶ月前から、次回更新の車検満了日を短くする事なく更新できます。
指定工場は保安基準適合証を活用できる事から、車検満了日1ヶ月以上前から車検を行っている場合があります。

車検満了日1ヶ月を超える前倒し車検は、車検満了日1ヶ月以内になるまで待ってから車検証発行手続きをしないと、次回車検満了日が短縮されてしまいます。
そのため、1ヶ月以上前倒しした車検は、車検証発行までの日数が長くなる場合があります。

車検証の受け渡し方法

車検証は重要な書類で、車検証不携帯は法律違反になり、事故や違反が起きると大きなトラブルに発展する場合もあります。
そのため、渡した、渡されていないのトラブル発生事例も多く、新しい車検証の受け渡しは次の方法を活用している業者が多いです。

  • 指定工場のスタッフが、利用者宅まで手渡しで届けに行く
  • 車検証発行が完了したら、お客が店舗に取りに来る
  • 簡易書留などの郵送

業者によっては、店頭での受け渡ししか対応していない場合や、書留を含めた郵送に一切対応しない場合もあります。
指定工場を利用した場合は、あらかじめ車検証の受け渡し方法を確認しておくとよいでしょう。

保安基準適合証の有効期限は15日なので、発行だけではなく車の使用者の手元に新しい車検証が保安基準適合証の期日内に届かなければいけません。
車検証不携帯による罰則は、法的に車の使用者(運転者)が責任を負います。

業者の不手際で車検証が届いていない場合も、法的責任を車検業者が負うことはないので、保安基準適合証の有効期限が切れて、新しい車検証が手元に届いていない場合は車に乗らないようにしましょう。
業者側の落ち度で車検証が届いていない場合は、すぐに届けに来てもらうか、無料代車の用意の請求や交渉をするとよいでしょう。

まとめ

車検証の発行時期は、次のとおりです。

  • 指定工場 → 検査日(保安基準適合証発行日)から15日以内
  • 持ち込み車検 → 車検を通した日に即時発行

指定工場を利用した場合は、あらかじめ車検証発行時期や受け渡し方法を確認しておくとよいでしょう。
車検証発行時期は業者側の都合や、陸運局の休み、車検の1ヶ月以上の前倒しなどの事情によって前後する場合があります。
保安基準適合証の有効期限は発行から15日以内です。それまでに新しい車検証の発行はもちろん、使用者に元本を届け車内に車検証を携行する事が義務付けられています。