車のナンバープレートは、管轄の陸運局の地名が印字されます。
継続車検を受ける際は、他の地域でも受ける事が可能なのでしょうか?
ナンバープレート(車検証の使用者の住所)と異なる地域での車検対応と注意点について解説します。

他地域の車検場で車検できる?

車検は陸運局や民間車検工場(指定工場)で検査を受ける事で継続できます。
継続車検を行う地域に特に指定はなく、全国どこの車検場でも継続車検を受けられます

車検が全国どこでも受けられる理由

陸運局や軽自動車協会は次の業務に限り、原則管轄内の陸運局および軽自動車協会でないと対応できません。

  • 名義変更
  • 新規登録(新車・中古車)
  • ナンバー変更(希望ナンバー含む)
  • ナンバープレート再発行

上記3点の業務は、その地域のナンバープレートを発行しなければいけません。
陸運局および軽自動車協会は、他の地域のナンバープレートの発行ができないため、管轄外のエリアの業務は原則受付していません。
特別な事情がある場合は、事前に管轄の陸運局もしくは軽自動車協会から、最寄りの陸運局等に郵送することによって、対応してもらえる場合もあります。

また、封印の破損等の再封印については、管轄外の陸運局の封印を5個ずつ常備するように決められています。
そのため、再封印のみであれば管轄外の陸運局でも対応できます。

継続車検については、ナンバープレートの発行が不要なので全国どこの陸運局・軽自動車協会で検査業務および新しい車検証の発行が可能です。
中古車新規などナンバーが付いていない車を車検を取って登録する場合は、管轄の陸運局でないと対応できません。
ナンバーが付いていない車の場合は、最寄りの陸運局および軽自動車協会で事前に検査だけ受けて、登録は最寄りの陸運局で検査不要で行える予備車検制度があります。

車検を受ける場所は、車検証住所の都道府県内にあるかがポイント

継続車検を受ける地域は、車検証住所の都道府県内かが重要です。
陸運局は各都道府県で複数の拠点を持っています。

ナンバー発行が必要な業務は管轄の陸運局で行う必要がありますが、継続車検の場合は陸運局の管轄内ではなく、車検証住所の都道府県内の陸運局かが重要です。

都道府県外で車検を受ける場合は、納税証明書が必須

車検の必要書類は、車検満了日に対応した継続検査用の自動車税納税証明書が必要です。
原則、車検を受ける際は納税証明書が必要ですが、車検証住所と同じ都道府県内の陸運局であれば、自動車税納税証明書がなくても、陸運局内にある自動車税管理事務所で納税状況を確認して継続車検に対応してもらえる場合があります。

しかし、都道府県外の車の車検は自動車税の管轄が違うため、納税証明書がなければ一切対応してもらえません。
つまり、都道府県をまたぐ他地域で車検をする場合は、必ず継続検査用の納税証明書を用意しなければいけません

自動車税は都道府県ごとの県税事務所が管轄で、郵送による再発行手続きも可能です。
ただし、郵送手続きをすると1週間〜2週間ほどの時間がかかります。
他地域で車検を受ける場合は、自動車税の納税証明書を前もって用意しておきましょう。

地域による車検費用の違い

既にナンバーが付いている車の場合、どこの地域で継続車検をしても、重量税、自賠責保険、印紙代の法定費用は同じです。
車検費用の中で、法定費用の地域差は自賠責保険のみ発生しています。

自賠責保険は次のエリアごとで保険料が異なります。

  • 本土
  • 沖縄県(離島を除く)
  • 沖縄県の離島
  • 沖縄県以外の離島

本土以外の沖縄県や佐渡をはじめとした離島は自賠責保険料が本土より安いです。
沖縄県や離島は電車などの公共交通機関が少なく移動手段が車しかない事や、交通量が少なく人身事故が少ない事から自賠責保険が安く設定されています。

自賠責保険の加入の定義は車検証の使用者の住所です。
例えば車検証住所が沖縄県で、東京に引っ越して車の住所変更をしていない場合は、東京で沖縄料金で自賠責保険に加入できます。
反対に、本土の住所の車を沖縄や離島など自賠責保険が安い地域に持ち込んでも、本土と同じ自賠責保険料が必要です。

つまり、地域による車検費用の違いは、車検を受ける地域ではなく車検証住所によって変わります。
自動車は転居したり使用地域や使用者が変わった場合(家族間の譲渡など)は、速やかに変更手続きをしなければいけません。
しかし、車検証住所を旧住所のままにしても罰則がないため、沖縄や離島の方は転居しても自賠責保険料が安い事から、あえて住所変更をせずに乗り続けてしまう方もいます。

車検費用が安いエリア

車検費用は法定費用と手数料、整備代から構成されています。
法定費用はどこのエリアで車検をしても、車検証住所に応じて同じ金額ですが、手数料や整備代は業者によって異なります。

「○○県は車検が安い」といった極端な地域差はありませんが、他地域も含めて業者を探すと安い業者が見つかる場合もあります。
また、格安車検専門店が多いなど一部では価格競争が激化しているエリアもあります。

安い車検業者を探している場合は、地域にこだわらず、幅広いエリアから業者を探すとよいでしょう。

まとめ

車検は他地域を含めて全国どこでも受けられます。
ただし、中古車新規などナンバープレートを新規発行する業務は、管轄の陸運局または軽自動車協会でないとできません。

車検を車検証住所の都道府県とは違う地域で受ける場合は、必ず継続検査用の納税証明書を用意しなければいけません。
車検を他地域で受けるデメリットは、納税確認が陸運局内ではできず、納税証明書がないと車検を一切通せない事のみです。